前歯の差し歯を綺麗にしたいとき・・・

こんにちは!
女性の場合は特に、前歯の古い差し歯の変色って気になりますよね。
20代、30代の若いころに入れたものが、
数年~十年ほど経って、
付け根が黒ずんできたり、
被せ物全体が茶色くなって周りの歯と馴染まない、
1本だけ色が違う、
そんな悩みが出てくることが多いです。
それは保険治療で被せた「硬質レジン前装冠」(こうしつレジンぜんそうかん)という金属とプラスチックの被せ物の材料特性による劣化が原因です。
プラスチックは経年的に吸水して表面が劣化して変色します。
何年も使用することで歯ブラシによる傷ができて艶がなくなります。
例えばプラスチックのお弁当箱やコップなどを思い出してください。
使うと茶色くくすんで汚くなりますよね。
それと同じような劣化です。
また、自費治療でも以前は「メタルボンド冠」が主流でした。
表面はセラミックで白く作りますが、
噛む力を受け止めるために丈夫にしないといけませんから、
内側には金属のフレームがあります。
金属製のフレームにセラミックを焼き付けたものが「メタルボンド冠(メタルボンドクラウン)」です。
被せる時は歯と被せ物の継ぎ目は歯茎と歯の溝の間に隠すようにしますが、
年齢と共に歯周病などで歯茎のラインが下がり、
その継ぎ目が外に見えるようになって金属フレームが目立つようになります。
金属がイオンとなって溶けだすので、
歯根や歯茎を黒くしてしまうこともあります。
神経を取っている歯の場合は、時間と共に歯の中のコラーゲンが変性して歯根が黒くなります。
するとクラウンの継ぎ目から歯根の黒い色が見えてきます。
このほか、クラウンの周りがしっかりお手入れできていない場合は、
虫歯が被せの中で広がって(二次うしょく、二次虫歯)
付け根が黒っぽく見えることがあります。
金属の影響で黒くなっているのであれば、
金属の被せを外して「オールセラミッククラウン」にすることで問題を解決することができます。
歯根が変色している場合は、歯根のホワイトニングを行って、
「ファイバーコア」の白い土台を用いて「オールセラミッククラウン」にします。
被せのやり替えは、事前にしっかりとした診断が必要です。
クラウンがよくお手入れされていて、
歯根が健康で歯質が十分に残っているかどうかが大切です。
健康な歯が薄くなっている状態で無理をしてやり替えを行うと、
歯の寿命が短くなってしまうので注意が必要です。
また、神経を取った歯で根の先に感染がある場合は、
併せて「感染根管処置」を先に行って、
歯根の消毒を済ませてからクラウンを作ることになります。
歯の中に太い「メタルコア(金属の土台)」があって「感染根管処置」ができないケースでは、外科処置の「歯根端切除術」を行うこともあります。
他に下準備としては、
歯茎が腫れたり血が出ているとお口の型取りができず、
歯にぴったり合った精密なクラウンが作れません。
歯周病治療として歯磨き指導、クリーニング、スケーリングなどといったことを先に行います。
奥歯の治療が先に必要な場合もあります。
奥歯がない状態で前歯の治療を始めてしまうと、
前歯に強い力がかかり、セラミックが欠けてしまうことがあります。
義歯、ブリッジ、インプラントなどで治療しましょう。
総合的にお口の状態をみながら、
前歯の治療を進めていくことが大切です。
セラミック治療により前歯を綺麗に改善された方の症例をご紹介します。
40代、女性の方で、前歯がガタガタしているのが気になっておられました。
古い被せ物と歯茎のキワに黒いラインが見えてきている部分もありますね。
歯列矯正治療で歯並びを治す選択肢もありますが、その場合は治療期間が2-3年を長くかかってしまう事が現実的にを治療を受けるのには支障があるということで、前歯4本をセラミックで被せて歯並びを整える治療を選択されました。
歯茎のラインが不揃いなので、歯肉整形術を行い、外科処置を経てから被せ物を行いました。
治療前、治療後3年後の比較写真です。
良好な状態が保たれていますね。
歯茎のラインを整えることで歯ブラシによるお手入れがしやすくなり、
綺麗に維持しやすい環境となりました。
セラミックは汚れが付きにくいので、歯茎も健康に保たれます。
セラミック治療
メリット;比較的短期間で天然の歯のように艶のある綺麗な歯にすることができる、歯並びもある程度自由に好みの形に変えられる、汚れが付きにくいので虫歯が再発しにくくて周りの歯茎も健康に保てる
デメリット:自分の歯を削る必要があり、場合によっては歯の神経を取ることもある、削ることでしみる症状が出る場合もある(たいていは一時的なもの)、保険適用ではないので高額になる(ハイブリッドセラミック68000~、メタルボンド108000~、オールセラミック128000~)
治療期間:1-3か月程度
副作用:術後にしみることがある、セラミックが欠けることがある
その他:土台の歯の状態、噛み合わせによっては、適用が望ましくない場合がある、歯ぎしりのある場合は、治療後に割れないようマウスピースを着用したほうがよいこともある、
審美歯科の治療のニーズは様々です。
お悩みによって治療内容が大きく変わってきます。
お気軽にご相談ください。

オーラルフレイルの予防について

皆様、こんばんは。

先日、6/23に大阪市内にて、

当院勤務の歯科衛生士の田河が講師を務めるセミナーが開催され、

多くの歯科衛生士が受講に訪れて下さいました。

テーマは「オーラルフレイル」です。

最近はテレビ等メディアにて「フレイル」=虚弱 という言葉を耳にする事も増えてきたかと思います。

 

 

私達歯科医師の仕事の重要な役割として「オーラルフレイルを予防する」ということが挙げられると思います。

「噛む」機能の低下により食生活に偏りが生じ、栄養が十分に摂取できないことが、全身の健康状態を悪くしてしまいます。

日本老年医学会にてこの問題は取り上げられてきております。

 

「なんでも美味しく食べられる」ことは人生を豊かなものとし、食生活を楽しく充実した時間としてくれます。

 

今は食べるものが溢れかえる飽食の時代ですから、例えば歯を何本か失ったり大きく穴が開いてうまく噛まなような状況にあっても、「食べられる物」を「探して」食べれば、取り敢えずは空腹だけは避けられてしまいます。

しかしながら、日本においては特に「寝たきり」「要介護」が問題とされておりますが、「空腹を満たす」だけで「しっかりと咀嚼して栄養を食物から摂取しやすい状態」での食事が十分に行われないと、「健康寿命」の延伸は難しいでしょう。

平均寿命と健康寿命の差は、女性では特に12年程度は開きがあると言われております。

なんら制限されることなく、人生を謳歌する時間が長くなることこそが、真の健康と言えるのではないかと思います。

日曜にも関わらずこのように多くの歯科衛生士が受講され、医院でそれぞれオーラルフレイルの予防に取り組んでいただけたらと思います。

 

セミナーは大好評でして、追加講演の開催が決定しております。

 

この後、大阪でも8/18に再度開催される予定となっております。

 

当院でも「咀嚼機能検査」は実施しております。

お口の状況により、保険適用されるケースと、保険適用外で自由診療のメニューとして行っているものとあります。

検査内容は、保険のものと自由診療のものでは異なります。

詳しくはお問い合わせください。

予防歯科のお話☆

こんばんは!
NHKで22時から放送の「プロフェッショナル 仕事の流儀」に、山形県酒田市の熊谷崇先生が取り上げられました。
http://www.nhk.or.jp/professional/2014/1027/index.html
熊谷先生は、私が学生時代から尊敬していた先生o(^_^)o
10年前になりますが、山形県酒田市まで実際に診療室の見学と研修に行ったことがあります。
オーラルフィジシャン養成セミナーです。
11月末のとても寒い日…雪で新幹線が止まってしまい、在来線を乗り継いで秋田まで回ってから山形に行った思い出があります!
2014-10-28-00-47-25
熊谷先生の講演には何度も足を運びました。
これは、その時の懇親会の時の写真です(^ ^)
今回、こうしてテレビで熊谷先生が取り上げられて嬉しいです。
虫歯は予防ができるんですよ!
皆さんにもっと知っていただきたいです。
悪くなってから治せばいい、それって、圧倒的に不利なんです。
歯科治療は殆どが以前の治療のやり直し。
再治療になる度に自分の歯を削って、平均して5回目の治療で抜歯になってしまいます。
治療すればするほど歯が弱くなります
そもそも虫歯にならないようにするにはどうするか、そちらの方が大事なんですよ(^ ^)
ご自身のホームケアを徹底し、それとともに専門家によるプロフェッショナルケアが大切です!!!
当院でも、定期的なメンテナンスを行い、ご自身の歯を一生使っていただけるよう、常勤衛生士2名、非常勤衛生士1名が現在対応に当たっております。
患者様には少し大変かも知れませんが、虫歯や歯周病を見逃さないように、詳細なレントゲン検査や、歯科用に色調調整されたデジタル一眼レフカメラによる口腔内写真を撮影し、記録を残しながらお口の管理を行っています。
自分の歯がいちばん快適ですよね!
悪くなる前に、歯のメンテナンスを始めましょう(^ ^)