歯ぎしりとマウスピース

現代はストレスの多い社会ですよね。日々、職場や学校でたくさんのストレスを受けている人も少なくないことかと思います。そんなストレスが原因で、歯ぎしりをする人も増加しています。今回はそんな歯ぎしりをマウスピースで改善する方法についてわかりやすく解説します。

▼歯ぎしりとは?

歯ぎしりとは、食べ物などがお口の中に入っていない状態で、上下の歯をギリギリとこすり合わせる習癖です。多くのケースで睡眠中に生じていたり、日中でも無意識に行っていたりします。それだけに、歯ぎしりしている本人はなかなか気付くことができません。

▼歯ぎしりによる悪影響について

歯ぎしりをしていると、まず上下の歯が摩耗していくというデメリットがあります。歯の表面は、エナメル質という人体で最も硬い組織で覆われていますが、硬いものどうしでこすり合うと意外にたやすく摩耗していきます。その結果、知覚過敏やむし歯のリスクが高まります。また、顎の関節に過剰な負担がかかることから、顎関節症を発症してしまうケースも珍しくありません。ですから、歯ぎしりはできるだけ早期に改善した方が良いといえるのです。

▼マウスピースによる歯ぎしりの改善

歯ぎしりの治療法として最もポピュラーなのはマウスピースによる「スプリント療法」です。夜間、眠っているときに専用のマウスピースを装着して、歯ぎしりによる歯の摩耗を防ぎます。それだけでは、歯ぎしりの根本的な解決にならないのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、マウスピースの装着を継続していくことで、悪習癖も徐々に改善されていくのです。これはマウスピースによって顎の位置が正常化されるからです。

▼歯医者さんで受けられる治療

マウスピースによる歯ぎしりの治療と聞くと、いったいどこの診療科で受けられるのか、わかりにくいところもありますが、それは歯科医院にお任せください。歯ぎしりなどの口腔習癖の治療も歯医者さんの専門領域なのです。歯ぎしりの原因が歯並びがかみ合わせの異常に由来している場合は、歯列矯正や咬合調整で対応することもあります。いずれにせよ、悪い影響の大きい歯ぎしりは、できるだけ早く解消した方が良いです。

▼まとめ

このように、歯ぎしりは原因に応じてさまざまな治療法がありますが、マウスピースで改善できるケースが多いです。そんなマウスピースによる歯ぎしりの治療をご希望であれば、お気軽に当院までご相談ください。

親知らずについて

親知らずについて

私たちの歯は、親知らずも含めると全部で32本の永久歯が生えてきます。これらをいかに大切にケアし、一生涯使えるようにするかが口腔衛生の主な目的ですが、親知らずに関しては、少し事情が変わってきます。なぜなら、親知らずというのは保存せずに抜歯をした方が良いケースが比較的多いからです。ここではそんな親知らずについて、「なぜ抜歯が必要なのか」、「抜歯が不要となるケースはあるのか」、といった誰もが抱く親知らずに関する疑問を解説いたします。

▼親知らずとは?

親知らずとは、正式には「第三大臼歯」と呼ばれる奥歯で、20歳前後で生えてくるのが一般的です。つまり、永久歯の中でも最後に生えてくるのが親知らずなのです。そのため、親知らずが生えてくるスペースが不足し、さまざまなトラブルが生じることが多くなります。

▼異常な生え方をすることが多い

親知らずは、斜めや真横など、異常な生え方をすることが多いです。これは歯が生えてくるためのスペースが不足しているからですね。半分埋まった状態のままの親知らずもよくありますよね。あるいは、生えてくるスペースが絶対的に不足していて、一生涯歯茎の中に埋まったままの場合もあります。

▼抜いた方がよい親知らずの症状

抜歯をした良い親知らずの症状としては、まず重度の虫歯や歯周病が挙げられます。親知らずはもともと歯磨きしにくい生え方をしていることが多く、時間をかけて治療してもまたすぐ再発してしまうのです。それならばいっそのこと抜歯をした方がお口全体の健康にも良いと判断できます。

それから、親知らずが隣の歯の歯根を圧迫していたり、全体の歯並びや噛み合わせを乱していたりするケースも抜いた方が良いといえます。ですから、親知らずを抜くかどうかは、周囲の歯や組織の健康を優先して判断することとなります。

▼抜かなくてもよい親知らず

真っすぐきれいに生えている親知らずは、基本的に抜く必要はありません。親知らずも貴重な天然歯のひとつなので、とくにトラブルの原因になっていないのであれば、残す方が良いといえます。実際、親知らずを1本も抜かないで済むひとはたくさんいらっしゃいますよ。また、症状によっては親知らずを残すことを優先することもありますので、親知らずにお困りの方は、まず当院までご相談ください。

▼まとめ

このように、親知らずは抜いた方がよいケースと抜かない方がよいケースがあるため、精密な検査を受けることが大切です。

レジンを使った治療法

歯科治療では、いろいろな場面で「レジン」という材料を使用します。レジンなくして、現代の歯科治療は成立しないといっても過言ではありません。今回はそんなレジンを使った歯科治療についてわかりやすく解説します。

▼軽度のむし歯に活用されるコンポジットレジン

歯科治療で使用するレジンの中で、最もポピュラーなものといえば「コンポジットレジン」ですよね。使用する前はペースト状で、光照射によって硬化させるあの材料です。ちょっとしたむし歯の治療に使われることが多いので、おそらく皆さんのお口の中にも充填されていることかと思います。色調の調整も容易で、施術後は天然の歯質と見分けがつかないほど調和します。

▼詰め物や被せ物に使われる硬質レジン

比較的大きなむし歯では、型取りを行って詰め物や被せ物を製作しますよね。その際使用されるのは「硬質レジン」と呼ばれるもので、ちょっとしたむし歯に使われるコンポジットレジンよりは、その名の通り硬くなっています。ペースト状のレジンよりも耐久性が高く、奥歯のクラウンなどにも使うことができます。

▼入れ歯に使われるアクリルレジン

実は、入れ歯にもレジンが主な材料として使われています。歯茎や口腔粘膜と接触する部位である「義歯床(ぎししょう)」は、基本的に「アクリルレジン」によって構成されています。アクリルレジンは、吸水性などに優れ、お口の中に吸着しやすい性質を持っている反面、ニオイや汚れも堆積しやすいです。そのため、普段からしっかりケアしなければどんどん劣化していきます。ちなみに、入れ歯の人工歯も基本的にはレジン歯が用いられています。

▼シーラントもレジン

子どものむし歯予防で実施される「シーラント」もレジンで構成されています。子どもの歯である乳歯は、大人の歯である永久歯よりも奥歯の溝が複雑なので、汚れが溜まる傾向にあります。そこにシーラントを流し込むことで表面が滑沢になり、お掃除しやすい環境が整うのです。そんなシーラントも光照射で固めますよね?あれはコンポジットレジンが主成分だからです。

▼まとめ

このように、レジンというのは歯の充填や詰め物・被せ物、入れ歯に至るまで、その用途は多岐にわたります。とくに保険診療においては欠かすことのできない材料といえるでしょう。そんなレジンにも欠点がいくつかるため、必要に応じてセラミックなどの材料を選択するのもひとつの正しい考え方といえます。

クラウンを選択するのはどんな時?

失った歯質を補う治療法には、いくつかの種類があります。もっとも簡便なものは「コンポジットレジン」による充填ですね。ペースト状のレジンを欠損部に充填して、光で固めます。では、被せ物の一種である「クラウン」はどんな時に選択するのでしょうか?今回はそんなクラウンについてわかりやすく解説します。

▼クラウンとは?

クラウンとは、一般的に「被せ物」や「差し歯」と呼ばれるものです。歯科用合金で作られたものを「銀歯」と呼ぶことがありますが、その他、レジンやセラミックなどで作られることもあります。比較的大型の装置なので、必ず事前に歯の型取りを行わなければなりません。

▼重症化したむし歯

むし歯が重症化すると、かなりの歯質を失いますよね。それはむし歯菌が産生する酸によって溶かされた歯質だけではなく、むし歯治療によって削られた歯質も含みます。そうして歯の頭の部分である「歯冠部」が大きく失われた症例に対して、クラウンが選択されます。ちなみに、歯質の欠損がそれよりも少ない場合は、詰め物である「インレー」が選択されます。

▼根管治療の後

歯の根の治療である根管治療を行った後も、ほとんどの症例でクラウンが選択されます。根管治療を行うということは、歯の神経にまでむし歯が進行をしていることを意味し、コンポジットレジン充填やインレーでは対応できないケースがほとんどです。そのため、支台築造と呼ばれる土台の製作を歯の中で行い、その上にクラウンを被せます。

▼歯が折れた場合

外傷によって歯冠部が大きく欠けた場合も歯科材料によって歯質を補わなければなりません。その際、クラウンが選択されることが多いです。クラウンによってもともとの歯の形や機能を回復し、歯を失う前と同じようにしっかり噛めるようにします。

▼インプラントの上部構造もクラウン?

インプラント治療にも、人工歯を被せる工程があります。専門的には「上部構造」と呼ばれる人工歯で、その形態はほぼクラウンと同じです。ただ、アバットメントと連結するという点において、一般的なクラウンとは異なります。また、固定のためのネジが必要となる点も上部構造の特徴のひとつです。そういう意味でいわゆるクラウンとは異なるものと考えた方が良いです。

▼まとめ

このように、クラウンを選択する時というのは、歯冠部の歯質を大きく失った時です。そのままでは審美性が低下することはもちろん、歯としての機能も果たせなくなることから、クラウンを被せて回復させます。

喫煙と歯周病

日本人の成人の約8割がかかっているといわれている歯周病ですが、その原因は歯垢や歯石といった歯の汚れだけではありません。ストレスや糖尿病など、全身の健康に関わる要因もリスクとなることがわかっています。とりわけ「喫煙習慣」には要注意です。今回はそんな喫煙と歯周病の関連についてわかりやすく解説します。

▼喫煙が歯周病のリスクを上昇させる

喫煙習慣は、歯周病のリスクを上昇させます。もうすでに歯周病にかかっている人は、その症状を著しく増悪させることがありますので注意しましょう。ですから、歯周病を患っていて喫煙の習慣もある患者さまには、基本的に禁煙をすすめています。そこで気になるのが喫煙と歯周病の関係ですよね。

▼歯ぐきの血管を収縮させる

タバコの煙は、歯ぐきの血管を収縮させる作用があります。歯ぐきの血管が収縮すると、周囲の組織に酸素や栄養素が供給されにくくなり、歯周病菌への抵抗力が下がります。その結果、歯周病の発症リスクが上昇するのです。

▼歯周病の症状を隠してしまう

歯周病の症状といえば、「歯ぐきが赤く腫れる」、「ブラッシング後の出血」などですよね。こういった症状があるからこそ、歯周病を自覚することが可能となります。けれども、喫煙習慣があると歯ぐきの症状が隠れてしまうことがあるのです。これをタバコによる「マスキング効果」といいます。タバコの煙によって歯茎の血流が悪くなると、自ずと歯茎の腫れや出血もおさまってしまうのです。その結果、歯周病を自覚するのが遅れ、発見した頃には重症化しているケースも珍しくありません。

▼沈着したヤニが細菌の温床となる

喫煙による悪影響として、もうひとつ「ヤニの沈着」が挙げられます。喫煙している人の部屋というのは、壁や天井にヤニがたまっていますよね。それと同じことがお口の中でも起こります。歯や歯ぐきにヤニが沈着して、細菌の温床となります。その結果、歯周病菌が繁殖して、歯周病を発症あるいはその症状を増悪させるのです。

▼タバコによる全身への悪影響

タバコは、お口の病気だけではなく、呼吸器などの病気の原因にもなります。それだけに、禁煙する価値は非常に高いといえます。ですから、今現在喫煙による歯周病でお悩みの方は、全身の健康のことも考えて、1日でも早く禁煙するよう努めましょう。

▼まとめ

このように、喫煙と歯周病には密接な関連がありますので、歯周病の治療および予防をする上で、禁煙は欠かすことができません。