お子さんにMFTが必要な理由について

こんにちは。
深井駅前 Miho歯科医院 院長の前原です。
今回は、MFT(口腔筋機能療法)についてご紹介していきます。

① 口腔機能と歯並び、咬み合わせとの関係
口には、「食べる」「飲み込む」「話す」など、日常生活に必要な機能が多くあります。
その機能は、歯並びや咬み合わせとも密接な関係があります。

口腔機能に問題が生じる原因としては、
・食べる機能の発達不全
・鼻疾患
・口腔習癖
・舌小帯短縮症
・顎骨の形態異常
・神経筋機構の病変
なども挙げられます。

② 口腔機能の問題が子どもの将来に与える影響とは?
口腔機能に問題がある状態で放っておいてしまうと、風邪の予防がしにくくなり、アレルギー性疾患や歯周病の発生リスク上昇につながります。

・口呼吸により、唇を閉じて食べることができず、くちゃくちゃと音を立てて食べてしまう
・前歯の間から舌が前に出て、舌足らずで不明瞭な発音になってしまう
・帰宅時のガラガラうがいや、歯磨きの後に口をすすぐためのブクブクうがいがうまくできない
・錠剤を飲み込むのがうまく行かない
上記のようなものがお子様に見られる場合、受診を考えた方がいいかもしれません。

③ MFTの開始時期と訓練期間について
MFTは幅広い年齢で行うことが可能ですが、MFTの意義を本人が理解できる年齢(おおよそ8〜9歳)から行うことが多いです。
2〜4週間ごとの通院と、毎日15〜30分のご家庭での訓練を組み合わせて行い、通常、半年から1年程度を要します。
患者さんによっては時間がかかってしまい、数年に渡ることもあります。
MFTが順調に進み、適切な機能が得られたと歯科医師が判断すれば、定期的な経過観察に移ります。

④ MFTの主な訓練方法
・個々の筋肉の訓練
舌、唇を支えている筋肉の機能改善を図り、バランスの良い状態を目指します。
唇を伸ばす訓練や、舌を動かし、筋肉を鍛える訓練を行います。

・咀嚼、嚥下、発音の訓練
普段から正しく筋肉を動かせるように練習します。
水を飲む訓練や、奥歯で咀嚼する訓練を行っていきます。

・唇と舌の姿勢位の訓練
安静時に、いつも唇と舌が正しい位置にあることを目指します。
ストローやコットンロールを使って、普段の唇や舌の位置が正しくあることについて習慣づける訓練などを行います。

⑤ さいごに
口腔機能に問題があると、お口の病気だけでなく、全身疾患が発生することにもつながっていきます。
もし、お子様に心配な症状が見られましたら、お近くの歯科医院への受診を検討してみてください。