昨年から、1,000?1,500ppmのフッ化物を歯磨き粉に配合することが効率で許可されました。
これまで、市販の歯磨き粉に配合するフッ素の上限は1,000ppmというルールがあり、
そのため、多くても950ppm程度のフッ素が配合されているというのが歯磨き粉の虫歯予防としての有効成分量でした。
フッ素の配合量が増えたことで、虫歯予防効果がどのくらい上がるのかについてお話ししたいと思います。
フッ素による虫歯予防のメカニズム
フッ化物が歯に作用すると、以下のことが起こるとされています。
・歯のエナメル質の結晶が改善される
・唾液中のカルシウムイオン、リン酸イオンと共に、初期虫歯(脱灰)部分の再石灰化が促進される
・エナメル質の結晶が「フルオロアパタイト」という硬い歯質になる
WHO の研究により、1,000ppmを超える濃度のフッ化物配合歯磨剤では、濃度が500ppm上昇するごとに虫歯予防効果が6%アップするということがわかっています。
高濃度フッ素配合の歯磨剤の見分け方
1,000ppmを超える高濃度フッ素配合歯磨剤の場合は、
フッ素の濃度を購入時・使用時に確認できるよう、
容器や外部包装などに記載するよう義務付けられています。
ですので、購入時に店頭でフッ素の濃度を確認して購入するようにすれば間違いありません。
パッケージのフッ素濃度表示がわかりにくい場合は、治療などの際に当院にお持ちいただけましたら当院スタッフが確認いたしますね!
注意事項
6歳未満のお子さんへの使用は控えてください。
フッ化物は摂りすぎると急性中毒と慢性中毒が起きるとされています。
保管する場合も6歳未満のお子さんが手の届かないところにしてください。
現在国内で販売されている高濃度フッ化物配合歯磨剤
・チェックアップ スタンダード(ライオン)
・チェックアップ ルートケア(ライオン)
・チェックアップ ジェル ミント(ライオン)
・クリニカ アドバンテージ ハミガキ(ライオン)
・シュミテクト デイリーケア プラス(グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン)
・バトラー エフペーストアルファ(サンスター)
・クリアクリーン プレミアム(花王)など
これらはいづれも1,450ppmのフッ化ナトリウムを薬用成分として配合しています。
また、15歳未満の子供さんの場合は、歯科医師の判断の元で使用するか決めた方がいいとされています。
とくに虫歯になりやすいというお子さんがおられる場合は、
高濃度フッ素配合の歯磨剤が適しているか歯科医にご相談ください。
高濃度フッ化物配合歯磨剤は、これまでの歯磨剤製品と比べて価格的には100円ほどアップしているようです(商品によります)。
同じ歯磨きをするなら、虫歯予防効果が高いもののを使用する方がいいですね!