薬局やドラッグストアには、むし歯予防のケア用品がたくさん並んでいますよね。各社とも日々研究を重ね、さまざまな製品を開発しています。そんな中、注目を集めているものに「MIペースト」と呼ばれるものがあります。もうすでにお使いの方もいらっしゃれば、今回初めて耳にしたという方もいらっしゃることでしょう。今回はそんな「MIペースト」についてわかりやすく解説します。
▼歯を強くする薬用ペースト
MIペーストとは、簡単にいうと歯を強くする効果が期待できる薬用ペーストです。そう聞くと、まず思い浮かぶのはフッ素塗布やフッ素入りの歯磨き粉ですが、MIペーストに含まれる主な成分はフッ素ではありません。CPP-ACPという特殊な成分が配合されることによって、2つのむし歯予防効果が得られます。
▼MIペーストによるむし歯予防効果
MIペーストを使用すると、歯の再石灰化の促進と緩衝作用が期待できます。歯の再石灰化の促進はフッ素でもおなじみですが、MIペーストによってもその効果がえられます。もうひとつの緩衝作用というのは、食事をした後などにお口の中が酸性へと傾いた際、中性へと引き戻してくれるものです。歯は酸性の刺激に弱い性質を持っているので、中性が維持されることで、むし歯予防効果も高まります。その効果がMIペーストに期待できるのです。そこで気になるのがMIペーストの主成分となっている「CPP-ACP」という物質ですよね。
▼「CPP-ACP」とは?
「CPP-ACP」とは、リカルデントとも呼ばれる成分で、かんたんにいうと牛乳由来のタンパク質ですリン酸カルシウムで構成されており、歯を修復する際の材料となります。リン酸カルシウムというのは、もともと唾液にも含まれているのですが、MIペーストにはその20倍程度の濃度が含有されていることから、歯の再石灰化の促進作用も極めて高くなっています。
▼MIペーストの「MI」とは?
最後に、MIペーストの「MI」についてですが、これは「ミニマルインターベンション(Minimal Intervention)」の略称です。日本語では「最小限の侵襲」を意味し、できるだけ歯を削らずに歯質を保存しよう、という意図が込められています。
▼まとめ
このように、MIペーストを活用することで、むし歯を効率よく予防することが可能となります。とくに歯科医院で取り扱っているMIペーストの効果は、極めて高くなっていますので、機会があれば積極的に活用することをおすすめします。