歯がなくなるのは老化のせい?

歯がなくなるのは老化のせいと考えていませんか?
お年寄りの歯がぐらつき始める、抜け落ちることを病気と考えない人もいます。
しかしこれはれっきとした歯周病(昔は歯槽のうろうと呼ばれていました)という病気です。

虫歯と比べると歯周病への対策はかなり遅れて始まりました。
歯に穴があき、痛みの伴う虫歯と比べると、
一般的な歯周病の進行はかなりゆっくりしています。
歯がぐらつきだしたり膿が出るなどの症状を自覚するのは、
歯周病が末期になってからなのです。
このため、長い間歯周病の治療は悪くなった歯を抜歯するしかありませんでした。

現在では、歯周病の発症や進行のメカニズムもある程度解明され、
初期から中等度までの進行は、患者さんの協力さえあれば、
十分にコントロールできるようになりました。
最新の研究では、血液を調べることによって患者自身の歯周病に対する感受性(歯周病にどのくらいなりやすいか)を歯周病の発症前から知ることができます。
つまり、歯周病は予防可能な病気なのです。

歯周病治療の基本はプラークコントロールです。
歯磨きもひとつの方法ですが、それだけでは十分ではありません。
歯と歯茎の隙間の溝(歯周ポケット)などのブラシでコントロールできないところは、歯科衛生士による専門的な処置が必要です。
場合によっては薬剤の使用が必要となることもあります。
さまざまな手段のプラークコントロールによって、
歯周病を進行させる有害な細菌の増殖を身体が許容できる程度にコントロールすることがこの病気の予防であり治療なのです。

歯周病も虫歯と同様に、そのかかりやすさは人によって違います。
遺伝的素因や喫煙などの環境因子も深く影響しています。
歯周病の予防のためには、「早期発見・早期コントロール」をこころがけましょう!!