歯周病と全身疾患について

こんにちは。
深井駅前 Miho歯科医院 院長の前原です。

今回は、歯周病と全身疾患についての関わりについてお話していきます。

まず大前提として、歯周病と全身疾患は関係していることが医学的にはっきりとわかっています。
しかし、全てが関係している訳ではなく、詳しく検査してみないと分かりません。

それでは、具体的に関係する例を見てみましょう。

【骨粗鬆症】

骨粗鬆症は、骨密度が低くなり、骨が脆くなる病気です。女性に多く、主な原因は加齢です。
実は、骨密度が低いことで歯槽骨の吸収も進みやすいのです。歯槽骨の吸収とは、歯周病が原因で歯茎に炎症を起こして歯槽骨を溶かしてしまうことをさします。
実際、同じ歯周病を持つ人でも、骨粗鬆症の人とそうでない人を比べると、前者の方が歯槽骨の吸収が早かったというデータもでています。

【糖尿病】

糖尿病とはインスリンの作用不足により血圧が上昇した状態が続く病気です。
血糖値の高い状態が長く続いてしまうと、糖とタンパク質が結合します。それを白血球が攻撃してしまうことで、全身への炎症が起きやすくなっています。
また、免疫力が下がっている時は様々な疾患が悪化しやすく、危険です。1度治っても再発する場合も少なくありません。

【腎疾患】
腎疾患になると、老廃物の除去が難しくなり最終的には透析や移植が必要となります。
そんな腎疾患は歯周病が原因と言われるようになりました。
歯周病の人は体内が常に軽い炎症を起こしている状態です。その軽い炎症が長く続くと腎臓に影響を及ぼすと言われています。

【関節リウマチ】

関節リウマチは免疫の異常により関節が変形してしまう病気です。
関節リウマチの患者さんは歯周病にかかりやすく、さらに重症化しやすいとも言われています。
関節リウマチと歯周病の共通点は炎症性の病気であること。
喫煙や飲酒、体質などによる原因もあるかもしれません。
その他にも、関節リウマチよ患者さんは手の関節の変形により歯磨きがしにくいということも、原因だと言われています。
研究では、歯周病を改善すると関節リウマチも改善したという結果が出ています。
逆に、関節リウマチを改善することで歯周病も改善したという事例も多々あることから、このふたつの病気は深く関係していることが分かります。

上記4つの他にも、
動脈硬化、早産、妊娠高血圧症候群などが挙げられます。

論文でも歯周病が悪影響を及ぼしていることが記載されており、歯周病の改善が全身疾患へ良い影響を与えることは確かです。

加齢による疾患こそ、今から対策できると思います。

普段からの歯周病予防を心がけて、健康を目指しましょう。