顎が痛い時はどうするの?

こんにちは。堺市中区、深井駅前のMiho歯科医院、院長の前原です。

顎関節症についてのコラムです。

・「音がする」

口を開けた時に「ジャリジャリ」「ゴリッ」など、「音がする」というのは顎関節症の典型的な症状です。一番軽度なタイプなので、あまり心配し過ぎる必要はありません。特別な治療が必要でないことも多いです。治療が必要かどうかは、歯科医院で診察を受けると良いでしょう。「音がする」というときは、顎をリラックスさせ、悪い姿勢など生活習慣を見直しましょう。最近はスマホがすっかり普及して、お子さんからご高齢に方まで空いた時間はスマホでちょっと息抜きや情報収集ということが増えています。長時間のスマホ操作は顎関節症に繋がりますのでご注意を。

・「痛みがある」

「口を開けたり噛みしめると痛みがある」または、「今までは音がするだけだったのが痛むようになってきた」という時は、早めに歯科を受診して歯科医師の診断を受けましょう。歯科で痛みの原因が顎関節内部にあるのか、関節を覆う筋肉にあるのか診断を受け、必要な指導や治療を受けます。重要なことは、痛みが出るような顎の動きはしないということです。硬いものを食べたり、大きな口を開けてカラオケを歌うなどは、顎関節に負担がかかります。まずは安静にして様子をみます。必要に応じて鎮痛剤を処方したり、顎の負担を減らすマウスピースを作成することもあります。

・「口が開かない」

「大きく口を開けられない」「今までは音がするだけだったのが口が開かなくなった」という時は、できるだけ早めに歯科を受診してください。顎関節の内部に問題が起きています。顎関節では、上顎骨と下顎骨の間に「関節円板」という組織があります。この組織がクッションのように働くお陰でスムーズに顎の開閉が可能になります。ここがうまく機能せず顎の動きが妨げられると口が開かなくなります。歯科においては関節円板の動きを改善するマニピュレーションをおこなったり、それが難しい場合は開口訓練を行ったりします。

以上のように、顎関節症は患者さんご自身で生活習慣を改善していくことと、歯医者さんと相談して治療を進めていくことがあります。

顎関節症は他因子疾患と言われ、様々な要因が絡み合って発症するものです。生活習慣で猫背や悪い姿勢で巻き肩になっているなど、日常生活の関与も大きく、その症状の改善には時間がかかるものでもあります。夕食に糖質が多いものを食べて寝ると、夜間に血糖値が下がり、下がった血糖値をあげようとアドレナリンが出て交感神経優位となり、夜間の歯ぎしりが起きると言われています。夜間の歯ぎしりで筋肉に負担がかかると顎の痛みに繋がります。糖質過多の生活も顎関節症の観点からは良くないのです。