唾液による虫歯予防の作用について

唾液には、お口の中を湿らせる以外にもたくさんの作用があることをご存知でしょうか?

とくに虫歯や歯周病を予防する作用に関しては重要なので、十分に理解しておくことが大切です。

ここではそんな唾液が持つ力をわかりやすく解説します。

▼自浄作用

唾液には「自浄作用(じじょうさよう)」という、お口の中をきれいにする作用が期待できます。

食事をしたあと私たちのお口の中には、食べかすなどが残ってしまいます。

これが歯の表面で歯垢や歯石を形成して、虫歯や歯周病を引き起こすのです。

けれども、唾液が正常に分泌されていれば、自然と洗い流されていくので、歯垢の形成も抑えられるのです。

▼殺菌作用・抗菌作用

唾液には、殺菌作用や抗菌作用といった細菌の働きを抑える成分が含まれています。

これらの成分は文字通り細菌を殺したり、繁殖しにくくしたりするので、自ずと虫歯菌や歯周病菌も減少していきます。

▼再石灰化作用

歯は常に脱灰と再石灰化を繰り返しています。このバランスが崩れ、脱灰ばかり起こってしまうと、歯はいよいよ溶けていきます。

虫歯菌はそこを狙って歯をどんどん溶かしていきます。

ただ、唾液には歯の再石灰化作用があるので、食事や虫歯菌が産生した酸で脱灰されても、それを元に戻すことができます。

これもまた唾液による虫歯予防効果のひとつといえます。

▼緩衝作用

私たちのお口の中は、基本的に中性付近に保たれています。

これが酸性の方に傾いてしまうと歯が溶け始めます。

食事をしたときには口腔内が酸性に傾くので、唾液の分泌量が十分でないと虫歯になりやすくなります。

唾液が正常に分泌されていれば、唾液による緩衝作用が働くので、pHも中性付近に戻されます。

そうすることで歯が溶けにくい環境を整えることが可能となります。

▼粘膜の保護・修復作用

唾液には、口腔粘膜を保護したり、修復したりする作用も期待できます。

硬い食べ物なのによって歯茎が傷つくと、そこで細菌感染が起こって口内炎などを発症します。

唾液は、そうした傷が生じないようあらかじめ保護する作用があります。

また、傷ついた粘膜を治癒させる作用も期待できるのです。

▼まとめ

このように、唾液には虫歯や歯周病を予防するさまざまな作用が期待できます。

唾液の分泌は唾液腺マッサージを行ったり、食事の際によく噛んだりすることで、増やすことができますので日ごろから意識して生活しましょう。