保険の義歯と自費の義歯の違い

入れ歯やブリッジのことを専門的には「義歯(ぎし)」といいます。そんな義歯は保険診療と自費診療のいずれかを選択することができます。今回はそんな保険の義歯と自費の義歯の違いをわかりやすく解説します。

▼保険の義歯の特徴

保険診療の義歯は、当然ですが保険が適用されるので、治療にかかる費用が安くなります。自費で製作する義歯の3分の1、あるいは10分の1の費用しかかからないので、経済面を重視する方にはおすすめの方法といえます。

ただ、使用できる材料や治療法、製作法などが限定されるため、治療後にいろいろな不満が生じることもあります。また、自費の義歯よりも長持ちしない傾向にあり、入れ歯などを作り直す頻度も高くなっています。

▼自費の義歯の特徴

自費診療の義歯は、全額自己負担となることから、自ずと治療費も高くなります。もちろん、どんな材料をどのように使用するかによっても金額は変わってきますが、基本的に保険診療よりも高くなると考えておきましょう。その分、使いやすい、あるいは見た目が美しい入れ歯やブリッジを製作できるので、治療に対する満足感も高くなります。

例えば、部分入れ歯では、「クラスプ」と呼ばれる金属製の留め具が目立ちやすいですが、自費診療であれば、クラスプが存在しない「ノンクラスプデンチャー」を製作することも可能です。他にも、熱伝導率が高い「金属床」を選択することで、食べ物の熱が伝わりやすくなり、入れ歯を入れる前と同じように食事が楽しめます。保険診療の入れ歯では、レジンと呼ばれるプラスチックしか義歯床に使えないことから、食事の味も半減するというデメリットがあるのです。

▼治療前に優先順位を決めておく

ここまで保険の義歯と自費の義歯の違いを説明してきましたが、それぞれ一長一短なのでどちらかが優れているとも言い難いのが現実です。そういわれると、ますます治療を選択しにくくなるかもしれませんね。そこで意識していいただきたいのが「優先順位」です。義歯の治療で、何を最優先に考えるかを決めておけば、治療の選択もスムーズに進んでいきます。具体的には、「審美性」「機能性」「装着感」などを優先するのなら、自費診療の義歯がおすすめです。それよりも「経済性」を優先するなら、間違いなく保険診療の義歯がおすすめといえます。

▼まとめ

このように、入れ歯やブリッジを製作する際には、まず保険か自費かを選ばなければなりません。どちらが適しているかは患者さまによって異なりますので、まずはお気軽に当院までご相談ください。