第一大臼歯を失ったら?

咀嚼に重要な第一大臼歯を失ったらどうしたらいいでしょうか?

今日は第一大臼歯を失ったらどう考えて治療を受ければいいかについてまとめました。

第一大臼歯は、通常は前から数えて6番目の歯、6歳で生えることから6歳臼歯とも呼ばれます。咀嚼の中心になり咬み合わせを支える大事な歯で、ここを失うと噛みづらくなります。
第一大臼歯を失った場合も、部分入れ歯、ブリッジ、インプラントのいずれかを用いて治療を行うことが必要です。
患者様の希望や価値観に合わせて、最も予後が良いと思われるものをおすすめしております。

例えば部分入れ歯は使いたくないというご希望の場合はどうでしょうか?

残る選択肢はブリッジかインプラントです。

抜歯した歯の両隣が天然歯で健康な場合は、せっかくの天然歯を削ってブリッジを装着することは、できれば避けたいものですね。

歯がぐらぐらしているわけでもないのに、連結してつなぐというのも
受け入れ難いものがあります。

そういった場合はインプラントを一本入れれば、十分に失った機能を回復させることができます。

特に下顎の場合は上顎よりも成功率が高く、安心した予後が見込めます。


インプラントは顎の骨にチタンでできた人工の歯根を埋め込み、被せ物を作って自分の歯の代わりにします。

第一大臼歯は奥歯の永久歯の中では一番早く生えてきて、子供の頃から咀嚼の要として、お口の中で重要な役割を果たしています。

上下の第1大臼歯だけで咀嚼力全体の1/3を受け持つと言われ、その力は約60キログラムにも相当します。

しかし、虫歯や歯周病で抜いたあと放置している方も多いのが現状です。


日本人の第1大臼歯の平均寿命は50歳前後というデータがあり、50歳前後で失った後は何らかの処置が必要になります。
失った後放置すれば、奥の7番目の歯が手前に倒れ込んできたり、上の噛み合う歯が下に伸びてくるなど二次的な障害を引き起こします。倒れたり伸びてくることでそれらの歯も悪くなり、ひいては歯を失うことに繋がりかねません。かみ合わせが崩れた「咬合崩壊」という状態のリスクも高くなります。1本の歯の喪失を引き金に次々とドミノ倒しのように他の歯も悪くなっていきます。

二次的な障害を引き起こした状態になった場合、きちんと治すためには矯正治療で倒れた歯を起こしたり伸びてきた歯を削って整えるなど、さらに治療が必要になって複雑になり、治療の費用や期間もかかってしまいます。二次的な障害は痛みもなく徐々に起こるため、自分で気づきにくいものです。治療に訪れる患者さんでこの二次障害を自覚している方は少ないです。


第一大臼歯は重要な歯です。もし治療が必要な状態になった時は放置せず早めに治療を受け歯を失うことのないように守っていきましょう

以上、第一大臼歯を失ったら?というトピックについてでした。

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群とは

大阪府 堺市中区 Miho歯科医院
歯科医師 前原美保
https://mihoshika.com

閉塞性症候群に対するマウスピース治療についてお話しします。

睡眠歯科として注目を集めている分野です。

睡眠時無呼吸症と診断される患者さんは全国で50万人が受診して治療をしていると言われ、全体で500万人が潜在患者とされています。
そもそも睡眠障害は90種類以上あると言われ、内科による診断が必要です。
睡眠障害はナルコレプシーやむずむず脚症候群、レム睡眠行動障害、PLMDなど様々です。

睡眠時無呼吸は全身にさまざまな悪影響を及ぼします。
高血圧、肥満、脳血管障害、不整脈、糖尿病等と関係があります。
睡眠時無呼吸症はメタボリックドミノの上流にあると言われ、各種生活習慣の中から睡眠時無呼吸が起こってきます。
放置すると、脳卒中や虚血性心疾患など様々な病気に発展する可能性があるため、早期に食い止めることが非常に大事です。

治療法としては、睡眠体位を工夫する、減量、禁酒、外科療法、CPAP、マウスピースが考えられます。

歯科で行われるマウスピースによる治療は、CPAPがうまく生活に馴染まない場合などに有効です。

医科による診断の元に行われます。

レントゲンでお口の状態を調べ、歯型を取り、マウスピースを作成し、それを使いながら調整して合わせて行きます。

マウスピースで効果が出やすい症例と効果が出にくい症例とあるので、スクリーニング検査が必要です。

マウスピースで効果が出やすいのは、比較的痩せ型で軽症の睡眠時無呼吸症の場合です。

マウスピースで治療効果が出ない場合は外科治療が適用となる場合もあります。

マウスピース治療でのデメリットは、長期に使用すると噛み合わせが変わってしまうことがあると言うことです。

噛み合わせが変わってしまうケースではマウスピースの使用を中止するしかありません。

噛み合わせが変わるのを防ぐために、夜間はマウスピースをはめて寝た後、朝起きてから寝る前の噛み合わせに戻るように意識して噛むことが大切です。
寝ている間はマウスピースにより下顎を前に出すような位置に意図的に移動させているため、上下の歯の当たる位置が変わってきます。

下を前に出した位置で固定することで、軟口蓋や舌が喉の奥に落ち込むのを防ぎ、息の通り道を確保しているのです。

重度の睡眠時無呼吸症の場合は大学病院での治療をお勧めします。大学病院では内視鏡を使った検査や、内視鏡を使ったマウスピースの制作をしているので、より重度の症例には適しています。

軽症なら一般の歯科でも対応できるとされるので、睡眠時無呼吸症で悩んでいる方は是非歯科医院にもご相談ください。

以上、本日は睡眠時無呼吸症に対する歯科治療をお伝えしました。

大阪府 堺市中区 Miho歯科医院
歯科医師 前原美保
https://mihoshika.com

歯周病について

*今回のコラムは《歯周病》です*:.。

歯周病は文字通り、「歯の周囲」の病気です。

ここで言う「歯の周囲」とは、歯茎や歯の根元などを含む「歯周組織」と呼ばれる部分であり、歯そのものに影響は及びません。

つまり、虫歯とはまったく異質な病気なのです。

歯周病は虫歯のように、歯が黒くなったり、穴が空いたりすることがないため、

初期の段階なら目視では気が付きませんし、痛みなどの自覚症状もありません。

しかし、実際には虫歯と並んで、歯を失う主要な原因となるほどの恐ろしい病気なのです。

歯周病が進行していくと、歯の周りの歯肉が腫れたり、出血したりします。

ここからさらに進行すると、口臭が発生するなどして不快感を覚えるようになります。

また、歯を支えている骨が吸収し始めると、歯がぐらつくなどの症状が現れます。

そして、次第に痛みを感じるようになり、物を噛むこともままならなくなって、最終的に歯を失うことになってしまいます。

さらに、最近では歯周病が心臓や肺の病気、糖尿病、低体重児の問題など、

全身的な病気の原因の一つとなることも判明しており、歯周病対策は健康な毎日を送るために欠かせないものになっています。

歯周病は様々な種類の「細菌」と、清掃不足な口の中の「環境」から引き起こされる病気です。

歯周病菌は一度きれいに除去しても24時間以上経過すると、再び爆発的に増え始めます。

したがって、歯周病を防ぐためには、歯磨きによって歯垢をしっかりと取り除く必要があります。

皆さん、《歯磨き》はしっかり欠かさず丁寧に行ってくださいね!

矯正治療で何が変わるの?

【 コラム:矯正治療で何が変わるの? 】

こんにちは、堺市 中区 Miho歯科医院です。

今回のコラムは、『矯正治療で何が変わるの?』です。

最近の新聞記事の中で「美人の条件は?」という質問に対して、「歯並びの良いこと」が回答率の高い項目に入っていることに、私は目を見晴らされました。

一昔前‘八重歯’は「かわいい!」というイメージを多くの人が持っていたはずです。

しかし最近の人たちは「八重歯は口を歪ましていて良くない」等と否定的な感じを持っていると言うことです。

きっと日本人の「美」に対する意識が高まっているのでしょう。

矯正治療は歯並びの治療ということは既に周知のことと思いますが、歯並びを治すことが更に【顔の形】に変化をもたらすことを皆さんはご存知でしょうか?。

矯正治療の対象となる患者さんは、大まかに分けて言いますと、『出っ歯・受け口・八重歯(乱ぐい歯)』の方々です。

これらの患者さんの【顔の形】に見られる特徴をそれぞれ幾つかあげてみます。

●出っ歯 

唇が歯によって前に押し出されるため鼻の穴が上を向き、特上下の歯が前に出ている患者さんは“モンキーフェイス”とよばれる上下の唇のふくらみが大きくなります。 

矯正治療をすることで鼻筋がとおり口元がスマートになります。

●受け口

下唇が上唇より前に出てしまいます。美人の条件の一つとして鼻の先端、上唇、あごの先が一直線上に並ぶことが上げられます。

受け口の人は矯正治療をすることで下唇が引っ込みます。

●八重歯

上唇の中心よりも外側に押し出された八重歯によって唇の両はじが膨らんでしまいます。

矯正治療によって唇のラインをきれいにすることができます。

その他、矯正治療を施すことによって顔に様々な変化を起こすことがあります。

矯正治療を受けた患者さんは、美人になることが多くみられます。

「なぜ?」と聞かれて一口に説明することは難しいことですが、治療前と治療後の顔写真を比較すると顔に変化の出る患者さんが非常に多いです。

歯は人間の顔立ちに大きな影響を及ぼしています。

矯正治療も美しい顔を作ることができることを知っておいてください。 

【 コラム:冷たいものが歯にしみる?! 】


こんにちは、堺市中区 深井駅前のMiho歯科医院です。

今回のコラムは、『冷たいものが歯にしみる?!』です。

冷たいものが歯にしみてズキンとする、歯ブラシがふれただけで痛いという人はいませんか?これは「知覚過敏症」かもしれません。

知覚過敏症とは、むし歯ではないのに歯がしみる症状をいいます。では、なぜ起こるのでしょうか。

歯根部分のエナメル質やセメント質の層が傷つき、象牙質がむき出しになると、知覚過敏が起こります。

エナメル質やセメント質が傷つく原因として、次の2つが考えられます。

(1)歯ブラシで強くみがきすぎて、歯のエナメル質を傷つけたり、歯周病などで歯ぐきが下がって露出した歯根部分のセメント質を傷つけてしまう。

セメント質はエナメル質よりやわらかいので、歯根部分が露出しただけで傷む場合も。

(2)歯ぎしりや歯を食いしばるクセで、過剰な力がかかって、歯の表面が割れたり、はがれたり、ひどいときは歯にひびが入ることも。

●症状が軽いうちに治療することが大切

冷たいものが歯にしみると感じたら、すぐに歯科医院で診てもらいましょう。いったん知覚過敏になると、何度もくり返し起こり、症状が強くなっていきます。

知覚過敏では、軽度〜重度まで段階を追って次のような治療をします。

・軽度の場合:正しい歯みがき法の指導を受け、再石灰化を待ちます。

・中程度の場合:歯根の表面をコーティングした上で、正しい歯みがきを続けて再石灰化を待ちます。ほかに、レーザーを照射して症状を緩和させる方法もあります。

・重度の場合:セメントやレジンで患部を保護して刺激をを受けないようにします。

また、原因が歯ぎしりである場合には、歯科医院で歯の型をとって、マウスピースをつくってもらいます。

就寝中にこれをつけることによって、歯の損傷を予防することができます。

●定期的に歯科検診を受けましょう

症状が改善しない場合、歯の神経を取って、痛みを感じなくする事もありますが、その場合、歯の寿命が短くなりがちです。

また、歯がしみても「知覚過敏だからきちんと歯みがきすればそのうち治るだろう」などと勝手に判断してはいけません。

本当はむし歯が原因で歯に穴が開いているのかもしれませんから、きちんと歯科医でチェックしてもらうことが必要です。