最近増えている「お口ぽかん」あなたのお子さんは大丈夫?!そしてその対応とは?

「お口ぽかん」とは、口を無意識に開けてしまう状態のことを指します。この状態が続くと、歯並びの乱れや口呼吸による健康問題などが発生する可能性があります。この記事では、お口ぽかんの原因や影響、そして改善方法について解説します。

お口ぽかんの原因

お口ぽかんの原因は、以下のようなものが考えられます:

  1. 口呼吸の習慣:鼻詰まりやアレルギーなどにより、鼻での呼吸が難しい場合、口呼吸が習慣化してしまいます。
  2. 筋力の低下:口周りの筋肉が弱くなると、口を閉じているのが難しくなり、お口ぽかんの状態が続くことがあります。
  3. 歯並びや顎の問題:歯並びや顎の発達に問題があると、口を閉じにくくなり、お口ぽかんが発生しやすくなります。

お口ぽかんが引き起こす影響

お口ぽかんの状態が続くと、以下のような影響が現れることがあります:

  1. 歯並びの乱れ:口が開いたままだと、舌の位置が下がり、歯並びが乱れやすくなります。
  2. 口腔乾燥:口が開いていると唾液が蒸発しやすく、口腔内が乾燥し、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
  3. 健康問題:口呼吸が続くと、口腔内だけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼすことがあります。例えば、いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因にもなり得ます。

お口ぽかんの改善方法

お口ぽかんの改善には、以下のような方法があります:

  1. 鼻呼吸の練習:まず、鼻で呼吸をする習慣をつけましょう。鼻詰まりが原因であれば、耳鼻科を受診して治療を受けることが重要です。
  2. 口周りの筋肉を鍛える:口を閉じる筋肉を鍛えるためのエクササイズを行いましょう。例えば、「あいうべ体操」などが効果的です。
  3. 姿勢の改善:姿勢が悪いと、顎や口周りに余計な負担がかかり、お口ぽかんの原因になります。正しい姿勢を保つことが大切です。
  4. 専門医への相談:歯並びや顎の問題が原因の場合、歯科医院での治療が必要になることがあります。矯正治療やマウスピースなどを用いて、適切な治療を行いましょう。

まとめ

お口ぽかんは、日常生活において気づかれにくい問題ですが、放置すると健康にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。ご自身やお子様に「お口ぽかん」が見られる場合は、早めに対策を講じることが大切です。日常の習慣を見直し、必要であれば専門医に相談して、健やかな口腔環境を保ちましょう。


保険制度が改訂されて18歳までは保険診療でも「お口ぽかん」に対する指導を受けられるようになりました。

少しでも心配な場合は歯科医院を受診しましょう!

保険でできる白い奥歯「PEEK冠」

こんにちは、大阪府堺市中区の深井駅前の歯医者のMiho歯科医院 院長の前原です。
最近患者様から「保険でできる白い歯があるってネットで出てるんですが・・・」とお問い合わせをいただきます。
PEEK冠と呼ばれるもので、2023年12月の保険改訂で健康保険でできる歯科治療の中に入ってきました。
こちらの治療について解説します。

1.PEEK冠とは
保険適用になったCADCAM冠としてのPEEK冠は、主成分が「ポリエーテルエーテルケトン」という白い被せ物で、無機質フィラー(セラミックの一種)を配合したレジン(合成樹脂)のブロックをコンピューターを用いて削り出したものです。
力が加わった際にたわみやすく、従来のCADCAM冠よりも破折しにくいという特徴があり、これまでのCADCAM冠で適用されなかった第二大臼歯や第三大臼歯にも適用できます。

2.耐久性
一般的には2年程度で変色、摩耗などの劣化が進み、場合によっては寿命を迎えてしまうと考えられています。
毎日食事をして歯磨きをして、歯にはさまざまなダメージが加わります。
噛むことですり減ります。
材料自体も劣化します。
すり減る事で噛み合わせが狂ってしまうリスクが心配です。


3.色あい
PEEK冠は「アイボリー」しか色がありません。
従来のCADCAM冠よりも歯としては不自然な色合いです。
また、従来のCADCAMには「A3」「A2」など色のバリエーションがありましたので、
保険の範囲内でも多少は個人に合わせた色を選択することができました。
PEEK冠は銀歯のように暗い色ではありませんが、
透過性を付与することが難しい材料ですので、
従来のCADCAMよりは歯としては自然な色合いでもありません。

4.安全性
PEEK冠は生体安全性が高い被せ物だといえます。
生体親和性が高く,成分の溶出量が少なく,安定して使える材料です。
PEEKは医科の分野では医療機器やカテーテル,体内インプラントなど生体埋入の実績もある材料ですので、これまでの銀歯よりは安全性が高いです。
銀歯の場合はお口に入れていからイオン化して唾液に溶け出し、体内に取り込まれて全身に移行していきます。
手足や頭皮など末端にも溶け出した金属は到達すると言われます。
PEEKは金属の使用が敬遠される場合や金属アレルギーのある患者にも適用でき,非金属材料の歯冠修復による治療の選択肢が広がりつつあります。

5.噛み合う歯に対する安全性
PEEK は物性値としてのビッカース硬度はハイブリッドレジンより小さく,対合歯に対して咬耗を生じさせにくいとされます。
噛み合う相手の歯に対しては安全な材料です。.
また,過度の咬合力に対して緩衝作用も期待できるという特徴も有しますので,
歯根への負担が生理的範囲で歯の寿命に有利に働くことが期待できます。

6.接着
PEEK冠は接着剤で歯に装着します。
材質的にフィラー含有量が少ないため、従来のハイブリッドレジンのCADCAM冠よりは接着力が劣ると言われます。
脱離しやすいのではないかと思われます。
食事中に外れて、一緒に噛んで割れてしまうなどのトラブルが起きそうに思えます。


7,現状の普及具合
保険適用としてPEEK冠が認められましたが、
2024年4月の時点では材料が潤沢に行き渡っておらず、
制度としては認められたものの実際に治療としては実施している歯科医院は少ないようです。
当院でも、取引している歯科技工所に何度も問い合わせをしておりますが、
まだ材料が入手できないため実際の症例は行っておりません。
 ➡︎2024.08.10追記:歯科技工所にPEEK冠の材料が行き渡るようになり、症例を限定して少しずつ臨床導入しています。実際に実施している歯科医院も増えてきました!

「白い」とはいえ、「アイボリー」色の一択で、色の調整はできません(>人<;)

歯としてはかなり不自然な色合いになります。


まとめ
保険でできる白い奥歯「PEEK冠」が導入され、銀歯のような金属アレルギーのリスクはない被せ物であるが、色が不自然な白さだったり摩耗や劣化があって寿命が短い可能性がある。まだ導入されて間もないため、歯科医院で実際に行っているところは少ないが、今後少しずつ材料が普及すれば広まっていくものと思われます。

以上が現在の時点でのPEEK冠に対する情報でした。

Miho歯科医院

院長 歯科医師 前原美保

歯周病を防ぐための究極ガイド:健康な歯への第一歩

  • 歯周病とは何か? – 基本的な知識 歯周病は、歯を支える組織に炎症が起こる病気です。プラークや歯石が原因で発生し、放置すると歯が抜け落ちる可能性もあります。初期段階では痛みが少ないため、気づかないことも多いのです。
  • 歯周病の原因とリスクファクター 主な原因はプラークの蓄積ですが、喫煙、糖尿病、ストレス、遺伝的要因も影響します。様々な因子が絡み合って発症します。定期的な歯科検診と適切な口内ケアが予防には重要です。
  • 歯周病予防のための日常ケア 正しいブラッシング方法を学び、フロスや歯間ブラシを使用して、歯と歯茎の健康を保ちましょう。毎日のケアが重要です。特に夜間は細菌が増えますので、就寝前のブラッシングは重要です。歯ブラシだけでなく歯間ブラシ、フロスを併用し、洗口液でのお口の殺菌も補助的に有効です。
  • 歯科医師による歯周病予防のアドバイス 定期的な歯科検診でプロのケアを受けることが、歯周病予防には不可欠です。早期発見・早期治療が鍵となります。
  • 歯周病予防のための食生活と栄養 ビタミンCやカルシウムを豊富に含む食品を摂取し、全体的な栄養バランスを考えることが大切です。身体づくりにはタンパク質が必要です。お肉、お魚、大豆製品、卵などもしっかり摂りましょう。鉄、亜鉛などのミネラル、ビタミンDも重要ですし、粘膜の健康にはビタミンAも欠かせません。
  • 歯周病の初期症状と対処法 歯茎の腫れや出血、口臭が初期症状です。これらの症状が見られたら、すぐに歯科医師の診断を受けましょう。早期に治療を開始するほど完治の可能性が高まります。一度発症して進行すると歯周病はなかなか完治させることは難しい疾患です。歯石を除去し炎症を改善していきます。

  • まとめ:健康な歯を保つために 正しい口内ケアと定期的な歯科検診が、歯周病予防の鍵です。日々のケアで健康な歯を維持しましょう。

子供の虫歯予防:健康な笑顔を守るために

こんにちは。堺市中区深井駅前のMiho歯科医院の院長の前原です。

今日は子供の虫歯予防についてのブログを書きます

私たちの最大の願いの一つは、子供たちが健康で幸せな生活を送ることです。その中でも、子供の口腔健康は特に重要です。特に、子供の虫歯予防は、幼少期からの健康な習慣を育む上で欠かせません。

虫歯の原因と予防策

虫歯は、口内の細菌が糖分を分解し、酸を生成することで歯を徐々に溶かす病気です。子供の虫歯予防の鍵は、このプロセスを阻止することにあります。

  1. 正しい歯磨き習慣:子供が小さいうちから正しい歯磨きの方法を教え、毎日の習慣にすることが重要です。フッ素入りの歯磨き粉を使用し、少なくとも一日二回、朝と夜に歯を磨くようにしましょう。
  2. バランスの取れた食事:砂糖や炭水化物が多い食事は虫歯のリスクを高めます。野菜や果物、タンパク質を豊富に含むバランスの良い食事を心がけましょう。
  3. 定期的な歯科検診:子供の歯の健康を維持するためには、定期的な歯科検診が不可欠です。歯科医師は初期の虫歯を発見し、適切な治療を行うことができます。

虫歯予防のための日常生活の工夫

子供の虫歯予防は、日常生活の中での小さな工夫から始まります。

  • 水分補給は水で:ジュースや炭酸飲料は糖分が多く、虫歯の原因になります。水分補給は清潔な水を使いましょう。
  • おやつの選び方:おやつは、糖分が少なく、歯にくっつきにくいものを選びましょう。例えば、チーズやナッツは良い選択肢です。
  • 歯磨きゲームを利用する:子供が歯磨きを楽しむように、歯磨きタイマーやアプリを利用してみましょう。

子供の虫歯予防は、健康な成長のために非常に重要です。正しい歯磨き習慣の確立、バランスの取れた食事、定期的な歯科検診を心がけることで、子供の口腔健康を守りましょう。親としてできる最善のケアを提供し、子供たちが一生涯にわたって健康な笑顔を保つ手助けをしましょう。



子供の虫歯予防における賢いおやつの選び方

子供たちにとっておやつの時間は、日々の小さな楽しみの一つです。しかし、虫歯予防の観点からは、おやつの選び方に特に注意が必要です。以下に、子供の健康を守りつつ、彼らが楽しめるおやつの選び方をご紹介します。

1. 糖分の少ないおやつを選ぶ

糖分が多いおやつは、虫歯のリスクを高めます。特に、粘着性のあるお菓子や長時間口の中に残るスナックは避けるべきです。代わりに、自然な甘みを持つフルーツや、糖分が少ないヨーグルト、全粒粉のクラッカーなどが良い選択肢です。

2. 歯にくっつきにくいスナックを選ぶ

歯にくっつきやすいスナックは虫歯の原因になります。チーズやナッツのように、歯にくっつきにくい食品を選びましょう。これらは唾液の分泌を促し、口内環境を改善する効果もあります。

3. 健康的な手作りスナックを試す

市販のスナックには保存料や添加物が含まれていることが多いです。可能であれば、自宅で健康的なスナックを手作りするのが最善です。例えば、フルーツを使った自家製ポップシクルや、野菜スティック、全粒粉を使ったミニマフィンなどがおすすめです。

4. 食後のおやつを心がける

食事の後におやつを与えることで、食事中に分泌された唾液が口内を洗浄し、虫歯のリスクを減らすことができます。また、食後におやつを食べる習慣をつけることで、一日の食事のリズムも整えることができます。

5. 飲み物にも注意を

おやつと一緒に提供される飲み物にも注意が必要です。砂糖が多いジュースやソーダは避け、清潔な水や無糖のお茶を選びましょう。

まとめ

子供の虫歯予防には、おやつの選び方が大きく影響します。糖分の少ない、歯にくっつきにくい、自然な食材を使ったスナックを選ぶことで、子供たちの口腔健康を守りながら、彼らのおやつ時間を楽しいものにすることができます。親として、子供たちの健康な食生活をサポートすることが、虫歯予防の第一歩です。

顎が痛い時はどうするの?

こんにちは。堺市中区、深井駅前のMiho歯科医院、院長の前原です。

顎関節症についてのコラムです。

・「音がする」

口を開けた時に「ジャリジャリ」「ゴリッ」など、「音がする」というのは顎関節症の典型的な症状です。一番軽度なタイプなので、あまり心配し過ぎる必要はありません。特別な治療が必要でないことも多いです。治療が必要かどうかは、歯科医院で診察を受けると良いでしょう。「音がする」というときは、顎をリラックスさせ、悪い姿勢など生活習慣を見直しましょう。最近はスマホがすっかり普及して、お子さんからご高齢に方まで空いた時間はスマホでちょっと息抜きや情報収集ということが増えています。長時間のスマホ操作は顎関節症に繋がりますのでご注意を。

・「痛みがある」

「口を開けたり噛みしめると痛みがある」または、「今までは音がするだけだったのが痛むようになってきた」という時は、早めに歯科を受診して歯科医師の診断を受けましょう。歯科で痛みの原因が顎関節内部にあるのか、関節を覆う筋肉にあるのか診断を受け、必要な指導や治療を受けます。重要なことは、痛みが出るような顎の動きはしないということです。硬いものを食べたり、大きな口を開けてカラオケを歌うなどは、顎関節に負担がかかります。まずは安静にして様子をみます。必要に応じて鎮痛剤を処方したり、顎の負担を減らすマウスピースを作成することもあります。

・「口が開かない」

「大きく口を開けられない」「今までは音がするだけだったのが口が開かなくなった」という時は、できるだけ早めに歯科を受診してください。顎関節の内部に問題が起きています。顎関節では、上顎骨と下顎骨の間に「関節円板」という組織があります。この組織がクッションのように働くお陰でスムーズに顎の開閉が可能になります。ここがうまく機能せず顎の動きが妨げられると口が開かなくなります。歯科においては関節円板の動きを改善するマニピュレーションをおこなったり、それが難しい場合は開口訓練を行ったりします。

以上のように、顎関節症は患者さんご自身で生活習慣を改善していくことと、歯医者さんと相談して治療を進めていくことがあります。

顎関節症は他因子疾患と言われ、様々な要因が絡み合って発症するものです。生活習慣で猫背や悪い姿勢で巻き肩になっているなど、日常生活の関与も大きく、その症状の改善には時間がかかるものでもあります。夕食に糖質が多いものを食べて寝ると、夜間に血糖値が下がり、下がった血糖値をあげようとアドレナリンが出て交感神経優位となり、夜間の歯ぎしりが起きると言われています。夜間の歯ぎしりで筋肉に負担がかかると顎の痛みに繋がります。糖質過多の生活も顎関節症の観点からは良くないのです。