顎関節症について

顎の関節やその周囲に異常が現れる病気を「顎関節症(がくかんせつしょう)」といいます。現代の日本人、とりわけ女性に起こりやすい病気だけに、関心がある方も多いことかと思います。そこで今回は、顎関節症の症状や原因、治療法などをわかりやすく解説します。

▼顎関節症の症状

顎関節症の症状としては、口を開け閉めした際に「カクカク」と音が鳴るのが有名ですね。専門的には「クリック音」と呼ばれるもので、これは顎の関節の間に存在している「関節円板(かんせつえんばん)」がズレることによって生じます。

関節で「ジャリジャリ」という雑音がしたら、それもまた顎関節症の症状のひとつです。専門的には「クレピタス音」と呼ばれるもので、顎の関節が粗造になることで生じます。その他、顎関節周囲の筋肉の痛みや開口障害、顎関節そのものに強い痛みが生じるなどの症状が認められます。

▼顎関節症の原因

顎関節の原因は、人によってさまざまです。日本人女性に多いのは、下の顎の骨が小さいため、効率よく噛めなくなり、顎関節に異常をもたらすというものです。それから、歯並びや噛み合わせの異常、硬いものを好んで食べる、歯ぎしりや食いしばりといった口腔習癖があることでも顎関節症を発症することがあります。

▼顎関節症の治療法

顎関節症の治療法は、ケースバイケースです。歯ぎしりや食いしばりといった悪習癖がある場合は、それらを取り除くことから始めます。その際、マウスピースを用いたスプリント療法が行われることが多いです。顎の位置が悪い場合も、マウスピースで正常な位置へと誘導することで、顎関節症の症状を和らげることが可能となります。今現在、激しい痛みがある場合は、鎮痛剤などを使った対症療法を行うこともあります。

厄介なのは、骨格的な異常に由来する顎関節症です。例えば、「顎変形症」と呼ばれる病気は、顎の骨を外科手術によって修正しなければ、根本的に治すことは困難です。その一方で、積極的な治療を必要としないケースも多々あります。顎関節症というのは不思議なもので、ある程度年を取ると自然に消滅することもあるからです。

▼まとめ

このように、顎関節症は今すぐにでも治療が必要なケースから、積極的な治療が不要なケースまでさまざまです。そのため、顎の関節の周囲に異常が認められたら、まず歯医者さんで精査してもらいましょう。その上で対応を決めていくことが大切です。