歯が溶ける?酸蝕症について

こんにちは。

深井駅前 Miho歯科医院 院長の前原です。

皆さんは酸蝕症(さんしょくしょう)という病気をご存知ですか?初めて聞いたという人もいれば、名前だけ知っているという人もいるかと思います。

今回はこの酸蝕症について、なりやすい飲食物や生活習慣などをわかりやすく解説していきます。

●酸によって歯が溶ける病気

歯の表面を被っているエナメル質は、リン酸カルシウムでできている人体で最も硬い組織です。

ところが、強い酸に触れると化学反応を起こして分解し、溶けてしまいます。エナメル質が溶けてしまうと、その下にある軟らかい象牙質がむき出しの状態になり、食べものを噛んだり歯磨きをしたりする時の摩擦でどんどんすり減ってしまいます。

こうした状態を放っておくと、冷たいものがしみる知覚過敏症になったり、虫歯が一気に進行したりするなど、さまざまなトラブルを引き起こすことになります。

●酸蝕症の主な症状

エナメル質が溶ける

酸によって歯の表面を覆っているエナメル質が徐々に溶け出していきます。その現象自体は虫歯と変わらないのですが、歯の溶け出し方が違います。

一般的な虫歯は、直径1~2mmくらいの狭い範囲からエナメル質が溶け出しますが、酸蝕症はその範囲が比較的広いです。

象牙質がむき出しになる

酸蝕症が進行すると、エナメル質の下に存在している象牙質がむき出しとなります。これは虫歯と同じですが、酸蝕症の場合は歯が溶ける範囲が広いため、露出する象牙質も多くなり、歯全体が黄色く見えるようになります。

知覚過敏になる

象牙質には、歯の神経が一部入り込んでいます。冷たいものや熱いものを口にすると神経が反応して、歯がしみるようになります。また、象牙質はエナメル質ほど強くはなく、酸に対する抵抗力も弱いため、虫歯のリスクも高くなります。

●酸蝕症の予防法

酸性の飲食物を避ける

お酢やレモンなど、明らかに酸性度の高い食品は、できるだけ避けるようにしましょう。

もちろん完全に断つ必要はありませんが、口にする頻度を減らすだけでも、酸蝕症の予防につながります。

食後のうがい・歯磨きを徹底する

酸性度の高い食品を口にしても、その後しっかりうがいや歯磨きすることで、エナメル質が溶け出すのを防げます。

フッ素塗布を受ける

歯が溶ける現象である脱灰(だっかい)は、フッ素によって予防できます。

フッ素は歯の再石灰化を促すだけでなく、酸に対する抵抗力も高めてくれるからです。そのため、フッ素入りの歯磨き粉を使用したり、歯科医院でのフッ素塗布を定期的に受けたりすることをおすすめします。

唾液の分泌を促す

唾液には、酸性に傾いたお口の環境を中性に戻す作用が期待できます。また、歯の再石灰化を促す作用もあるため、唾液の分泌量を促すことは、酸蝕症の予防に効果的です。

歯が溶けるのは虫歯だけではありません。酸蝕症という病気によってもエナメル質が溶け出すことがあるため、十分に注意しましょう。

酸蝕症の症状が見られる方は、お気軽にMiho歯科医院へご相談下さい。

ホワイトニングで白くなりにくい歯について

こんにちは。 

深井駅前 Miho歯科医院 院長の前原です。 

ホワイトニングは口元の若さにもつながります。 

歯のホワイトニングはかなりの効果を発揮しますが、中にはホワイトニングをもってしても白くならない歯もあります。 

●ホワイトニング効果が十分に得られない原因 

1.すでに歯の神経が死んでいる 

転んだり、ぶつけるといった外的要因が原因で、ある日歯がグレーになってしまうということもあります。
その場合、神経が死んでしまっている可能性が高いです。通常このような場合にはホワイトニングの表面から浸透させる施術では効果がないため行いません。 

このようなケースでは、歯の内側に薬剤を入れて白くする「ウォーキングブリーチ」という方法がおすすめで、神経が死んでしまった歯でも白くなる可能性があります。
 

2.入れ歯や差し歯 

ホワイトニングは天然歯のための方法であり、歯と構造が異なるプラスチックなどの詰め物や差し歯は、ホワイトニングができません。 

そのため、天然歯の部分は白くなり、詰め物はそのままの色のままで目立ってしまうこともあるので、目立つ場所に詰め物がある場合は注意が必要です。 

3.エナメル質が薄い 

酸性の飲み物などによってエナメル質が溶けてしまうことを酸蝕(さんしょく)といい、エナメル質が薄いと歯が透けて見え、象牙質の色が反映されて黄色み帯びて見えることがあります。 

ホワイトニングはエナメル層より上にあるペリクルという層を白くしていくので、酸蝕歯ではホワイトニング効果を得ることはできません。 

歯医者さんで薬剤を塗ってもらうなどして、まずは酸蝕歯の改善に努めましょう。 

4.加齢による着色 

加齢によって象牙質の色が濃くなる傾向があり、歯の下層部分の色はホワイトニングでは効果が出ません。 

歯を白くする方法はホワイトニングだけではないので、どうしても気になるという方は、歯医者さんで相談してみましょう。 

●ホワイトニング効果を上げるコツ 

歯の汚れや歯石を落としておく 

着色汚れのステインや歯石がついていると薬剤が歯に浸透しにくく、効果が得られるまでに時間がかかります。また、歯石がたまったことが原因でエナメル質が溶け出してしまい、ホワイトニング剤を塗った時にしみることもあります。そのため、歯石は事前に除去しておくことをおすすめします。 

着色しやすい食べ物を控える 

ワインやコーヒーをたくさん飲むと歯にステインがついてしまうことは知られていますが、緑黄色野菜やカレー、着色料の入った食べ物も歯を着色する効果があります。 

特にホワイトニング直後は、ぺリクルという歯の表面を守るための膜が剥がれており、歯に色がつきやすい無防備な状態です。いつもより染まりやすいため、ペリクルが復活する12時間から24時間の食事には注意が必要です。 

ホワイトニング直後でも、着色しづらい食品としては、パイナップルやパパイヤ・キウイのように汚れを分解する酵素を持った果物がおすすめです。また、エナメル質の再生を助けて保護するチーズ・牛乳・ヨーグルトなども良いです。 

歯のホワイトニングで十分な効果が得られない理由は人それぞれです。 

ホワイトニングについてお悩みの方は、お気軽にMiho歯科医院へご相談下さい。 

プラークコントロールの重要性について

こんにちは。

深井駅前 Miho歯科医院 院長の前原です。

今回のテーマはプラークコントロールの重要性についてです。

プラークコントロールという言葉は、歯医者さんなどでよく耳にすることがありますよね。

プラークは歯垢、コントロールは制御・管理という意味で、プラークコントロールとは歯垢を制御・管理するという意味になります。

とはいえ、これだけだと分かりづらいと思うので、詳しく解説していきます。

プラークコントロールって?

プラークコントロールとは、簡単にいえば歯垢(プラーク)を減らすことです。

蓄積したプラークは、放置しておくと虫歯や歯周病を引き起こす原因になります。

そのため、歯に歯垢がたまらないようにコントロールすることをプラークコントロールと呼びます。

プラークコントロールに必要なこと

・正しい歯磨きをする

プラークコントロールの基本は歯磨きですが、ただ適当に磨くだけでは意味がありません。

まずは、歯科医院で正しい磨き方についての指導を受けておくことをオススメします。

・規則正しい食生活を送る

不規則な食事回数や間食などは、歯の表面が虫歯菌によって溶けやすくなり、プラークが付着しやすい状態を作ります。なので規則正しい食生活はプラークコントロールの1つになります。

・虫歯の治療をする

虫歯があるとその部分が段差となり、プラークが付きやすくなります。

そのため虫歯を治療して表面の段差が無くすことで、プラークコントロールに役立つことになります。

・定期的な歯石取り

病院などで歯石などを取ると表面がツルツルな状態になり、プラークが付きにくくなります。

プラークコントロールができてない場合に起こること

・口臭が発生する

プラークコントロールができていないということは、お口の中で細菌に食べカスが存在しているということです。なのでいくらお口の中が健康でも口臭が発生してしまいます。

・歯石ができる

歯垢が一定時間経過すると、石灰化して歯石となります。

プラークコントロールが不充分な場合、お口の中でプラークが停滞しているので、時間の経過によって歯石ができてしまいます。

・虫歯や歯周病になる

プラークコントロールができていなければ、お口の中は多くの歯垢が存在した状態です。

そのため、虫歯や歯周病になってしまいます。

プラークコントロールの方法は歯磨きなど、実は誰もが知っていて実践していることばかりです。
しかし、本当に正しく実践できている人は意外に少ないのではないでしょうか。

歯磨きの場合は精密な歯磨きが必要で、ブラッシングだけでは充分なプラークコントロールはできません。

歯石になってしまったプラークは、歯磨きだけでは除去することが難しいため、虫歯への対処としてとても重要です。

当院では食生活や正しい歯磨きの方法もアドバイスしていますので、お気軽にMiho歯科医院へご相談下さい。

歯石がついているとなぜ良くないのか

こんにちは。

深井駅前 Miho歯科医院 院長の前原です。

定期的な歯科検診でお口の中を綺麗にしてもらっても、次に検診に行ったときには歯石がまた溜まっている、なんてことありますよね。

毎日気を付けて歯を磨いているはずなのに、どうして固くかたまって歯のすき間にこびりついているのでしょうか。

今回は、歯石が出来る仕組みと、歯石が付着しやすい場所をご説明したいと思います。

●歯石はどうやって出来るのか

歯石はプラーク(歯垢)によって作られます。

プラークとは細菌の固まりで、歯にくっついたプラークは、 そのうち死んで固くなります。

このプラークの死がいに、 さらに別のプラークがくっつくことで、 徐々に歯石が大きくなっていきます。

歯石ができないようにするためには、細菌の塊であるプラークがついたままにしないように、キレイにブラッシングをすることが大切です。

●歯石はお口のトラブルの原因

ザラザラした歯石の表面には、プラークがくっつきやすくなります。

またそのザラザラした表面から付着したプラークをキレイに取り除くことは困難です。この歯石に付着したプラーク中の細菌によって、歯周病やむし歯などの病気が起きやすくなります。

歯石を除去すると、歯石によって覆われていた部分の歯ぐきにが歯肉炎になっているということは少なくありません。

この歯肉炎を放置したままにすると症状が悪化してしまい、歯周炎や歯周病になってしまいます。

このようなことから、歯石がついていると不潔に見えるだけでなく、健康のためにも良くないです。歯周病の治療だけでなく、健康な方でも定期的に歯石を取ることをおすすめします。

●歯石がもたらす全身への悪影響

・歯周病

歯石が多いほど歯周病は進行します。初期の段階では、歯ぐきが腫れ、出血したり、痛みが出たりします。重度歯周病になると歯を支えている骨が溶かされ、歯がグラグラして最終的に歯を失ってしまう可能性もあります。

・口臭

歯石はザラザラしているので、歯垢が溜まりやすく細菌が繁殖しやすい状態になります。この細菌が発酵することにより、ガスを発生させて嫌な臭いになります。

・きちんと磨けなくなる

歯石は、歯ブラシで落とすことができないため、歯石の内側にある歯の表面も磨くことができません。きちんと磨けないことで、プラークが蓄積することによりむし歯になるリスクも高まります。

歯石をそのままにしているとむし歯や歯周病のリスクを高めてしまいます。

そして、歯周病は全身への健康にも影響を及ぼします。歯石が及ぼす悪影響を防ぐためにも歯石取りは大切です。

歯石が溜まってしまうと、自分では取ることができません。お口の状態が悪くなる前に、定期的に歯科医院で歯石を除去しましょう。

また、プラークであれば除去もしやすので、毎日の歯磨きを丁寧に行う事も大切です。

セルフケアで取りきれない細かい汚れや歯石は、クリーニングや歯石取りにおまかせしましょう。ご家庭でのセルフケアと歯科医院によるプロフェッショナルケアの両立ができれば、歯石だけでなく様々なお口の病気の予防に繋がります。

お口に関することでお悩みの方は、お気軽にMiho歯科医院へご相談下さい。

服用薬と歯科治療の関係について

こんにちは。
深井駅前 Miho歯科医院 院長の前原です。

歯科医院の受診の際、自分の服用薬のことについて歯科医師に伝えていますか?
歯科医師が服用薬を知らないまま治療を行うと、患者様の体に重大な影響が出る事や治療が思うように進まなかったりします。
現在は服用していなくても、過去に服用していた薬が影響を与えることもありますので、お薬手帳を見せるなどして、歯科医師に知らせて下さい。
ここでは、いくつかの注意しなければいけないお薬について紹介していきます。

これから、お薬の副作用について紹介していきますが、副作用が怖いからと言って、自分の判断で薬の服用を中止することはしないで下さい。

①抗血栓薬
抗血栓薬とは、血液をさらさらにし、固まりにくくするお薬です。
血液が固まりにくいということは、逆に言えば「血が止まりにくい」ということです。
歯科治療では、抜歯など、血が出る治療があります。
その際に、血が止まりにくくなるのです。
血が止まりにくくなるとはいえ、歯科医院では問題なく止血できるので、ご安心ください。

②骨吸収抑制薬
骨を増やし、骨折の予防や、骨粗しょう症の治療に使うお薬です。
重大な副作用として、頸骨壊死があります。
頸骨壊死とは、あごの骨が壊死してしまうことです。
特に、抜歯などの外科処置を行うときの刺激によって引き起こされることが多いです。
頸骨壊死を防ぐため、抜歯しなくていいように普段からケアしていきましょう。

③抗てんかん薬
脳の興奮を抑え、てんかんの発作を防ぐお薬です。
抗てんかん薬のうち、フェニトインという成分が入ったお薬を長期間服用した場合、副作用として歯茎の腫れがみられることがあります。
歯茎の腫れは、歯肉炎にも繋がります。
歯茎に刺激が与えられると腫れが起こりやすくなるため、歯石の除去など日頃のケアで予防していきましょう。

④カルシウム拮抗薬
血管の壁の収縮を抑えて血管を広げ、血圧を下げるお薬です。
高血圧症や狭心症、心筋梗塞などの治療に使われるカルシウム拮抗薬は、血管を広げるため、副作用として歯茎の腫れが起こることがあります。

⑤まとめ
ここで紹介した4つのお薬以外にも、注意すべきお薬があるため、お薬を飲んでいる場合は種類にかかわらず、必ず歯科医師に伝えてください。
お薬の紹介をする前にも書きましたが、自分の判断で服用を中止することは決してしないで下さい。
お薬は、必要性があって処方され、服用期間も決められています。
心配な場合は、歯科医師や、主治医に相談し、指示を受けてください。

治療する際に服用薬についてご心配の際は、お気軽にMiho歯科医院へご相談下さい。