歯周組織再生療法について知りたい!

皆さんは、「歯周組織再生療法」という歯周病の治療法を耳にしたことがありますか?名前は聞いたことはあるけれど、その内容についてはあまり深く知らないという方がほとんどかと思います。そこで今回は、歯周組織再生療法についてわかりやすく解説します。

▼重度の歯周病が対象

歯周組織再生療法というのは、基本的に重症度の高い歯周病に適応されます。ですから、軽度から中等度の歯周病では、あまり行うことがないといえます。重度の歯周病とは、顎の骨まで大きく破壊されてしまった状態ですね。そこで必要となるのが失われた組織を再生する医療です。

▼顎の骨を再生する治療

歯周組織再生療法を簡単に説明すると、「顎の骨を再生する治療」です。歯周病が重症化すると、歯茎が下がるだけではなく、歯根膜や歯槽骨まで破壊されていきます。そういった歯周組織は、一度破壊されてしまうと、なかなか自然には戻りません。そして、その状態を放置すると、歯を支えきれなくなり、歯が脱落してしまうのです。そこで大きな効果を発揮するのが歯周組織再生療法ですね。顎の骨の再生を促して、歯をしっかり支えられるように回復させます。

▼専用の薬剤を塗布する

代表的な歯周組織再生療法といえば「エムドゲイン」です。エナメルマトリックスタンパクが主成分のゲルを患部に塗布することで、歯槽骨の再生を促します。それから「リグロス」という歯周組織再生療法も有名になりましたね。2017年から保険適用されたので、エムドゲインよりも治療費が安くなっています。施術の仕方はエムドゲインとほぼ同じです。

▼骨移植術

歯周組織再生療法には、自分自身の骨である自家骨や人工骨を移植する方法もあります。これは全身の病気でもよく行われるものですね。顎に骨移植を行って、正常な状態へと戻していきます。

▼歯を残すための治療

歯周組織再生療法にはいくつかの種類がありますが、いずれも歯を残すために行われます。歯周病は、歯を失う原因の第一位であり、重症例を放置すると歯の保存が難しくなります。ですから、歯周組織再生療法によって歯茎や歯槽骨を再生し、かけがえのない歯を残そうと努めるのです。

▼まとめ

このように、歯周組織再生療法は重症化した歯周病で大きな力を発揮します。歯がグラグラ動いたり、顎の骨が痩せてしまったりするなど、歯周病の末期の症状が現れている場合は、検討する必要があります。

ファイバーコアとは何か

むし歯治療を進めていく過程で、「コア」と呼ばれる部品を取り扱うことがあるのをご存知でしょうか。文字通り「核」となる部分のパーツなのですが、一般的には金属製のメタルコアが使用されます。そんな中「ファイバーコア」と呼ばれるものを使用するケースもありますので、メタルコアとは何が異なるのか、どのような特徴があるのかなどをわかりやすく解説します。

▼そもそもコアって何?

コアが必要となるむし歯治療というのは、被せ物を製作するときです。むし歯が進行して歯の神経を抜くと、歯冠部に大きな穴が生じますよね。その状態のままクラウンなどを製作しても、歯質との間にすき間ができることから、適切な補綴装置を装着することが困難となります。そこで必要となるのがコアです。コアは、簡単にいうと、被せ物と歯質とをつなぐ土台のようなものなのです。

▼メタルコアのデメリット

一般的な保険診療では、金属製のコアが用いられます。メタルコアは、材料が安価で操作性もよく、いろいろな場面に活用しやすいからです。ただ、歯質と比べると硬すぎることから、治療後に歯根を破折させる原因になりやすいです。また、金属で作られているため、金属アレルギーのリスクを伴います。被せ物から金属色が透けて見えたり、メタルタトゥーの原因になったりすることもあります。

▼ファイバーコアの特徴

ファイバーコアは、グラスファイバーのピンをプラスチックで補強した歯の土台です。柔軟性が天然の歯と近いことから、治療後の歯根破折が起こりにくくなります。また、金属を一切使用しないので、金属アレルギーのリスクはゼロとなります。もちろん、メタルタトゥーも起こりません。

グラスファイバーとレジンによって構成されていますが、それなりの強度があり、そう簡単に壊れることはありません。しかも、メタルコアと比べると、歯を削る量を抑えることができるというメリットが得られます。さらに、再治療が必要になった際の装置の除去も容易である、という利点も併せ持っています。

▼まとめ

このように、ファイバーコアには、メタルコアのデメリットを補う素晴らしい特徴がいくつもあります。メタルコアほど頑丈ではありませんが、その反面、歯質に過剰な負担を与えることもありません。ですから、より安全に歯科治療を完結させたい方には、ファイバーコアの方がおすすめといえます。もちろん、それぞれに最適な症例というものがありますので、まずは精密に診断することが大切です。

歯ブラシの選び方

皆さんは普段どのような基準で歯ブラシを選んでいますか?もしかしたら効率よく汚れを落とせるという理由で、硬くて大きい歯ブラシを選んでいるかもしれませんね。それでは歯の健康を害してしまうことがあるので注意が必要です。そこで今回は正しい歯ブラシの選び方についてわかりやすく解説します。

▼「ふつう」の硬さを選ぶ

基本的に歯ブラシの硬さは「ふつう」が良いです。「かため」を選ぶと、歯の表面にダメージが蓄積しやすいからです。それなら「やわらかめ」の方が良いのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、やわらかすぎても汚れを落とす効果が減少してしまいます。その結果、ゴシゴシと強く磨いてしまうことが多いので、やはりそこは標準的な「ふつう」が適しているといえます。

▼歯周病の人は「やわらかめ」を選ぶ

もうすでに歯周病にかかっている人は、「やわらかめ」の歯ブラシの方が好ましいといえます。歯周病ではブラッシング後に歯茎からの出血が認められるため、ついつい歯磨きを控えてしまう傾向にあります。「やわらかめ」の歯ブラシなら歯茎に過剰な圧力が加わらず、適度なマッサージ効果も期待できます。

▼ヘッドは小さめのものを選ぶ

ブラシの部分であるヘッドは、大きいものより小さめの方が良いといえます。ヘッドが小さいと、細かい部分にまで歯ブラシを行き届かせやすくなるからです。逆にヘッドが大きいと、ブラッシングも大雑把になりがちですよね。もちろん、極端に小さいもの選ぶ必要はなく、標準的なものを選択すれば良いといえます。

▼子どもは柄が握りやすいものを選ぶ

歯ブラシを選ぶ際には、柄の部分にも注目しましょう。大人であれば特に気にすることはありませんが、まだ歯磨きになれていない子どもは、握りやすい柄の歯ブラシを選ぶ必要があります。柄が握りにくいと、過剰な力が加わるなどして、ブラッシングにも悪影響が及びます。

▼電動歯ブラシも選択肢のひとつ

電動歯ブラシも選択肢のひとつとして考えて良いといえます。とくに、手を細かく動かせなくなった高齢の方にはおすすめの清掃器具といえます。もちろん、若い人でも効率よく汚れを落としたいのであれば、電動歯ブラシを検討しても良いかもしれません。

▼まとめ

このように、歯ブラシの選び方にはいくつかポイントがあります。また、年齢によっても最適な歯ブラシは変わってきますので、迷っている方は一度当院までご相談ください。患者さまにとって最適といえる歯ブラシをご紹介します。

歯科医院選びのポイント

皆さんは、歯が痛くなったときなど、どのような基準で歯医者さんを選んでいますか?ちまたにはたくさんの歯科医院があり、選択肢が多いことから、どうしても迷ってしまう人も少なくないかと思います。そこで今回は、歯科医院選びのポイントをわかりやすく解説します。

▼治療内容をきちんと説明する

歯科医院選びのポイントとしてまず挙げておきたいのが「インフォームドコンセント」です。もはや医療の世界では常識になりつつある考え方ですが、未だに実践できていない歯科医院も存在します。患者さんの病状だけではなく、必要となる治療内容などもわかりやすく説明できなければ、良い歯医者とはいえません。つまり、患者さん自身が納得して治療を受けられる歯科医院を選ぶことが大切といえます。

▼治療費の内訳が明瞭

歯科治療は医療の一環ですが、やはり費用に関して気になる方も多いことでしょう。とくに、自費診療ともなると、歯科医院によって価格が異なるだけではなく、治療費も高額になりがちなので、その内訳をきちんと説明してくれる歯医者さんを選びましょう。お金に関してきっちりしていることは、良い歯医者さんの条件として欠かせません。

▼無理に治療を勧めてこない

インフォームドコンセントの考え方にもつながってきますが、治療を受けるかどうかを決めるのは、あくまで患者さんです。それは細かい治療法や治療の手順に関しても同様です。それにもかかわらず、歯科医院側の都合で特定の治療法を無理に勧めてくるような歯医者さんは、良い歯医者とは程遠いといえます。常に患者さんの意見を聞きつつ、最良の治療法を模索していくような歯科医院を選びましょう。

▼スタッフの対応が良い

歯科治療は医療ではあるものの、やはり気持ちが悪くなるところで受けたいとは思いませんよね。例えば歯医者さんが高圧的であったり、受付係が無礼であったりする歯科医院は、あまりお勧めできません。その他、歯科衛生士や歯科助手も含めて、対応が良い歯科医院を選ぶようにしましょう。そうした姿勢は治療にも反映されているものです。

▼まとめ

このように、歯科治療というのはとても重要なものなので、より良い歯科医院に任せることが大切です。上述したポイントを参考にして、最善といえる歯医者さんを見つけるようにしてください。たくさんの選択肢があって迷ってしまうことかと思いますが、慎重に選ぶことが重要です。

お口のカラー写真はなんのため?

歯科治療では、お口のカラー写真を撮ることがありますよね。内科などのお医者さんにかかったときには、そのような撮影を行うこともないため、なんのためのものなのか疑問に感じている人も少なくないかと思います。そこで今回は、歯医者さんで撮影するお口のカラー写真についてわかりやすく解説します。

▼患者さんの大切な記録となる

歯医者さんで撮影するお口のカラー写真は、専門的に「口腔内写真」といいます。上の歯列と下の歯列、上下でかみ合った時の歯列など、いくつかの部位にわけて撮影をすることがほとんどですが、これは歯科治療を進めていく上でとても重要な記録となります。なぜなら、歯科治療というのは、進行していく過程で、お口の中がどんどん変化していきますよね。ですから、治療前の状態も含め、その状態の変化を逐一記録しておくことが大切なのです。

▼治療の効果を実感できる

お口のカラー写真を撮影するメリットとしては、まず患者さんご自身が治療の結果を実感できるという点が挙げられます。最もわかりやすいのが矯正治療ですね。歯列矯正では、必ず口腔内写真を撮影しますが、それは治療のプロセスがしっかりと可視化されるからです。治療を開始する前から、治療が完了するまで数年に及ぶ長い期間が経過しますが、どれくらい歯が動いたのかは写真によって確認することができます。その他、入れ歯治療やブリッジによる治療など、歯科治療ではさまざまな場面でお口のカラー写真を撮影します。

▼治療計画を立てる貴重な材料となる

歯医者さんは治療計画を立てる際、お口のカラー写真や口腔内模型などを参考にします。患者さんにずっとお口を開けてもらうわけにもいかないので、そうした記録を参照しながら、最適といえる治療法を考えるのです。その上で、お口のカラー写真はとても大きな力を発揮します。

▼たくさんの情報が含まれている

お口のカラー写真は、一般的な一眼レフで撮影するものですが、その中にはとてもたくさんの情報が含まれています。歯並びの状態はもちろん、歯の色や形、歯茎の状態なども確認することが可能です。レントゲン撮影のように被ばくを伴うわけでもないので、とてもコスパの良い画像診断が行えるといえます。

▼まとめ

このように、お口のカラー写真を撮影することで、歯医者さんだけではなく、患者さんもたくさんのメリットを得ることができます。それだけお口の状態を記録するということは、重要なことなのです。