「口腔機能低下症」という言葉を聞かれたことはありますか?
お口の機能が低下すると・・・
・むせる
・食べ物をこぼす
・飲む込みにくい
・滑舌が悪くなる
・噛めない食品が増えてくる
こういった自覚症状が現れてきます。
年齢とともに衰えていくお顔の筋肉。
筋力の衰えは機能低下を招き、お口の機能低下は身体の機能低下へと繋がります。
噛めなくなってしまうと食事が偏ってしまい、身体の健康に必要な栄養素がとれなくなってしまいます。
身体が元気でなくなると活動が減り、引きこもりがちになって社会的に孤立してしまうこともあります。
身体が弱ることで転倒リスクが上がり、転んだ方をきっかけに寝たきりになってしまうケースもあります。
寝たきり予防にお口の機能を健康に保つことが有効です。
では、口の機能が健康かどうかはどうやって判定するのでしょうか?
「口腔機能低下症」の判定には以下の7つの項目あります。
1.舌苔付着度:舌についている白い苔状のものは、皮膚では垢にあたるようなものです。細菌や食べカス、口の粘膜の剥がれたもののかたまりで、口の機能が低下すると分厚くなります。9分割してどのくらい溜まっているか評価します。
2.口腔乾燥度:ムーカスという機器で測定する方法と、ガーゼを口に入れて出てくる唾液を吸わせ、ガーゼの重量がいくら増えたかを計測する方法とあります。
3.咬合力:バイトフォースアナライザーという機器を使ってデンタルプレスケールⅡで測定する方法と、残っている歯の本数を評価する方法があります。
4.舌口唇運動機能評価:パ タ カ の各音を5秒間で何回発音できるか計測します。
5.舌圧:舌圧計で舌の筋力を計測します。
6.咀嚼機能評価:専用のグミゼリーを咀嚼してその状態を評価します。どのくらい細かくなったか大きさを評価する方法と、グミゼリーから溶け出した糖分を機器で測定する方法があります。
7.嚥下機能評価:嚥下機能をアンケートにより評価します。
これらの項目で3項目以上に低下が見られる場合が口腔機能低下症と言われます。
もし、口腔機能低下が見られた場合には、機能を改善するトレーニングがあり、
それらに積極的に取り組んでいくことで改善することができます。
口から美味しく食事を食べられることは、身体を維持するための栄養摂取にとても大切なことです。
普段から食事ではよく噛んで食べることと、噛み応えのあるものも避けずに食べるようにして、口の筋肉が衰えないようにしていきましょう。
一口で30回咀嚼すると、食物も細かく粉砕されて胃腸にも優しくなります。
また咀嚼するときに唾液と混ぜ合わせることで唾液中の消化酵素が混ざり、消化がよくなります。
お米は噛むほど甘くなるといいますよね。
唾液中に消化酵素のアミラーゼが含まれるためです。
むせたりこぼしたりなど気になる症状がある場合は早めに歯医者さんにご相談にくださいね。