私たちのお口の中には、たくさんの病原菌が生息しています。最も有名なのは「ミュータンス菌」ですね。むし歯の原因となる細菌で、ほとんどの人のお口の中に住み着いています。それと同じくらい広く感染が広がっている病原菌に「カンジダ菌」というものがあります。口腔カンジダ症と呼ばれる病気を引き起こす病原体で、さまざまなお口の症状を生じさせることがあります。今回はそんな口腔カンジダ症についてわかりやすく解説します。
▼カンジダ菌への感染で生じる病気
口腔カンジダ症とは、真菌の一種であるカンジダ菌に感染することで発症する病気です。真菌というのは、細菌とは少し異なる生物なのですが、カビの一種として考えていただいて問題ありません。つまり、口腔カンジダ症にかかるとお口の中にカビが生えるのです。
▼カンジダ症の特徴
カンジダ症にかかると、お口の粘膜や舌の上に白い病変が現れます。この病変は、綿棒などでこすると簡単に拭い去ることができます。そういった点も正にカビと同じですね。ちなみに、カンジダ症の症状が悪化すると、粘膜に炎症や痛みをもたらすこともあるので十分注意しましょう。
▼不衛生な口腔環境が原因
カンジダ症は、お口の中を不潔にしていると発症しやすくなります。それは一般的なカビも同じですね。とくに舌の表面に「舌苔(ぜったい)」が堆積している場合は要注意です。舌苔には、むし歯菌や歯周病菌だけではなく、カンジダ菌も繁殖しているからです。舌苔が溜まっている人は、日ごろから舌ブラシによるブラッシングを行うようにしましょう。
▼不潔な入れ歯も原因になる
入れ歯を装着している場合もカンジダ症にかかりやすくなっています。入れ歯は、カンジダ菌の温床ともなりやすいものなので、日ごろからしっかりケアすることが大切です。義歯ブラシでていねいにお掃除することはもちろん、入れ歯洗浄剤による化学的な清掃も毎日行うようにしましょう。
▼カンジダ症の治療法
カンジダ症の治療は、歯科医院で行っています。治療法はケースによっても異なりますが、比較的症状が強い場合は、抗真菌薬などのお薬を使用することもあります。いずれにせよカンジダ症の症状が認められたら、すぐに当院までご連絡ください。
▼まとめ
このように、カンジダ症は誰にでも起こり得るお口の病気です。むし歯や歯周病と同様、お口の衛生状態を維持することで予防していきましょう。