歯のクリーニングは何をしているのか?

こんにちは。堺市中区の歯医者 Miho歯科医院です。

大きな口を開けて笑ったり食事をしたりするときに、歯が汚れているとコンプレックスになり、思わず口を手で隠してしまうことがあるでしょう。

キレイな口元は、顔全体の印象をグッと明るくします。

歯のクリーニングは、キレイな口元を目指すだけでなく、虫歯や歯周病予防につながります!

歯科医院でできる歯のクリーニングですが、具体的にどんなことをしているのかわからないという方は少なくないでしょう。そこでこの記事では、当院が大切に考えている予防歯科のことや、歯のクリーニングの内容について詳しくご紹介します。

■当院が大切にしている予防歯科とは?

「虫歯を頑張って治したのに、しばらくするとまた虫歯ができてしまう…」こんなお悩みを抱えている方も少なくありません。

虫歯の治療で最も大切なのは、治療が終わった健康的な状態を維持するために、定期的にケアを受けることです。

虫歯だけではなく歯周病も再発しやすい病気なので、治療後の定期的なケアが欠かせません。

当院では、虫歯や歯周病を予防するための予防歯科や定期検診に力を入れています。患者様個人の状態に合わせて、3ヶ月~6ヶ月ごとに定期検診を行っております。

■当院のクリーニングの内容について

当院では、患者様の口腔内の状態に合わせて、歯周病検査、プラークチェック、TBI、スケーリング、PMTC、フッ素塗布、口腔内写真、動揺度チェックを行っております。

ちなみに、クリーニングの基本的な時間は45分です。

■歯周病検査とは

当院のクリーニングでは、歯周病検査を行います。

歯周病は、歯垢(プラーク)という歯に付着する細菌の固まりによって引き起こされます。歯垢によって歯茎に炎症が起こると、歯と歯茎の境目の溝が深くなり、歯周ポケットができてしまいます。

このポケットの中にまで歯垢の細菌が入り込むと、歯茎の深い部分にまで炎症が広がります。

やがて炎症は歯を支えている歯槽骨などの組織に近づき、骨が吸収されます。そして、症状の進行と共に歯がぐらつき、最終的には抜けてしまうのです。

そんな歯周病を防ぐために、歯周病検査では歯と歯茎の間の歯周ポケットの溝の深さを測定します。

■プラークチェックとは

歯垢(プラーク)とは、歯の表面に見られる付着物のことです。この歯垢は、虫歯や歯周病の原因となる細菌の固まりなのです。

プラークチェックでは、歯垢が溜まっていないかお口全体を細かくチェックします。

また、歯を染め出して、歯垢が付着している部分を確認します。この作業によって、普段の歯磨きで清掃が不足している部分がはっきりわかります。

■TBIとは

TBIは、歯科医院での歯磨き指導のことを指します。毎日しっかり歯磨きを行っているつもりでも、虫歯や歯周病になってしまうのは、実は磨き残しがある可能性が高いです。

そのため、歯科医院で適切な歯磨き指導を行います。

歯磨きのブラッシングは、歯垢の減少に有効です。ブラッシングによって、細菌の固まりである歯垢の付着を防ぐことができるのです。

歯垢の毒素は、歯茎の腫れの原因となるので、歯垢の量を減らせば、歯茎の腫れも治まります。

また、歯に付着した歯垢を放置していると、歯周ポケットがどんどん深くなります。歯周ポケットが深くなると、歯垢が溜まりやすくなり、さらに歯周ポケットが深くなっていくのです。

この悪循環を止めるためには、歯磨きでのブラッシングなどのプラークコントロールが必須です。

虫歯や歯周病予防の基本は、毎日の歯磨きです。それも、正しいブラッシング方法を身につけ、毎日必ず実践することが求められます。

毎日朝晩歯磨きしても、それが自己流のものだと磨き残しも多くなるでしょう。

その結果、歯垢や歯石などがどんどん蓄積し、やがては虫歯や歯周病を引き起こしてしまいます。

こうならないためにも、歯科医院でのTBIを受けることが大切です。

■スケーリングとは

スケーリングは、歯に付着している歯垢や歯石を専用の器具で取り除くことです。一度歯石をスケーリングで除去しても、3ヶ月程度経過すると、また細菌が住みつくと研究で言われているので、定期的に歯のクリーニングを行うことが大切です。

歯石は、唾液によって作られるわけではありません。歯垢の中にいる細菌によって歯石が作られます。つまり、歯垢がなければ歯石は形成されないのです。

歯石は、歯垢の中の細菌が歯とくっつき、その細菌が2週間程度で死んで石灰化します。石灰化した細菌同士がくっつき、歯石の芯になります。

その芯に再び別の細菌が付着し、歯石は徐々に大きくなっていきます。

歯垢だけでなく、歯石を作らせないためには、歯のクリーニングに合わせて、ブラッシングなどによるプラークコントロールが必要です。

■PMTCとは

PMTCとは、「プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング」の略でお口全体のクリーニングを指します。

柔らかいゴムでできたカップなどを歯に当てて、回転させることによって歯の汚れを隅々まで取り除きます。クリーニングの最中に痛みを伴うことはありません。

PMTCの器具は歯のクリーニング専用に作られた特殊な道具なので、クリーニング後は、歯がツルツルになり、爽快感や快適さを感じていただけるでしょう。

PMTCは、虫歯予防効果があり、新しい虫歯の発生を抑えることができます。また、PMTCを受け続けた人とそうでない人では、6年間で1.4㎜の歯肉の変化が見られます。

さらに、PMTCを受けると歯肉炎の予防にもつながるのです。

口の中には虫歯菌や歯周病菌など、目に見えないようなさまざまな細菌が潜んでいます。特に、歯の表面にはバイオフィルムと呼ばれる細菌の膜があります。このバイオフィルムをPMTCで取り除くことで、虫歯や歯周病を防ぐのです。

■フッ素塗布とは

日本の虫歯予防では、これまで歯磨きと定期検診、甘味制限の3つが強調されていました。しかし、これらは科学的根拠に乏しいと指摘されています。それに対して、フッ素の適正な応用は、虫歯予防に有益であることが科学的にも、統計的にも実証されているのです。

フッ素塗布では、家庭用の歯磨き粉に配合されているフッ素よりも高濃度のフッ素を塗布していきます。フッ素によって歯質が強くなると共に、虫歯菌の活動を抑える効果があるのです。

フッ素は「一度塗ったら数ヶ月は虫歯にならない」というものではありませんが、継続的に塗布することで虫歯の予防効果があります。

気を付けることは、フッ素を塗った後30分間は食べたり飲んだりしないということです。フッ素塗布は無料で出来ますので安心してください。

また、自宅でもフッ素が配合された洗口液などでうがいをすることも効果的です。

■動揺度チェックとは

健康的な歯は動きませんが、歯周病などの進行に伴い、歯は動揺が生じます。その動揺度を調べることによって、歯周病などの進行具合がわかるのです。

この動揺度チェックは、前歯の場合ピンセットで歯を挟んで動かします。臼歯の場合は、ピンセットを閉じて咬合面において動かしていきます。この際の力の強さと歯の動き具合によって、動揺度を測定するのです。

■クリーニングに通う頻度とは?

歯のクリーニングは定期的に通う必要があります。

通院の頻度は、3ヶ月~6ヶ月に一度を目安にしましょう。

歯科医院で歯のクリーニングを行うと、虫歯菌や歯周病菌が少なくなりますが、ゼロになるわけではありません。再び虫歯菌や歯周病菌などが増殖してしまう場合もあるので注意が必要です。

普段の歯磨きでは落としきれない歯垢や歯石を落とすためには、そのまま放置せずに、定期的に歯科医院でクリーニングを受けましょう。

■クリーニング後の注意点とは?

では、歯のクリーニングをした後の注意点は何かあるのでしょうか。

最後に、歯のクリーニング後の注意点を見ていきましょう。

・色のついた飲食物を避ける必要がある

歯のクリーニング後は、歯の表面のペリクルというたんぱく質の膜が失われています。このペリクルは、外部の刺激から歯を守る役割を持っているので、歯のクリーニング後は着色しやすい状態となります。

そのため、クリーニング後は色のついた飲食物を避けましょう。特に、カレーやコーヒー、お茶などは色が付きやすいので注意が必要です。

・食事はクリーニング後1時間経ってから

歯のクリーニング後は、1時間経ってから食事をするようにしましょう。

歯に色がつきやすいだけでなく、ペリクルが剥がれていることから、歯が敏感になっているので、刺激を受ける可能性があるのです。

・セルフケアを続けよう

定期的に歯のクリーニングを受けているからと言って、普段のケアを怠って良いわけではありません。歯科医院での歯のクリーニングは、毎日のセルフケアでは落としきれない汚れを落とすことが目的です。

そのため、虫歯や歯周病を防ぐには、普段の歯磨きに加えて、デンタルフロスや歯間ブラシなどによる丁寧なケアが必要です。

■まとめ

歯科医院での歯のクリーニングは、虫歯や歯周病のリスクを抑えます。

クリーニングを行うことによって、口内が清潔になり、口腔内の虫歯菌や歯周病菌を減らすことができるのです。

当院では、こちらの記事でご紹介したように歯周病検査、プラークチェック、TBI、スケーリング、PMTC、フッ素塗布、口腔内写真、動揺度チェックを行っております。

当院の歯のクリーニングは、1回30分~45分程度で、料金は3,000円前後です。虫歯治療をした場合は、内容に応じて料金がかかります。

定期的に歯科医院でのクリーニングを行うことが、虫歯や歯周病予防につながります。

しっかり歯磨きしているつもりでも白い歯にならない方や、きちんと磨いていても虫歯になってしまうという方は、歯のクリーニングがおすすめです。

健康的でキレイな歯をいつまでも保ちたいという方は、ぜひ、定期的にクリーニングを受けてくださいね!