インプラント周囲炎への対応

こんばんは。

深井駅前 Miho歯科医院 院長の前原です。

昨日、インプラント周囲炎の治療のセミナーを受けてきました。

講師の先生は、イエテボリ大学歯周病科出身の大月基弘先生。

現在、サンスターの歯磨き粉「gum」のCMにもご出演されています。

東京や熊本など遠方からも参加者の先生がお越しになられていました。

インプラント周囲炎は、わかりやすくいうとインプラントの周囲が歯周病になった状態で、

インプラントを支える骨が吸収して溶けてしまい、歯茎から血や膿が出たり、インプラントがグラグラして噛むと痛みが出たりします。

炎症がインプラント周囲の歯茎だけにとどまっているインプラント周囲粘膜炎とは異なり、

外科処置を行って歯茎を切開してインプラント周囲を綺麗にしてあげないと治癒しません。

一旦インプラント周囲炎になってしまうと4〜6割しか治らないと言われ、

しかも治療法は確立されていません。

インプラント周囲炎は進行するとインプラントが抜け落ちてしまいます。

今回のセミナーではインプラント周囲炎の歯を模型で再現してあり、マイクロスコープを用いて外科治療を行う実習もありました。

インプラントに異常を感じる場合には手遅れになる前に歯科医師の診察を受けましょう。

Miho歯科医院 歯科医師 前原美保

義歯治療について

堺市中区 深井駅前の女医によるクリニックMiho歯科医院、院長 歯科医師 前原美保です。

今日は当院の<義歯治療>について解説します。

当院では義歯(入れ歯)を希望の方に、

・保険義歯

・精密義歯:精密入れ歯治療

・審美義歯

を行っています。

その中でも精密義歯の流れを紹介します。

<<精密入れ歯治療の流れ>>

入れ歯といってもいくつかのパターンに別れます

A)残っている歯の抜歯を伴う上下総入れ歯

B)総入れ歯難症例

C)部分入れ歯

A)残っている歯の抜歯を伴う上下総入れ歯

お口の中に残っている歯が虫歯で悪くなっていたり、歯周病でグラグラしている場合は、歯を抜かなければいけないことがあります。

すぐに入れ歯を装着することができませんので、いくつかの段階を経て、最終入れ歯を作ります。

合計2つ〜3つの入れ歯を作ります。

<ステップ1:治療用義歯の作成と装着>

歯がある状態で型取りを行い、即時義歯と言われる入れ歯を作っていきます。歯がある状態で作った入れ歯は、歯を抜いた後の歯茎の形と厳密にはあいませんが、最終入れ歯をイメージした形や噛み合わせを設定して制作します。

即時義歯が完成してから、歯を抜くと同時に即時義歯を装着します。歯がない期間ができないようにしていきます。通院する間隔にもよりますが、通常1〜2ヶ月程度かかります。

<ステップ2:治療用技師で噛み合わせのリハビリ、歯茎の治癒待ち>

歯茎が型取りできる程度に落ち着いてきたら治療用義歯を作成していきます。治療用義歯とは最終入れ歯の原型になる入れ歯で、実際にお使いいただきながら噛むためのリハビリを行っていきます。

歯を失うことによって噛み合わせが狂っていることがよくあります。作った入れ歯が合わないことの原因の多くは噛み合わせが狂っている状態で入れ歯を作ることによるもので、噛み合わせが狂っているとよく噛める入れ歯にならず、何度調整しても痛みが出る入れ歯となってしまうのです。この治療用義歯でしっかり噛めるようにしておくことが最終の入れ歯を成功させる秘訣となります。

また、最終の入れ歯を作る前に、どのような歯の大きさにするか、歯並びはどうか、色や形はどうかなど見た目の美しさに関しても十分に検討していただくことができます

歯を抜いてから歯茎の傷が治るまで最低でも3ヶ月程度かかりますので、その間はこの入れ歯を使って傷が治るのを待ちます。

このリハビリ期間は通常は3-6ヶ月程度です

<ステップ3:最終入れ歯の制作と装着>

即時義歯のリハビリが終わり、歯茎が落ち着いてきたら最終入れ歯を製作します。製作には通常1〜2ヶ月程度かかります。

<ステップ4:最終入れ歯の調整>

新しい入れ歯は精密に作ったとしても最初から完全にフィットさせることは難しいです。新しい靴が靴擦れするように、柔らかい歯茎の上に硬い入れ歯が乗ると痛みや違和感が出ます。微調整を行って合わせていきます。噛み合わせや内面の調整を行います。歯を抜いて入れ歯を作った場合は数ヶ月から1年程度で歯茎が穏やかに下がってくることがありますので、その場合は内面の状態を修正する処置を行います。

<ステップ5:定期チェック>

入れ歯は作って終わりではなく、良い状態を保つために定期的にチェックをして行きます。お口の変化とともに微調整を行います。

以上が義歯の治療の流れです。

お口の状況によって進行具合は変わりますので、

義歯をご希望の方はまずはお気軽にご相談ください。

精密義歯の場合はその方のお口に合わせたオーダーメイドな対応ができますので、

自費治療で高額ではありますが、クオリティの高いものが作成ができます。

Miho歯科医院 歯科医師 院長 前原美保

歯周病の意識調査

11月8日は「いい歯の日」でした。「歯周病の意識調査」が行われましたので、

その調査結果を解説します。

今回の調査の対象者は、

20代から60代までの男女500名(本人、または同居の家族が医療・製薬業種、または専門家ではない全国 20~60 代の男女 500名).

調査期間は2021年9月24日(金)〜 9月27日(月)の期間で、インターネットにて実施されています。

本調査結果では、コロナ禍以降、歯科医院への受診をためらう人は半数以上にのぼり、“受診控え”が見受けられる中、口の状態が悪化したと 5 人に 1 人が回答しています。

インプラントについて

こんにちは。

深井駅前 Miho歯科医院 歯科医師 院長の前原です。

今日はインプラントについてお伝えしたいと思います。

何らかの理由で歯を失った場合、欠損部を人工歯で補う必要があります。治療法の選択肢としてはブリッジや入れ歯、インプラントなどが挙げられます。このうちインプラントは近年、注目を集めている治療法ですが、具体的な治療内容やメリット・デメリットを知らない方も多いことかと思います。今回はそんなインプラントに関してわかりやすく解説します。

▼人工歯根を埋め込む治療

インプラント治療の最大の特徴は「人工歯根」を埋め込む点です。専門的にはフィクスチャーあるいはインプラント体と呼ばれるネジを顎の骨に埋め込みます。ですから、必ず外科手術が必要となるのも大きな特徴のひとつです。これはインプラント治療における数少ないデメリットのひとつといえます。

▼見た目が天然歯にそっくり

インプラントは、上部構造と呼ばれる人工歯を装着します。上部構造はセラミックで作られることがほとんどで、色や質感、光沢などが天然歯に瓜二つといえます。さらに、人工歯根が存在しているので入れ歯のようなバネや歯茎など余計なパーツを付け加える必要がなく、審美性も極めて良好に仕上げることが可能です。

▼硬い物でもしっかり噛める

ブリッジや入れ歯は、あくまで周囲の歯によって支えられる装置なので、歯を失う前と同じようには噛めません。入れ歯にいたっては、硬いものを無理して噛もうとすると、装置がずれたり、外れたりすることも多々あります。その点、インプラントには人工歯根が存在しているので、天然歯と同じように硬いものでもしっかり噛むことができます。

入れ歯は噛む力が天然の歯の20%ほど、ブリッジで70%ほどと言われます。

インプラントでは90〜100%近く噛む力を回復させることができます。

▼寿命が長い

ブリッジや入れ歯というのは、数年経過してから不具合が生じることも珍しくありません。とくに入れ歯は、装着当初からこまめに調整していかなければ、なかなか良好な装着感も得られません。入れ歯の場合は3年くらいすると装着せずにそのままにしている人も半数ほどいるといわれます。

またブリッジでは平均して7年程度で悪くなって作り方が必要というデータもあります。

一方、インプラントは10年保証などが付いていることからもわかる通り、基本的な寿命が長くなっています。定期的なメインテナンスをしっかり受けることで、その寿命を10年20年と引き延ばしていくことも難しくないのです。

▼インプラントのデメリットとは?

インプラントにもデメリットが存在しています。まず、保険が適用されないことから、費用が比較的高くなるというデメリットがあります。また、インプラントオペが必要であったり、歯周病にかかりやすかったりするため、必ずしもメリットだけではないということをしっかり理解しておきましょう。

▼まとめ

このように、インプラントは少し特殊な歯科治療ですが、適切な方法で治療を受け、メインテナンスをしっかり行うことで、いつまでも白く美しい歯を維持することができます。

以上がインプラントについての情報でした。

インプラント治療をご検討されている方は、レントゲンで骨の状態を調べる必要がありますので、お気軽にお電話でお問い合わせください。

LINEでもインプラントとセラミックのご相談を受け付けています。

(通院圏内の方限定です)

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その際には「ブログを読んだ」と一言お願いいたします。

Miho歯科医院 歯科医師 前原美保

顕微鏡を用いた歯科治療

最近、歯科治療の際に顕微鏡を用いる歯医者さんが増えてきました。マイクロスコープとも呼ばれる歯科用顕微鏡は、治療の精度を上げてくれる素晴らしい医療機器です。当院でも6年ほど前から顕微鏡を導入して治療してきました。今回はそんな歯科用顕微鏡の特徴やメリット、デメリットをわかりやすく解説します。

▼肉眼の視野を20倍まで拡大

歯科用顕微鏡を用いると、最大で肉眼の20倍まで視野を拡大することができます。歯というのはそもそも、とても小さな組織なので、通常のむし歯治療でも視野の狭さに苦しめられるものです。それが根管治療ともなると、ほぼ盲目的な処置とならざるを得ないのです。そんな時、歯科用顕微鏡を活用することができれば、治療の精度も大きく向上します。

また、顕微鏡には明るい照明が付いています。口の中で精密な作業をするには薄暗くては不可能です。

明るい視野で大きく拡大して治療することで精密な治療が可能となります。

▼一般の歯科医院でも導入している?

歯科用顕微鏡は、大学病院のような大きな医療施設には必ずといって良いほど完備されていますが、一般の歯科医院となると一部に限られます。全国で数パーセント程度と言われます。

また、歯科用顕微鏡を用いて治療を行うには、それなりの経験が必要となることから、歯医者であれば誰でも使いこなせるということでもないのです。そういった点から、歯科用顕微鏡による処置をお願いするのであれば、できるだけ経験豊富な歯医者さんにお願いした方が良いといえます。顕微鏡を使いこなすためのトレーニングを受けたり、顕微鏡用の機材を揃えたり、顕微鏡治療のためのアシスタントを配置したり、顕微鏡のある歯科医院ではさまざまな配慮がされています。

▼保険は適用される?

歯科治療に歯科用顕微鏡を用いる場合、原則的には保険適用されません。ですから、その費用を歯科医院側が負担するか、患者さんが負担するかしなければ、歯科治療で活用することは難しいといえます。とはいえ、適切な方法でマイクロスコープを活用すれば、治療の精度が上がり、再発のリスクは大きく減少するので、結果的に治療費が安くなることも珍しくありません。そのため、費用が少し高くなるからといって、歯科用顕微鏡による治療をあきらめるのももったいないことといえます。大切なのは何に重きを置くかです。

▼歯科用顕微鏡を活用できる歯科治療

歯科用顕微鏡は、主に根管治療で活用されます。その他、通常のむし歯治療で活用している歯科医院もあります。ですので、活用できる治療というのは必ずしも限定されているわけではありません。処置を施す上で有利に働くのであれば、積極的に活用した方が良いといえます。

▼まとめ

このように、歯科用顕微鏡は治療の精度を大きく向上させる素晴らしい医療機器です。保険が適用されないというデメリットを覗けば、メリットばかりなので積極的に活用していくことをおすすめします。