歯周病とタバコ

今日のテーマは「歯周病と喫煙」です。

喫煙している場合は、重度の歯周病になりやすく、
また、治療しても治りにくいことが昔から知られています。

なんと

タバコを吸っている人は喫煙していない人に比べて、
2.1~4.7倍も歯周病になりやすいと研究でわかっているのです。

その理由は、喫煙していると歯ぐきの免疫力が低下してしまい、
修復機能も働かなくなってしまうからです。
タバコを吸っている場合は、見た目の歯ぐきの症状は現れにくく、
非喫煙者と比べて出血も少ないため、
ご自身で歯周病を自覚することはより難しい状態です。

しかし、喫煙者の場合は突然歯ぐきが大きく腫れて、
歯を支える骨があちこちで失われていくため、
次々と抜歯が必要になるケースが多いです。

歯周病と喫煙の関係にご自身が気づき、思い切ってその後禁煙をされた場合は、
ご自身によるプラークコントロールと継続的なメインテナンスにより、
良好に自分の歯を守っていくことができる方がいらっしゃいます。

逆に、禁煙できなかったケースでは、
定期的に来院してメインテナンスを受けていても急性炎症が起こり、
通常では考えられないスピードで歯を失っていく場合が多いです。
喫煙は、歯周病の最大のリスクファクター(危険因子)なのです。

「タバコがやめられるものなら辞めています」
という声が聞こえてきそうですが、
やめたいと思ってもなかなかやめられない、依存性の高い習慣です。
思い切って禁煙外来を受診していただくのも一つの方法です。