むし歯や歯周病によって、すべての歯を失った場合には、総入れ歯を作ることかと思います。ひとつの装置で、失ったすべての歯を補うことができるものです。保険が適用されることから、たくさんの方が装着している入れ歯でもあります。ただ、お口の粘膜に接する部分がレジンであるため、さまざまなデメリットが生じます。そこでおすすめしたいのが「金属床義歯(きんぞくしょうぎし)」です。
▼金属床義歯とは?
金属床義歯とは、お口の粘膜に接する部分である「義歯床」が金属で作られた総入れ歯です。保険が適用されず、自由診療となりますが一般的な「レジン床義歯」にはないメリットが得られます。
▼食べ物の熱が伝わりやすい
金属床義歯のメリットとしては、まず「食べ物の熱が伝わりやすい」という点が挙げられます。私たちが食事をするとき、食べ物の味はもちろんのこと、食感も楽しむものですよね。もうひとつ重要なのが食べ物の温度です。冷たいものや熱いものなど、食べ物にはそれぞれ最適な温度がありますが、保険診療のレジン床義歯ではその熱を効率よく伝えることができません。食べ物から熱という刺激がなくなったら、それだけで美味しさも半減してしまいますよね。その点、熱伝導率の良い金属床義歯なら、食べ物の冷たさや熱さもしっかり伝えてくれます。
▼入れ歯が壊れにくい
保険のレジン床義歯で起こりやすいトラブルとして、義歯床の破折が挙げられます。総入れ歯をお使いの方であれば、すでにご経験されているかもしれませんね。レジンというのは、あくまでプラスチックなので、床に落としたり、極端に硬いものを噛んだりすると、容易に割れてしまいます。その度に、歯医者さんを受診するのも大変ですよね。金属床義歯に使われる歯科用合金は、とても丈夫なものなので、落としたりしても割れることはまずありません。
▼変形しにくい
金属は、とても安定した素材であることから、経年的な変色や変形が起こりにくくなっています。この点は、経年的な摩耗や変色などが起こりやすいレジンとは大きく異なる点であり、金属床義歯のメリットのひとつといえます。
▼まとめ
このように、金属床義歯には、食べ物の熱が伝わりやすい、壊れにくい、変形しにくいという3つのメリットがあります。保険診療の入れ歯を使用していて不満がある方は、金属床義歯を検討してみても良いかもしれません。金属床義歯についてさらに詳しく知りたい方は、お気軽に当院までご相談ください。