日本人には、歯並びに悩まされている人が少なくありません。
歯並びの乱れが気になって、小さい頃に矯正治療を受ける人もいれば、成人してから歯列矯正を受ける人もいます。
ただ、歯並びの治療は、成長期に受ける方が有利であることは間違いありません。
これは歯並びが歯や顎の成長と密接に関係しているからです。
今回はそんな歯並びと成長に関係についてわかりやすく解説します。
▼歯並びが悪くなる原因とは
歯並びが乱れるのは、遺伝的な要因もある程度関係しています。
例えば、家系的に出っ歯や受け口になる人は、少なからず存在しているからです。
これは上下の顎の骨の形や大きさが遺伝によって決められている部分があるからです。
同時に、骨格的な異常というのは、成長期にコントロールすることも十分可能です。
▼顎の骨の成長をコントロールする治療
「小児矯正」と呼ばれる治療は、顎の骨の成長をコントロールすることが主な目的となっています。
上の顎が突出している「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」の場合は、ヘッドギアなどを用いてそれ以上、上の顎が成長しないようコントロールすることがあります。
逆であれば、チンキャップと呼ばれる装置を用いて、下の顎が成長したいよう抑制することがあります。
そうしたダイナミックな治療が行えるのが小児矯正の大きな特徴のひとつといえます。
▼小児矯正なら抜歯が必要なくなる?
マウスピース矯正やワイヤーというのは、「歯列矯正」に分類される治療法で、基本的に大人が受けるものです。
「成人矯正」と呼ばれることがあるのもそのためです。
そうした歯列矯正では、1本1本の歯をきれいに整えていくことはできるのですが、小児矯正のように骨格的な異常を改善することは不可能です。
そのためスペースが足りない時は、抜歯を行うこととなります。
一方、成長や発育に合わせて行う小児矯正なら、自然な形できれいな歯並びを確立することができるので、抜歯が不要となるケースも珍しくありません。
これもまた小児矯正を受けるメリットのひとつといえます。
▼まとめ
このように、歯並びと成長、発育には密接なつながりがあります。
それだけに、歯並びを美しくするのであれば、成長期に治療を実施するのが一番といえますよね。
ですから、お子さまの歯並びで何か異常や不安な点があれば、まず一度歯医者さんに相談してみましょう。
今後どのような治療が必要となるのか、あるいは様子を見た方が良いのかなど、有効なアドバイスがもらえるはずです。