前回、歯の大切さについて書かせていただきました。
今日は引き続き、歯の中でも奥歯に絞って詳しく書こうと思います。
患者様の中に、
「奥歯は見えないし、なくても困っていないから、抜いてそのまま」
という方を時々お見かけします。
今すぐは困らないけれど、あとあとすごく困ってくる、
というのが奥歯の欠損(歯が無いこと)です。
前歯は見た目にも関わりますし、
歯が無いと息がもれてとうまく喋れず、
コミュニケーションの障害になります。
食べ物を噛み切ることもできません。
前歯の欠損は皆様もとても気にされます。
当然ですよね。
奥歯は・・・???
食べ物を咀嚼して小さくし、
飲み込める大きさにするという役目があります。
第一大臼歯と呼ばれる、前から数えて6番目の歯は、
とくに咀嚼の中心です。
その後ろの第二大臼歯でも咀嚼しています。
2本の歯はお互い助け合って、
柔らかい食べ物も、硬い食べ物も、
美味しく食事ができるように働いてくれています。
少し専門的な内容になるかもしれませんが、
「短縮歯列」と言って、ヨーロッパの方では5番目の歯まであれば歯並びは良しとするという考え方もあります。
ところが、短縮歯列の人たちの「口腔関連QOL」(お口に関係する事柄の生活の質、満足度調査)では、
QOL(Quarity Of Life)は高くありません。
わかりやすく言うと奥歯を失うと生活が不自由になることを実感しているということです。
歯を失ったあとはどういう治療が適しているのか、
それは患者様のお口の状態、生活環境、価値観によって異なってきます。
入れ歯、インプラント、ブリッジなど方法はいくつかあります。
奥歯の噛み合わせは、全身機能とも関係があります。