歯周病ってなあに?

待合室に「歯周病」のパンフレットを置いています。
歯周病は痛みもなくゆっくり進行するので、
ほとんどの人は歯周病に気が付きません。
症状が出た時にはすでに手遅れ、
歯を抜かないとだめですね、と言われたりします。
そもそも歯周病ってどんな病気なのでしょう。
治るのでしょうか。
今日はそのような疑問についてお答えします!

歯周病の自覚症状としては、
・歯を磨くと歯茎から出血する
・歯茎が赤い、腫れている
・歯茎が痩せてきた
・歯茎から膿がでる
・口臭がする
・歯がぐらつく、咬むと動いて痛い
・歯と歯の隙間が広がってきた
などが挙げられます。
歯を支える歯茎・歯根膜・骨にかけての細菌感染症です。

歯周病の診断には、「歯周ポケット」という部分の深さを測ることと、
レントゲン写真によって骨の状態を確認することが必要です。
「歯周ポケット」とは、歯と歯茎の境目の溝のこと。
健康な場合でも1-3ミリの深さがあります。
深さが4ミリを超えてくると歯周病菌が増え、
治療の対象となってきます。
歯周ポケットを測定した時に出血があるのかないのかも重要です。
出血する歯周ポケットの場合は炎症が進行しており、
これからも悪化していく可能性があります。
また、レントゲン検査で骨が破壊されていないかを確認する必要があります。
慢性の炎症が持続すると、
歯を支えている「歯槽骨」という顎の骨が溶けてしまいます
骨が溶けてしまうので歯がぐらついてきたり、
ひどいときは抜け落ちてしまうのです!
恐ろしいですねー><

歯周病を治すには、まずは「プラークコントロール」が大切!
ご自身によって歯の表面を丁寧にブラッシングしなければいけません。
(歯の表面の歯垢を「プラーク」と呼びます)
どのように磨いてプラークを除去すればいいのか、
個人個人で歯並びや磨き癖などもありますので、
歯科医師や歯科衛生士の指導を受けてブラッシングの改善をすることが大事です。
やみくもに磨いてしまうと、歯茎を傷つけたり歯が削れたりします。
歯を磨かないと歯周病になりますが、
磨きすぎも逆に歯にダメージを与えてしまうのです。
「タバコのヤニ、茶渋の着色が気になるから」と
「ホワイトニング効果」を強調した歯磨き粉でゴシゴシ磨くのは禁物です。
研磨剤が多く入っている歯磨き粉は歯を削ってしまうことがあります。
また、歯石になった汚れは歯科医院で専用の器具を使って取らないと、
ご自身で無理をしても絶対に取れません。

プラークコントロールがまずは第一、そして歯石除去も重要な治療です。
「歯石を取るのに何回も歯医者に通わないといけないのはいや」
などとおっしゃる意見を聞きますが、
病状が進行している場合は歯石除去には回数がかかります。
程度が軽い場合を除いては1回ですべての歯のすべての面の歯石を取り除くことは困難です。
さらに重症の場合は、「歯肉切除」「歯肉剥離掻把術(しにくはくりそうはじゅつ)」などの
歯周外科処置を行う患者さんもいます。
進行している場合は歯の噛み合せの治療が必要になる場合もあります。

症状が出にくいのでなかなか気づきにくい歯周病ですが、
定期的なクリーニング(PMTC)により健康な歯を歯茎を維持していくことが可能なのです。