今日はお子様の歯科検診についてのお話です。
子供さんの虫歯、歯肉炎、歯の生え変わり、歯並び、口臭などなど、
子供を持つ親が気になることは沢山ありますよね。
一般的に乳歯といわれる子供の歯は生後半年ごろから生え始め、
3歳までに完成します。
乳前歯と言われる前歯が3本、
乳臼歯といわれる臼歯が2本ずつで、
上下左右で各5本ずつですから合計10本の歯が乳歯の本数です。
虫歯になりやすい場所というのがあり、
大抵は上の正面の前歯2本の間によくできてしまいます。
そして、この前歯の間に虫歯が出来ているお子さんは、
奥歯の4番目と4番目の歯の間にも虫歯が出来てくることが多いですね。
歯と歯の間はデンタルフロスでのお手入れが重要となってきますので、
お子さんの歯の仕上げ磨きの際に前歯の間と奥歯の2本の間は特に丁寧に通していただくことが有効だと思います。
歯の間は歯垢が溜まりやすく、お砂糖の入ったジュースによる影響も多いので、
歯の間に虫歯のあるお子様には食事指導も併せて行っています。
ジュースというと「オレンジジュース」「リンゴジュース」「コーラ」など思い浮かべますが、虫歯をつくりやすい飲み物として、「乳酸菌飲料」「ヨーグルト飲料」「野菜ジュース」も忘れてはいけません。
これらは「健康に良い」イメージがあって毎日飲ませているというお母さまもおられるかも知れませんね。
果汁由来の糖分が入っていたり、乳酸菌やヨーグルトは「酸性」で歯を溶かしやすいという特性もあります。
カラダにいいものと歯にいいものは別なのです。
スポーツドリンクも虫歯を多く作ります。
歯の事を考えるとお茶かミネラルウォーター、牛乳といったものが、
お子様の飲み物としては適しています。
できれば、味覚が完成する3歳くらいまでは、お砂糖の入った飲み物は飲ませないようにしたいですね。
砂糖は中毒性があります。
お砂糖の入った飲み物の味に慣れてしまい味覚が形成されてしまうと、
砂糖の入らないものを味気ないと感じるようになってしまいます。
それから、これから寒くなってくると特に美味しく感じるミルクティーも、
市販されているものは多量のお砂糖が入っている製品が多く、
お子様が常時飲んでいる場合はかなり重症の虫歯を引き起こします。
是非ご注意くださいね。
続いて、お子様の歯肉炎について。
歯肉炎は磨き残しの歯垢が原因で歯茎が炎症を起こし、
歯茎が赤く腫れあがり、歯ブラシをしただけでも血が出てきます。
この状態が長く続くと子供さんは歯ブラシが痛くて磨けなくなり、
更に、磨かないので歯肉炎が悪化するという悪循環になります。
歯肉炎になっている場合は大抵は口臭もしてきます。
磨き残しの歯垢は食べかすではなく細菌の塊です。
丁寧に痛まないように優しく歯磨きをしてあげると、歯肉炎は1週間ほどで落ち着いてきます。
歯肉の腫れが引くと、歯茎のキワから虫歯が見つかるケースもあります。
虫歯も歯肉炎も、歯磨きと食習慣の改善で予防することができますので、
気になる場合はお気軽に歯科医院を受診してくださいね。
歯の生え変わりについては、個人差が大きいです。
歯並びは遺伝的な要素もありますが、お口のくせ(例えば、なかなか指しゃぶりが辞められないとか、唇を前歯で噛んでしまうなど)がある場合は、それらの習慣の改善をしないと悪化してしまいます。
歯は唇・頬と舌との間のスペースのバランスがいいところに生えてきます。
お口のくせ(口腔習癖・こうくうしゅうへき)で悪い習慣がついていると歯並びも悪くなってしまいます。
口呼吸も要注意です。
口呼吸によりお口が乾燥して虫歯・歯周病になりやすくなり、
口臭もしてきます。
口呼吸は免疫力も下がるので、全身的にアトピーなど他のトラブルも起こってきます。
ぜひとも鼻呼吸に変えていきたいものです。
口呼吸の改善のトレーニングとして「あいうべ体操」が有効的です。
とても簡単なトレーニングで、ゆっくりと大きく口を開けて「あ」「い」「う」「べ」と発音するように口を動かします。
最後の「べ」では、舌を思いっきり前に出して舌の筋肉を鍛えます。
冬場の学校であいうべ体操をやった教室とやらなかった教室では、
インフルエンザでの欠席率が大きく違いがでたという報告もあります。
お風呂で親子であいうべ体操に取り組んでいただくのも有効ですね。
まとめ
お子様の歯科検診
・虫歯チェック
・歯肉炎検査
・歯垢の付着状況のチェック
・歯の生え変わりのチェック
・お口の癖のチェック
・食生活や歯磨指導
・フッ素塗布
などを、必要に合わせて行っています。