熱中症予防にスポーツドリンクを飲んでも良い?

梅雨の時期や夏場などは、こまめに水分補給しなければ、脱水症状を引き起こしてしまいます。とくに、熱中症に関しては十分な注意が必要で、スポーツドリンクを頻繁に摂取している人も少なくないでしょう。

ただ、スポーツドリンクには歯に悪影響を与えるリスクがあることから、熱中症予防として飲むことに、不安に感じている人も少なくありません。今回はそんなスポーツドリンクの適切な飲み方についてわかりやすく解説します。

▼むし歯の原因になりやすい

スポーツドリンクは、水分補給を目的に飲む上でとても適した飲み物といえます。汗によって流れ出た電解質まで補給できることから、身体を正常な状態に保ちやすくなっています。ただ、市販されているスポーツドリンクの大半は、とても甘いですよね。甘みがある分、飲みやすいのは良いことなのですが、糖分が豊富に含まれており、むし歯のリスクも上昇することを忘れてはいけません。

▼酸蝕症(さんしょくしょう)を引き起こす?

酸蝕症とは、むし歯以外の原因で、歯が溶けてしまう病気です。例えば、お酒やジュースなどをチビチビと飲む癖があると、お口の中が酸性に傾きやすくなり、歯質が脱灰していきます。それはスポーツドリンクにおいても同じことがいえます。

しかも、熱中症予防にスポーツドリンクを飲むとなると、かなり頻繁に摂取することになりますよね。お口の中はその都度、酸性に傾き、歯が溶けやすい環境となることから、酸蝕症を誘発します。そういう意味において、熱中症予防でスポーツドリンクを飲むことは推奨されない場合があります。

▼水で水分補給するのがベスト

理想的な熱中症予防の方法としては、こまめに水を飲むことです。当然のことながら、水には糖分が含まれていませんよね。しかも中性付近の飲み物なので、お口の中が酸性になることもありません。ただし、流れ出た電解質は補給できないという欠点があります。ですから、激しいスポーツなどで大量に汗をかき、電解質まで奪われたような状況であれば、スポーツドリンクによる水分補給が有効といえます。スポーツドリンクを飲んだあとは、水でうがいをするなど、お口の中をきれいに洗い流せば、むし歯や酸蝕症のリスクも低下します。

▼まとめ

このように、歯の健康を考えた場合、スポーツドリンクを頻繁に摂取することはあまり良いことではありません。一方で、熱中症予防など全身の健康維持を考えた場合は、スポーツドリンクが適していることもありますので、ケースバイケースで考えていくことが大切です。