CEREC
セレック治療
セレック治療 〜ワンデーセラミック〜
セレックは約40年ほどの歴史があり、虫歯の治療としては長持ちする予後の良いセラミック治療システムです。
コンピュータ制御によって、セラミックブロックから詰め物・被せ物を設計・作製するCAD/CAM技術を利用しており、医療先進国のドイツで誕生しました。
口腔内スキャナー(Intra Oral Scanar:IOS)と呼ばれるコンパクトなカメラでお口の中をカラーで撮影し、最先端の3D画像を用いてコンピューターで詰め物の設計をデザインして、ミリングマシーンと呼ばれる加工機によりその場でセラミックのブロックから詰め物を短時間で削ります。
従来の粘土状の材料(印象材といいます)を用いた型取りでは、固まった印象材を外す際に変形が起こりやすく、どうしてもその精度に限界がありました。お口のスキャンではそのようなエラーは発生しません。
作製する詰め物は大きさにより5〜10分程度で削り終わります。
RECOMMEND
こんな方におすすめ
- 早く治療を終わりたい
最短で型取り当日に詰め物・被せものを装着できます - 型取りが気持ち悪くて苦手
従来のような粘土状の材料での型取りが不要 - 見た目をきれいに仕上げたい
セラミックは自分の歯のように透明感があってキレイ - 何度も通いたくない
通院回数を減らすことができます - 金属アレルギーが心配
セラミックは生体親和性がありアレルギーを起こしません - 治療したあと長持ちさせたい
セラミックは歯と「接着」して一体化するので虫歯になりにくいです - 強度の高いセラミック治療を受けたい
規格化されたセラミックのブロックは自分の歯と同様に強度があります
MERIT
治療のメリット
ワンデートリートメントのメリット
セレックの最大のメリットは、最短で虫歯治療の当日にセラミックの詰め物がお口の中に装着できる、ということです。それにより、通院、麻酔をする回数が1回で済みます。次回装着の場合は仮歯を装着しますが、仮歯の間に歯が汚染されたり割れたりするリスクがありません。また、大抵は型取りから1〜2週間の間は仮歯で過ごさねばなりませんが、当日に詰め物や被せ物が入るということは大幅に治療の期間も短縮でき、仮歯の不便な生活をしなくて済みます。仮歯は最終の歯と違って取れたりしみたりする可能性がありますから、どうしても食事の内容に制限ができたりと気を遣って過ごさねばなりませんよね。人と会うのに仮歯では会いにくいので約束を先延ばしにしたということもあるでしょう。
歯科的に最も重要なことは、削ってその日につけることで、削った歯が汚染されないので接着剤がしっかりとその性能を発揮してくれ、強固にしっかりと装着することができるということです。
研究論文によるとワンデートリートメントのセラミックは9割が30年の耐久性があるとのことです。
一般には保険治療での虫歯治療のサイクルは約5年スパンである、と言われています。初発で虫歯が発生した場合には、小さい虫歯のうちでしたら大抵はコンポジットレジンと呼ばれる樹脂(プラスチック)の詰め物をします。レジンは平均使用年数が5.2年です。レジンは特殊な光を当てて口の中で固めますが、その際に重合収縮といって95〜97%くらいに小さく縮んでしまいます。そのため、レジンの詰め物は詰めた後でヒビ割れたら剥がれたらして、しばらくすると虫歯になります。体積が関係するので大きな詰め物ほど危険性が高いでしょう。
また再度虫歯になると次はインレーと呼ばれる金属の詰め物になります。銀歯ですね。銀歯にするためには便宜的に歯を削る必要があります。詰め物の厚みを確保したり、外れにくい形に整えたり、型取りしやすい形にするなどで、だいたい1回で2〜3mmの歯質を失います。銀歯は平均使用年数が5.4年です。保険で使用するセメントは接着力が弱くて経年的に劣化して溶け出していったり、銀歯が噛む力で少しずつ変形して隙間ができたり、また口の中にはアイスクリームのような冷たいものやスープやお味噌汁、ラーメンなどの熱いものが入り、温度変化が5℃〜50℃と言われますから、それにより変形が起こります。こうして、噛む力と温度変化により詰め物と自分の歯に隙間ができ、そこに細菌が繁殖して虫歯になっていきます。
詰め物を作り替えて、もう一度少し大きな銀歯になり、また再度虫歯になって…と5年サイクルで再治療を繰り返していると、そのうち歯の神経に達してしまって「抜髄」という神経を抜く治療が必要になります。神経を抜くためにはさらにら大きく歯を削ることになります。神経の管が見えるように整えて、消毒の器具が届くように神経の入り口を広げたりと、さらに歯は小さく弱くなっていきます。
そして神経を抜いたあとはクラウンと呼ばれる被せ物になります。被せ物にした場合の平均使用年数は7.1年です。被せた縁に虫歯ができたり、根っこが折れたりして抜歯になってしまいます。つまり、初発の虫歯→レジン治療→5.2年後インレー→5.4年後クラウン→7.1年後抜歯最初の虫歯から約18年後には抜歯になっていきます。
20歳の時に虫歯治療をしたら38歳でその歯は抜歯になる計算ですね。抜歯をしてブリッジにした場合どうでしょうか?3ユニットブリッジ(3本の連続したブリッジ)の10年生存率は3割です。つまり7割ダメになります。38歳でブリッジにした場合は48歳でダメになって、次は部分入れ歯となります。このように5年サイクルで再発して歯を削る治療をしていたら、徐々に自分の歯は失われて入れ歯に近づいてしまっています。
そこで、セレックワンデートリートメントを考えてみましょう。20歳でできた虫歯をレジン治療をしていて、25歳でまた虫歯になってインレーにするとします。この時に銀歯ではなくセラミックの治療をしていれば、セレックで30年もたせることができれば55歳までセレックインレーのまま過ごせますね。
55歳で再治療をした場合には、次は30年また使ったとして85歳でやりかえになります。セラミックの場合は噛み癖などにより欠けるリスクもありますが、銀歯を5年サイクルでやりかえていくよりも、セレックなら20年、30年サイクルでやり方を考えることができ、身体にとっては非常に優しい治療と言えると思います。
セレックのメリット
- 隙間から新しい虫歯にならない
- 歯の亀裂防止になる
- 保険治療より健康な歯を削らずに済む場合もある
- 神経への刺激が少ない
- その日のうちに接着すると歯の感染を防止できるので、虫歯が非常に再発しにくい
- その日のうちに接着すると接着剤のつきが良いため長持ちする
- 通院回数や麻酔の回数が減る
セレック治療後の写真
ここには、元はプラスチックの詰め物が入っていました。
一度削って外して(古いプラスチックの詰め物はその下に虫歯があることが多いのです)、綺麗にした上で、深い部分は再度プラスチックで整えます。
その後に歯の形を整えてセラミックの詰め物を作るのに適した形にします。神経がある歯ですと、麻酔をして痛くないようにして削ります。
その後に3Dのスキャナーでお口の中のカラー写真を撮影します。撮影したデータから詰め物をデザインします。
デザインができると、そのデータを元にセラミックのブロックを機械で削ります。セラミックには色合いが色々とありますので、それぞれの方の歯の色に合わせたブロックを選んで使用します。ブロックの硬さも種類がありますので、歯ぎしりがある人や噛み合わせがきついと判断されるケースでは、より硬いブロックを使用します。通常はご自身の天然歯の硬さと近い硬さの物を使用しますので、人工的に自分の歯のエナメル質をセラミックで作るようなイメージですね。機械でセラミックの詰め物や被せ物を削る所要時間は、5〜10分程度です。
削り終わったものを磨いて仕上げをしたらお口に装着していきます。専用のセメントを用います。接着処理もしっかり行って装着しますので、基本的にはそうそう外れることはありません。
噛み合わせは微調整して合わせます。
CASE PHOTOS
セレック治療の症例写真
BEFORE
AFTER
BEFORE
AFTER
BEFORE
AFTER
【リスク】
しみたり痛むことがある、割れたり欠けたり取れることがある、虫歯が大きくて歯の神経が近い場合など神経を取る治療を伴うことがある
FLOW
セレック治療の流れ
-
01
診察歯科医師による診察を受けます。
-
02
検査- 治療部位の虫歯の状態
- 歯周病になっていないか
- セラミック治療に適した噛み合わせかどうか
- 歯ぎしりや噛み締めなどセラミックにダメージを与える悪習癖がないかどうか
など
歯周病になっている場合には先にそちらの治療をしてからセレック治療になることもあります。
レントゲン検査、歯周病検査、口腔内写真撮影など行います。 -
03
虫歯治療セレックで治療する歯の虫歯を削って取ります。
必要に応じて麻酔を使います。
虫歯があった部分は樹脂で修復し、セレック治療に適した形に歯を整えます。
削った歯の面を樹脂で覆うことで、将来的に虫歯になることを防ぐことができます。 -
04
歯の3Dスキャン小型の口腔内スキャナーを用いて3Dスキャンを行い、精密に歯の状態を記録します。
数分で終わります。
治療する歯、かみ合わせの歯、上下が噛み合った状態を記録します。 -
05
修復物設計・作製コンピューターで修復物の形を設計します。
設計が終わるとセラミックのブロックを機械が削ります。
10分程度で削り終わるので、最後は人の手で仕上げをしてお口に装着する準備をします。 -
06
装着専用のセメントを用いて歯に装着します。
セラミックと歯は「接着」により一体化しますので、将来的に周囲からの虫歯が発生しにくいことがわかっています。
従来の銀歯は、銀歯を付けているセメントが数年で溶け出して隙間ができるため虫歯が発生しやすいです。
セラミックではそのような隙間はできません。 -
07
かみ合わせの確認装着したセラミックの噛み合わせを確認します。
必要に応じて調整します。 -
01
メンテナンス治療後は3ヶ月に1回の定期検診をおすすめしています。
Q&A
セレックのよくあるご質問
-
治療期間はどのくらいですか?
スキャン、設計、製作、装着が最短で1日です。
ただし、虫歯、歯周病の治療が必要な場合は、先にそちらを行います。
また、特殊な色づけが必要な場合は、後日の装着になります。 -
治療費用が歯科医院によって異なるのはなぜですか?
セレック治療は自由診療ですので、歯科医院が自由に金額を設定することができます。
全国一律の費用にはなっておりません。 -
セレックのメリットはなんですか?
治療後が自分の歯のように自然な仕上がりで、虫歯になりにくく長持ちすることです。
経年劣化も少なく、快適に長期間お使いいただけます。