歯周病は、虫歯とは異なる特徴的な症状が現れる病気です。
今回はそんな歯周病の症状と診断方法、治療方法などをわかりやすく解説します。
▼歯周病の症状
歯周病の症状は、進行度に応じて大きく変わります。
まず歯周病というのは、歯肉炎と歯周炎の2つに分けることができます。
歯肉炎は歯茎である「歯肉(しにく)」に炎症が生じる段階で、比較的軽度の歯周病に分類されます。
歯茎が赤く腫れ、ブラッシング後に出血するのが主な症状です。
「歯周炎(ししゅうえん)」は、歯茎だけではなく、歯根膜や歯槽骨といった歯周組織全体に炎症が広がった段階です。
重症度としては、歯肉炎よりも高くなっています。
歯茎から膿が出たり、歯がグラグラと揺れ動いたりするのは、歯周炎に見られる症状です。
最終的には歯を支えきれなくなり、歯の脱落が生じるのも歯周病の特徴的な症状といえます。
▼歯周病の診断方法
歯周病が疑われる場合は、「歯周組織検査」が行われます。
歯茎の状態を目で確認したり、歯周ポケットの深さを測ったりする検査です。
それに加えて、レントゲン撮影を行うことで、歯根膜や歯槽骨といった肉眼では確認することが難しい部分も診査することができます。
そうして得られた情報をもとに、歯周病の診断をくだします。
▼歯周病の治療方法
歯周病の治療は、「歯周基本治療」から始まります。
これは歯肉炎でも歯周炎でも同じです。歯周病の原因となっている歯垢や歯石を取り除き、お口の中の歯周病菌の数を減らします。
これは患者さまご自身のブラッシングが基本となりますが、歯科医院で受けるクリーニングやスケーリングも並行して行います。
ブラッシング指導することで、正しいオーラルケアを実践できるようにも導いていきます。
軽度の歯周病であれば、そうした基本的な治療で症状も改善されるのですが、重症度の高いケースでは、歯周外科治療などが必要となります。
具体的には、歯茎をメスで切開して、歯根面の歯石を落とすなどの処置です。
いずれにせよ、歯周病の治療というのは比較的長い期間を要するものだとお考えください。
▼まとめ
このように、歯周病は独特な症状が現れる病気ですが、自覚しにくいのもひとつの特徴です。
そんな歯周病を重症化させないためには、定期検診を受けることが最善といえます。
当院まで定期的にご来院いただければ、歯周病の早期発見・早期治療はもちろんのこと、歯周病予防のために歯のクリーニングやスケーリングも実施いたします。