歯の色は年齢と共に濃くなる?!

歯はいろいろな原因によって、黒ずんだり、黄ばんだりしますよね。着色汚れというのは、主に生活習慣などによって生じるものですが、加齢によってもその症状が現れることがあります。一般的に、歯の色は年齢と共に濃くなると考えても間違いではありません。ここではそんな歯の色が経年的に濃くなる理由をわかりやすく解説します。

▼歯は真っ白な組織ではない?

前提として、歯はもともと真っ白な組織ではないという点を確認しておきましょう。歯を構成しているのはエナメル質と象牙質です。歯の一番外側を覆っているエナメル質は、半透明の白い組織です。その下に存在している象牙質は、少し黄色味がかった組織です。そのため、若くて健康な人の歯も透明なエナメル質から、黄色い象牙質が少し透けて見えている状態が普通といえます。

▼象牙質の色が目立つようになる

年をとると、徐々にエナメル質がすり減っていきます。これは歯を使っていく中で避けては通ることができない変化です。エナメル質が薄くなると、すぐ下に存在している黄色い象牙質が目立ちやすくなりますよね。その結果、歯の色が濃くなるのです。こういった歯の色の変化は、食べ物や飲み物によるものではなく、加齢によるものなので、その点はきちんと区別する必要があります。

▼加齢による歯の変色の改善方法

加齢によって歯の色が濃くなったら、いくつかの方法によって改善することができます。最も簡便な方法は、ホワイトニングですね。エナメル質をホワイトニングジェルで漂白することで、象牙質の色が透けて見えるのを防ぐことができます。

ただ、ケースによってはホワイトニングでは歯の変色を改善できないこともあります。そこで有効となるのは、ラミネートベニアやセラミッククラウンなどの審美治療ですね。こうしたセラミック材料を用いることで、重度の変色も大きく改善することが可能です。とはいえ、セラミック治療では基本的に歯を削る必要があることから、施術に伴うデメリットもきちんと踏まえる必要があります。

▼まとめ

このように、私たちの歯は年を重ねるごとに濃くなる傾向にあります。もちろん、そうした変色は対策次第で最小限に抑えることも可能です。そのため、歯の色が濃くなるのをできるだけ予防したいという人は、当院までお気軽にご相談ください。もうすでに変色して困っているという場合でも、さまざまな対処法をご用意しております。

虫歯のなりやすさは遺伝するか?

私たちがかかる病気には実にいろいろなものがありますが、生活習慣が関係していたり、遺伝によって決まっていたりとその原因もさまざまです。そこで気になるのが「虫歯」ですよね。虫歯も遺伝と関係しているのであれば、家系によっても虫歯のなりやすさは変わってくるといえます。ここではそんな虫歯のリスクは遺伝によって左右されるのかをわかりやすく解説します。

▼虫歯の根本的な原因は細菌

はじめに、虫歯の根本的な原因について確認しておきましょう。それはミュータンス菌に代表される虫歯菌への感染ですね。意外に忘れられがちですが、虫歯も風邪などと同じ細菌感染症の一種なのです。そういう観点からすると、虫歯は遺伝によって発症するということはまずあり得ないといえます。ただし、虫歯になりやすいかどうかは、また別の話になります。

▼虫歯になりやすいかは何で決まる?

虫歯になりやすいかどうかは、歯質によってある程度決まってきます。私たちの歯はエナメル質という無機質で覆われており、「耐酸性能(たいさんせいのう)」というものを備えています。これは酸に対して抵抗する力で、生まれ持ってこれが強い人もいます。逆に、遺伝的な原因でエナメル質が薄かったり、未成熟だったりすると、耐酸性能は低くなり、虫歯のリスクは上昇します。この点において、虫歯のなりやすさは遺伝するといえます。

▼歯が弱くなる病気がある?

先天的な病気で、歯の形成や発育が正常に進まないものがいくつかあります。そうした全身疾患があると、はじめからエナメル質形成不全や象牙質形成不全といった症状を伴うこととなります。その結果、歯が弱くなり虫歯にもかかりやすくなるのです。

▼親が虫歯でもそのリスクは上昇する

これは「遺伝」とは直接的には関係しませんが、一緒に暮らしている両親やおばあちゃん、おじいちゃんといった家族が虫歯にかかっていると、子どもも虫歯になりやすくなります。とくに、同じ食器など使ったり、口移しで食べ物を与えたりすると、虫歯菌の感染が広がりやすくなるため要注意です。逆にいうと、家族に全く虫歯がなければ、その子供も虫歯なりにくくなるといえます。

▼まとめ

このように、虫歯のなりやすさはある程度遺伝によって左右されます。ただ、それよりも大事なのは、生まれてきたあとのどう過ごすかです。正しいオーラルケアをきちんと身に付け、お口の中を清潔に保つことができれば、虫歯のリスクも大きく減少します。そうした取り組みを家族全員で実行することが大切です。

静脈内鎮静法について

歯医者さんでは、むし歯治療でよく局所麻酔を使いますよね。おそらく皆さんも一度は局所麻酔を受けたことがあるのではないでしょうか。それだけに、歯医者さんは局所麻酔だけを行うと思われがちですが、他にもケースに応じてさまざまな麻酔処置を施します。例えば、「静脈内鎮静法(じょうみゃくないちんせいほう)」というのは、歯医者さんでも使う場面が増えてきています。今回はそんな静脈内鎮静法について、わかりやすく解説します。

▼不安感や恐怖心を取り除く麻酔

一般的な歯科治療で用いる局所麻酔は、施術に伴う痛みを取り除くのが主な目的です。実際、局所麻酔を施した後は、歯を削っても強い痛みを感じることがありませんよね。一方、静脈内鎮静法は、痛みを取り除くのではなく、施術に伴う不安感や恐怖心を緩和するのが主な目的です。そのため、むし歯治療や歯周病治療で使用する機会はほとんどないといえます。

▼インプラントオペで使用する機会が多い

静脈内鎮静法が活用される治療といえば、インプラントです。インプラント治療では必ず人工歯根を埋め込むための外科手術を行いますよね。むし歯治療とは異なり、「手術」に対しては強い不安や恐怖を感じる人も少なくありません。手術中に強い不安感におそわれ、血圧が急上昇したり、何らかの発作を起こしたりしたらとても危険なので、静脈内鎮静法を施すことがあります。

▼意識が半分なくなる処置

静脈内鎮静法と混同されがちなのが「全身麻酔」です。外科手術では全身麻酔が行われることもありますが、静脈内鎮静法とはまったく別物であるとお考え下さい。全身麻酔をかけると、意識を完全に失うだけではなく、循環器や呼吸器の機能も停止します。そのため、手術中はたくさんの医療スタッフが患者さんの全身状態を管理することとなります。

一方、静脈内鎮静法では意識が完全になくなることはありません。意識を半分失ったような状態なので、歯科医師が呼び掛けるとかろうじて反応することができます。また、循環器や呼吸器の機能が完全に停止することもありません。

▼手術の記憶もなくなる

静脈内鎮静法には、健忘作用というものが期待できます。これは薬剤を使っている間の記憶がなくなる作用です。インプラントオペは、医科の手術と比べるとかなり規模の小さい処置となりますが、やはり、その記憶が鮮明に残っていると、歯科治療に対する恐怖心も強くなってしまいます。ですから、健忘作用が期待できることは、患者さんの精神面においても非常に大きなメリットといえるのです。

▼まとめ

このように、静脈内鎮静法はある場面においてとても有益な効果を発揮する麻酔処置です。重度の歯科治療恐怖症の方にも適応されることがありますので、歯科治療がどうしても怖いという方は、一度お気軽にご相談ください。

熱中症予防にスポーツドリンクを飲んでも良い?

梅雨の時期や夏場などは、こまめに水分補給しなければ、脱水症状を引き起こしてしまいます。とくに、熱中症に関しては十分な注意が必要で、スポーツドリンクを頻繁に摂取している人も少なくないでしょう。

ただ、スポーツドリンクには歯に悪影響を与えるリスクがあることから、熱中症予防として飲むことに、不安に感じている人も少なくありません。今回はそんなスポーツドリンクの適切な飲み方についてわかりやすく解説します。

▼むし歯の原因になりやすい

スポーツドリンクは、水分補給を目的に飲む上でとても適した飲み物といえます。汗によって流れ出た電解質まで補給できることから、身体を正常な状態に保ちやすくなっています。ただ、市販されているスポーツドリンクの大半は、とても甘いですよね。甘みがある分、飲みやすいのは良いことなのですが、糖分が豊富に含まれており、むし歯のリスクも上昇することを忘れてはいけません。

▼酸蝕症(さんしょくしょう)を引き起こす?

酸蝕症とは、むし歯以外の原因で、歯が溶けてしまう病気です。例えば、お酒やジュースなどをチビチビと飲む癖があると、お口の中が酸性に傾きやすくなり、歯質が脱灰していきます。それはスポーツドリンクにおいても同じことがいえます。

しかも、熱中症予防にスポーツドリンクを飲むとなると、かなり頻繁に摂取することになりますよね。お口の中はその都度、酸性に傾き、歯が溶けやすい環境となることから、酸蝕症を誘発します。そういう意味において、熱中症予防でスポーツドリンクを飲むことは推奨されない場合があります。

▼水で水分補給するのがベスト

理想的な熱中症予防の方法としては、こまめに水を飲むことです。当然のことながら、水には糖分が含まれていませんよね。しかも中性付近の飲み物なので、お口の中が酸性になることもありません。ただし、流れ出た電解質は補給できないという欠点があります。ですから、激しいスポーツなどで大量に汗をかき、電解質まで奪われたような状況であれば、スポーツドリンクによる水分補給が有効といえます。スポーツドリンクを飲んだあとは、水でうがいをするなど、お口の中をきれいに洗い流せば、むし歯や酸蝕症のリスクも低下します。

▼まとめ

このように、歯の健康を考えた場合、スポーツドリンクを頻繁に摂取することはあまり良いことではありません。一方で、熱中症予防など全身の健康維持を考えた場合は、スポーツドリンクが適していることもありますので、ケースバイケースで考えていくことが大切です。

エアーフローについて

歯の汚れを落とす方法といえば、「PMTC」が一般的ですよね。歯のクリーニングとも呼ばれるこの方法は、歯科医師や歯科衛生士が専用の器具を使って、1歯1歯ていねいに磨いていきます。そんな中、最近ではエアーフローという施術法も行われるようになってきました。今回はそんなエアーフローについてわかりやすく解説します。

▼エアーフローとは?

エアーフローとは、歯のクリーニングの一種で「ジェットクリーニング」と呼ばれることもあります。細かなパウダーを歯に吹き付けて、ジェット水流で汚れを落とすクリーニング法です。従来の歯のクリーニングでは落とせない、しつこい着色汚れなども除去が可能となっています。

▼使用されるパウダーについて

エアーフローで使用されるパウダーは、炭酸水素ナトリウムやグリシンです。炭酸水素ナトリウムはいわゆる「重曹(じゅうそう)」であり、皆さんもお家のお掃除などで使用した経験があるかと思います。グリシンはアミノ酸の一種で、生体にも安全な材料といえます。

▼エアーフローが適した症例

エアーフローは、着色の量が多かったり、細かい部分まで汚れが入り込んでしまっていたりする症例に適しています。細かいパウダーが歯の隅々にまで行き届くので、比較的強い着色でもきれいに落とすことができますよ。

▼エアーフローのデメリットについて

エアーフローは、非常にメリットの多い歯のクリーニング法ですが、デメリットもいくつかあります。まず、エアーフローに使用するパウダーには、独特な味がするので、それを苦手とする人も少なくありません。また、パウダーを吹き付ける時などにチクチクとした不快感が生じやすいという点もデメリットとして挙げられます。

▼歯にダメージはないの?

エアーフローでは、とても強い勢いでパウダーを吹き付けるので、歯にダメージが及ばないのか心配される方もいらっしゃいます。その点はご安心ください。エアーフローによって歯が傷ついたり、ダメージを負ったりすることは基本的にありません。安全かつ効率よく着色汚れを落とせるのがエアーフローの特性です。

▼まとめ

このように、エアーフローは歯の着色汚れを落とす方法として、さまざまなメリットが得られます。従来のPMTCと使い分けながら、お口のケアに役立てることをおすすめします。そんなエアーフローについてさらに詳しく知りたい方は、お気軽に当院までご相談ください。エアーフローについてさらに詳しくご説明します。