歯の神経を保存するMTAセメントとは?

MTAセメントは「Mineral Trioxide Aggregate」の略で、歯科用のセメントです。ケイ酸三カルシウム、ケイ酸二カルシウム、酸化ビスマス、石膏などが主な成分です。

MTAセメントは強アルカリ性(PH12)で、強い殺菌作用をもちます。
お口の中のように唾液があって水分の多い状態でも硬くなる性質を持っています。

歯の中の神経にまで達した深い虫歯の場合、神経を取る治療を行わないといけなくなります。しかし歯の神経を取ると、

①歯がもろくなる、

②虫歯の再発に気づきにくいため結果的に抜歯が必要になってしまう、

③大きく削るため歯の強度が弱くなる、

などの理由により、歯の寿命が短くなる可能性が高くなります。

MTAセメントを使用した治療は、このような根管治療を回避し、できるだけご自身の歯を長持ちさせるとして、最近注目されている治療方法です。

具体的には露出した神経や血管をMTAセメントで覆うことによって歯の神経を残します。

【MTAセメントのメリット】

●水、組織液などで濡れている状態でも硬化する
口の中は水分、組織液、血液などで湿った状態です。ほかのセメントは、通常湿った状態だと固くならなかったり、接着力が低下したりしますが、MTAセメントは濡れている状態でも硬化します。

●強い殺菌作用
MTAセメントは強アルカリ性(PH12)で、強い殺菌作用をもっています。 通常ほとんどの細菌は、PH9.5で破壊されます。

●生体親和性が高い
MTAセメントは体の中に入れても悪い影響の少ない、体にやさしい素材です。

●セメントが硬化するときに膨張する
MTAセメントは硬化するときに膨張します。細かな隙間がうまることにより緊密に患部を封鎖することが可能になります。

●良質なデンチンブリッジ(保護層)が形成される
MTAセメントを使用すると良質なデンチンブリッジ(保護層)が形成されます。それによって患部に細菌が入り込むのを食い止める効果も期待できます。

【MTAセメントのデメリット】

・変色する場合があります。(前歯の治療では要注意)
・非常に高価です。1グラムあたりが金よりも高価になります。
・ほとんどのケースで保険適用外となります。(クリニックにより治療費は異なります)
・根管内に入れた場合、固いので除去が困難になります。(今後の再治療が困難)
・扱い方が少しむずかしく、操作性が悪くなります。(治療テクニックが難しい)


歯を抜かず自分の歯で過ごすために、MTAセメントは有効な症例があります。

高強度ガラスセラミック e.maxとは

こんばんは。

堺市中区 深井駅前のMiho歯科医院 院長の前原です。

現在、審美歯科治療で人気の「e.max」について、解説したいと思います。

どうぞ最後までお付き合い下さい。

前歯6本をe-max で治療した症例です。

古くなった被せものを外して作り変える際にかみ合わせも整えました。

前歯の印象がガラリと変わりました。

セラミックは自分の歯のような透明感や艶があるので、

特にこのようにパッと見て目が行く部分に使用することで

その良さを実感できると思います。

e-maxはエンプレスマックスの意味を持つシステムで、

ニケイ酸リチウムガラスセラミックを主成分にしたセラミックの種類です。

ガラスで出来ているので非常に透明感があり、色調がとても綺麗です。

強度も日常生活には十分あります。

デメリットは自費治療であること、

歯を削る量が金属を使った治療よりも多くなること

歯ぎしり・噛み締めで割れるリスクがあること

などです。

自然な色調は多くの方に喜ばれています。

<症例の解説>

上の前歯6本をセラミックで被せました。

治療期間:約1ヶ月

リスク、副作用:しみる事がある、痛みが出ることがある。人によっては削ることにより歯の神経を取る必要がある、麻酔をした部分のむくみや内出血を生じることがある

費用:総額858,000円 プラス処置費用(保険負担分)

セラミックは周りに発生する虫歯(二次う蝕)が少なく、

汚れ(プラーク)がつきにくいので歯茎が腫れたりしにくいのが長所です。

入れたあとで10年、20年と良好に保っている方も多いです。

保険適用の被せもので金属の「銀歯」と呼ばれるものは4−5年で虫歯が再度発生してくると言われます。

何度も削るとそのうち抜歯になってしまいます。

将来の抜歯を避けるためにセラミック治療を選択することはご自身の歯を保つためにもおすすめできる治療です。

根管治療のニッケルチタンファイルってなあに?

堺市中区

深井駅前のMiho歯科医院です。

根っこの治療を受けたことがありますか?

治療に回数や時間がかかって大変ですよね。何度も通ったりお口を長時間あげないといけなくて辛い治療だと思います。

より短時間で正確に治療をするために当院はニッケルチタンファイルを導入しています。

従来はステンレスのファイル(根を掃除する針のようなヤスリ状のもの)を使って治療をするのが一般的であり、治療にも回数や時間がかかるものでした。

ニッケルチタンファイルは形状記憶で曲がっている根っこの中もスムーズにきれいにしてくれます。そして電動の機械で動いてくれるので治療が早いです。治療時間を大幅に短縮できます。

治療時間を大幅に短縮できます。

しかしステンレスと比べるとニッケルチタンファイルは圧倒的に高価な器具です。
ステンレスのファイルでも治療はできるので、ステンレスで治療している歯科医院もあると思います。根っこの形によっては、ステンレスより柔軟性のあるニッケルチタンの方が治療に適しているという症例もあるでしょう。

根っこの治療は歯の基礎的な大切な治療ですので、将来に合わせた器具で治療を受けるというのは大切です、

金属床の義歯とはなんですか?

こんにちは。

堺市中区 深井駅前の歯医者 Miho歯科医院 院長の前原美保です。

最近、保険適用外の自費治療の金属床(きんぞくしょう:メタルプレート)の義歯を希望される方が増えています!

外出が制限される中、お家で美味しいご飯を食べたいニーズが高まっていると思われます。

金属の入れ歯が何故いいのかについて解説します。

<金属床義歯とは>

入れ歯というと、ピンクの歯ぐきと白い歯のイメージがありますよね。

内側の歯ぐきの部分に金属を使用した「金属床義歯」と呼ばれるタイプのものは、

薄くて丈夫で長持ちして快適に噛めるので、歯を失ったあとに装着する場合の治療の選択肢としておすすめできるものです。

金属でできたメタルプレートは強度があってしっかりしていますが、加工が大変なので一般の保険治療では使用されません。

保険治療ではピンク色のプラスチックで入れ歯は作られますが、プラスチックは強度が弱いため。割れないようにするためにある程度の厚みが必要になります。

そのため平均して1.5mm-2.0mm以上の厚みがあり、

お口に入れたときにある程度の違和感が避けられないものとなります。

<金属床義歯のメリット・おすすめポイント>

・厚みが薄くなって快適に生活できる

(プラスチック製の入れ歯の三分の一の厚さ)

・硬いものを噛んでもたわまないのでよく噛める

・精密に作るのでぴったりフィットする

・たわまないことにより顎の骨に余計な負荷がかからず、長期的に骨が痩せるのを防ぐ効果がある(大事)

・温度が伝わるので食事が美味しい

(熱い、冷たいという温度変化は味覚を形成します)

・丈夫で壊れにくいので長持ちする

・ニオイがつきにくいので口臭の元になりにくい

・汚れが付きにくく清潔に保てる

・個人個人のお口の状態や症状、悩みに合わせた設計ができて自由度があるので、

快適なものになりやすい。

・薄いので喋りやすい

このように、多くのメリットがあります。

<入れ歯と温度感覚について>

食べ物の温度は美味しさと関係します。

例えば、冷たく冷えたゼリーは美味しいですよね。

逆に、温かいスープもホッとしますよね。

プラスチックの厚いパーツがある入れ歯は温度が伝わりにくいので、

お食事の美味しさが損なわれてしまいます。

<入れ歯の厚みについて>

人によっては入れ歯の厚みが気になる方もおられます。

入れ歯のお悩みで「入れていると発音しにくい」というのがあります。

基本的に入れ歯を作ったあとは一定期間は発音や咀嚼のトレーニングが必要と言われます。

プラスチックの塊をお口に入れたままで喋ろうとすると、どうしてもモゴモゴとなりますよね。

薄くなる方が原則としては邪魔にならず喋りやすくなります。

<強度・たわみについて>

続いて、メリットとして大きなものが強度です。

材質としてたわみにくくなれば、グッと噛んだ時にしっかり力を受け止めて噛みやすくなります。

噛んだときは一般的に自分の体重くらいの力がかかるとされています。

体型によって数値は異なりますが、40-70kgくらいの力が入れ歯にかかると考えてみて下さい。

プラスチック製だと容易に変形しそうですよね。

入れ歯が乗っている顎にも無理な力がかかります。

入れ歯を装着すると1年で0.5mm顎の骨が痩せて細くなっていくとされています。

10年で5mmですね、怖いですね。

顎の骨が痩せると入れ歯が合わなくなります。

私自身も時々経験しているのが、

顎の骨が痩せ過ぎているために、

あれこれどんな入れ歯を作ってもうまく使うことができなくなっている症例・・・。

入れ歯は顎の骨に密着させて使います。

専門的には「吸着」といい、唾液を接着剤のように介在してぴったりと入れ歯が顎に吸い付くことで入れ歯は歯の代わりの役目を果たします。

もっとわかりやすい例を挙げると、小学校などで顕微鏡で観察した理科の授業を思い出してください。

ガラスのプレパラートの上に水を1適垂らし、そこに試料とカバーガラスを乗せます。

裏返しても落ちませんよね。

あの現象を入れ歯で使っているのです。

ところが、合わない入れ歯を無理やり使っていると顎の骨が痩せて隙間ができ、

この吸着が起きなくなります。

どんな入れ歯を作っても、口の中でカパカパ動いて食事や発音ができない、

痛くて入れていられない、といったことになります。

何年か前になりますが、私の医院にも「総入れ歯が合わない、あちこち歯科医院を回って何回も作ったけれど、どれを使っても痛くて痛くて、とてもじゃないけれど使えない」という方がお越しになりました。

時間をかけて精密に型どりしてシリコンを裏に貼った入れ歯をお作りしましたが、

予想通りにその入れ歯もその方は痛くて苦労されていました。

きっと、私の歯科医院以外をその後にさらに受診されたことと思いますが、

顎の状態が悪ければいくら自費の入れ歯を作成してもうまくその機能を引き出すことはできません。

その患者様は、なんとか使えるようにと調整を何度も行いましたが、

そのうち来られなくなってしまいました。

顎が痩せてしまうとインプラントもできませんし、

カタカタ動く入れ歯を我慢しながら使うしかありません。

自分の歯を残しておくのが一番ではありますが、

不幸にして入れ歯を使用することになったなら、

顎の骨の状態が良いうちに金属のしっかりした入れ歯を作成し、

それ以上骨を失うことのないようにするというのは意義があると思います。

以上、入れ歯を金属で作るメリットについて、

いくつかの視点で解説しました。

<費用・期間>

費用や期間については、歯科医院によって様々なケースがあります。

金属床の入れ歯は自由診療で行われていますので、

どのくらい手間暇をかけ、どれだけ凝って作るかで変わってきます。

費用も数十万から数百万まで様々あるでしょう。

いづれにしても、ご自身の悩みをしっかりと聴いてもらい、

よく相談の上で治療をされると良いと思います。

 

【症例写真あり】歯ぐきの治療で周組織再生療法ってどういうものですか?

こんにちは!

堺市中区 深井駅前 Miho歯科医院の歯科医師で院長の前原美保です。

今日は患者様からのご質問にお答えします。

歯周組織再生療法についてです。

骨が再生するって本当ですか?というご質問です。

本日は症例の写真を交えて解説します!

こちらは「エムドゲイン」を用いた歯周組織再生療法を行った後のレントゲン写真です。

左の写真は手術前で、右から2つ目の歯の周囲が黒く写り、

骨が溶けてしまっています。

歯の根の部分に歯石が付いているのが白く写っていて、

根の表面がザラザラしています。

右の写真は手術から1年後のレントゲン写真です。

以前は黒く写っていた部分が白く写り、骨が再生してきている様子がわかります。

こちらの症例ではエムドゲインを使用しています。

エムドゲインはスウェーデンビオラ社で開発されたブタの歯胚(歯の元になる組織)を使用した歯周組織(歯の周りの骨・歯茎など)の再生材料でし。

エムドゲインゲルの主成分はタンパク質で、子供の頃に歯が生えるさいに重要な働きをするものです。

これを歯ぐきの手術の際に使用して、歯ぐきや骨の再生をさせる治療があります。

エムドゲインは世界44カ国以上で使用され、副作用報告は1例もありません。

世界で200万症例があります。

歯周病によって損傷した歯周組織の再生を促す治療であり、

エムドゲインを使用すると治癒も早くキレイに治ります。

骨まで回復しなくても歯ぐきの治りはすごく早いです。

歯周外科治療でしか応用できませんので、

通常の歯石除去だけでなく、一度歯ぐきを切って開く必要があります。

手術後は、感染させずに治るように定期的なケアが必要です。

しかし、従来に行われていた「フラップ手術(フラップオペ)」と呼ばれる保険適用の手術と比較すると、手術後の回復が非常に早い症例が多い治療法です。

エムドゲインゲルは保険適用外の薬剤ですので、

自費治療であり、価格は医院によって様々です。

当院では、症例により、7万円(税抜き)~20万円(税抜き)です。

(価格はこの記事に執筆の時点のものです)

歯の病気の代表的なものはむし歯と歯周病です。

むし歯がない方の場合は歯医者を受診するきっかけがなく、

歯周病治療が手遅れになるケースも見かけます。

歯周組織再生療法は、誰でも確実に骨や歯ぐきが再生するわけではなく、

適応症というのが厳密に存在します。

また、タバコをすっている喫煙者の場合は特に良好な結果は得られません。

やはり、歯周病になってから治すというより、

健康なうちから歯医者に通って歯周病を予防していくほうが賢明と言えるでしょう。

今日は、歯ぐきの治療の「歯周組織再生療法」についての解説をしました。

再生治療をご希望の場合は、まずは歯科医院でレントゲン検査や歯周組織検査を受け。

再生治療の適応症かどうかを歯科医師に診断してもらう必要があります。

 堺市中区 深井駅前 Miho歯科医院 歯科医師 院長 前原美保