歯ブラシの交換時期は?

こんばんは!

 

突然ですが…歯ブラシはどの位の頻度で新しいものに交換していますか?

当院では予防歯科を大切にしているので、全ての患者様に歯ブラシ指導をさせていただきます。

その際にお話を伺うと…2ヶ月くらい使っています、とか、いつ買ったかなぁという方もおられます。

そもそも、歯ブラシっていつ交換したら良いの?

という質問もいただきますので、

今日は歯ブラシの交換時期についてのお話をします。

 

 

こちらは日本小児歯科学会の報告です。

図の中に出てくるプラークというのは、歯垢のことです。

細菌の 塊なので「細菌性プラーク」ですね。

毛先が開いてしまうと、歯ブラシではお口の汚れは6割ほどしか落とせないんです。

毛先が少し開いただけでも8割しか汚れが落とせません。

同じ時間歯磨きをするなら、しっかりと綺麗にしたいですよね。

 

歯ブラシ交換の目安は1ヶ月です。

 

分かりやすいのは、毎月1日に新しい歯ブラシにして1ヶ月使っていただく、というというのはどうでしょうか。

定期的に歯の検診に来られている方の場合は、次の検診が来月なら1本、次の検診が再来月なら2本の歯ブラシを買って帰っていただきます(^^)

毎月、新しい歯ブラシでお口の中もすっきり綺麗にしたいですね!

歯間ブラシの場合も、歯ブラシのように洗って何度か使っていただけます。

歯間ブラシですと毛が抜けてきたり、芯になっているワイヤーが折れたら交換の目安になります。

毛が抜けなくても乱れてきたら、清掃効果は落ちていますので、新しいものにしたほうがいいですね!

道具は正しい使い方で効果的に使っていきましょう!

ただし、ソニッケアーなど音波ブラシの場合は、独自に毛先に色素が入れてあり、使うごとにその色が抜けていって白くなったら交換するというものもあります。

もし特殊なブラシをお使いの場合には、説明書をご覧いただくか、当院スタッフまでお気軽にお問い合わせくださいね!

 

歯科金属アレルギーとは

こんばんは。

堺市中区、深井駅前のMiho歯科医院 院長の前原です。

最近、「歯科金属アレルギー」を気にされる患者様が増えてきました。

一般に「金属アレルギー」といえば、時計やピアス、眼鏡フレーム、ベルトのバックルなど、金属に触れている部分が赤く腫れたり痒くなったりする事多いですね。「アレルギー性接触性皮膚炎」と言って4型アレルギー 遅発型アレルギーの分類に入ります。

「歯科金属アレルギー」は、原因となる金属が直接接触しているお口の粘膜などに限定して起こるものではありません。

とある研究によれば、一番多いのが「アトピー性皮膚炎」であり、他に「湿疹」.「掌蹠膿疱症」.「乾癬」.「にきび」など、お口の症状だけに留まらない、そして、皮膚科などでの難病であることが多いというとても恐ろしいものなのです。

 

お口の中の金属は腐食しやすい

 

このことを頭に入れていただきたいです。

 

金属は腐食します。少し難しくなるかも知れませんが、金属の腐食は酸化還元反応により進行していき、金属イオンとなってお口の中の金属が脱落していきます。その時に水分があったり酸性の状況だと、より腐食プロセスは加速します。

よって、お口の中では金属は非常に腐食しやすいのです。

金属はアレルギーを起こさせませんが、金属イオンはアレルギーを起こします。人体のタンパク方と結合した金属イオンは、身体にとっては「異物」であり、様々なアレルギー反応の原因となります。

お口の中で腐食して溶け出した金属イオンは、唾液とともに飲み込まれて身体の隅々まで運ばれます。

 

よって、全身性接触性皮膚炎を歯科金属が起こすリスクがあるのです。

 

 

では、金属アレルギーの診断はどうするのでしょうか?

歯科医師にとって歯科金属アレルギーは対応に苦慮する病気であり、皮膚科医にとっても実は診断と治療はとても困難です。

皮膚科での「パッチテスト」が検査として必要ですが、そもそも「パッチテスト」を行うことでアレルギー源に感作されてしまうリスクもあるため、慎重に行わねばならず、「なんとなく気になるから」行う検査ではありません。

 

金属アレルギーは「多因子疾患」つまり、いくつかの原因が重なって起こるということも、診断がより複雑化します。

にきびや湿疹の原因としてニッケルを多く含むチョコレートがよく知られていますね。

また、難病である「掌蹠膿疱症」の治療は第一選択が扁桃腺摘出です。身体の他の部分の慢性炎症は先に取り除かねばなりません。

体内に存在する金属、食品として摂取する金属、なおかつ他の病気や感染も配慮した上で総合的に診断していくという、とても難しいものなのです。

 

歯科治療で保険の範囲内で治す場合、一般的には「金銀パラジウム合金」が使われます。

噛む力に耐えられて長く使えるもので、保険が適用されますから患者様の自己負担額は少なくてすみます。

装着した直後は問題ありませんが、時間が経って腐食していくと「金属アレルギー」の原因となる可能性がありますので、身体の健康も考えて歯科治療を受けたいという方にはお勧めできない材料です。

日本では戦後直後に多くの方が安くて歯科治療を受けられるようにと「金銀パラジウム合金」.いわゆる「銀歯」が保険に導入されました。

この材料は危険性があるためにアメリカやドイツといった先進国では使用が禁止されているものです。

 

これらのことを知った上で、あなたは銀歯を選択しますか?

 

日本で銀歯による治療が多いのは、歯科医院からの情報提供不足もあるでしょう。

 

これからも、あなたの健康に役立つ情報をお届けしたいと思います。

 

 

 

 

知っておきたい歯の豆知識:インプラントの構造

Miho歯科医院では、歯を失った時の治療法の一つとしてインプラント治療も行っています。

今日はインプラントの構造について解説致します。
下のイラストをご覧下さいね。

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右側のイラストでは、インプラント補綴による歯は3つの構造に分かれていますね。
3階建ての家のようなイメージをして下さい。
一番下がフィクスチャー、もしくはインプラント体と呼ばれる部分で、
顎の骨に植えて固定源となる部分です。
純チタンでできており、骨結合という様式で顎の骨と硬く一体化してくっつくことができます。
その上の真ん中にあたる部分がアバットメントと呼ばれる部分で、ここは骨に植えたインプラントが歯茎を貫通してお口に露出した土台となります。
一番上の部分は歯の形をしており、これにより食べ物を咀嚼して噛めるようになります。
建物で言うと3階に当たるこの部分は、インプラント上部構造またはインプラント上部冠と呼ばれます。
インプラント上部構造は、アバットメントとセメントを介して固定されるか、ネジで固定されており、
もし長年使って噛み合う部分が欠けてしまったなどのトラブルの時には外してリペアする事が可能です。
歯を失った方の場合は噛む力が元々強いことが多く、インプラント治療によってまたそこに歯を取り戻すことで、ご自身の噛む力で上部構造を壊してしまう可能性もあります。
また、天然歯(自分の歯)は年月と共に手前に少しずつ移動していきます。
個人差はありますが、40歳を過ぎると歯の移動が起こってくるケースがあります。
これは、並び合う歯と歯の接触する部分(コンタクトポイント、接触点)は磨耗していくので、
その分だけ手前に歯が動いていくメカニズムがあるからです。
そうすると、骨と結合して移動することができないインプラントの歯だけ、歯列の中で取り残されてしまいます。
手前の歯との間隙が少しずつ広がっていくことがあるのはこのためです。
隣り合う歯との間が空くと食べ物が挟まるようになり、それによって歯茎が圧迫されて血流が悪くなるため部分的に歯周病に罹ったり、不潔になることで虫歯が手前の歯にできたりするリスクが生じます。
このように前側の天然歯との間隙が開いてきた場合も、インプラント上部構造を取り外して隙間の大きさをリペアすることができます。
3階建ての構造のインプラントの場合は、もっともっと長く使用して、例えば将来を考えて寝たきりや手が不自由で歯磨きができなくなった場合にも対応することができます。
アバットメントの部分から取り外してしまうと、インプラントは完全に歯茎の奥に埋め込まれます。
お口の細菌が入り込んで感染を起こす危険性はなくなります。
お食事には取り外し式の入れ歯を作成し、お手入れ不足から起こる「インプラント周囲炎」を予防することができるのです。(インプラントは虫歯にはなりませんが、歯周病になる事はあります。インプラントの感染症をインプラント周囲炎と呼び、歯茎だけに炎症が留まるのみならず、骨にも炎症が及ぶと顎の骨が溶けて膿が出るなどトラブルにつながる危険性もあります)
このように3階建ての方式のインプラントには利点が沢山あります。
安価なインプラントの場合は、骨から突き出たインプラントが直接お口の中に露出してしまう構造のものもあるので、インプラント治療の価値を値段で判断するのは、実はとても危険な事なのです。
生涯を通じて快適に安全に過ごしていただくために、適切な設計のインプラントを選択されることをお勧め致します。
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H30年9月14〜16日は、日本口腔インプラント学会の学術大会が大阪にて行われます。
今年も参加して知識をアップデートしてきます(^ ^)