歯がなくなるのは老化のせい?

歯がなくなるのは老化のせいと考えていませんか?
お年寄りの歯がぐらつき始める、抜け落ちることを病気と考えない人もいます。
しかしこれはれっきとした歯周病(昔は歯槽のうろうと呼ばれていました)という病気です。

虫歯と比べると歯周病への対策はかなり遅れて始まりました。
歯に穴があき、痛みの伴う虫歯と比べると、
一般的な歯周病の進行はかなりゆっくりしています。
歯がぐらつきだしたり膿が出るなどの症状を自覚するのは、
歯周病が末期になってからなのです。
このため、長い間歯周病の治療は悪くなった歯を抜歯するしかありませんでした。

現在では、歯周病の発症や進行のメカニズムもある程度解明され、
初期から中等度までの進行は、患者さんの協力さえあれば、
十分にコントロールできるようになりました。
最新の研究では、血液を調べることによって患者自身の歯周病に対する感受性(歯周病にどのくらいなりやすいか)を歯周病の発症前から知ることができます。
つまり、歯周病は予防可能な病気なのです。

歯周病治療の基本はプラークコントロールです。
歯磨きもひとつの方法ですが、それだけでは十分ではありません。
歯と歯茎の隙間の溝(歯周ポケット)などのブラシでコントロールできないところは、歯科衛生士による専門的な処置が必要です。
場合によっては薬剤の使用が必要となることもあります。
さまざまな手段のプラークコントロールによって、
歯周病を進行させる有害な細菌の増殖を身体が許容できる程度にコントロールすることがこの病気の予防であり治療なのです。

歯周病も虫歯と同様に、そのかかりやすさは人によって違います。
遺伝的素因や喫煙などの環境因子も深く影響しています。
歯周病の予防のためには、「早期発見・早期コントロール」をこころがけましょう!!

暑い夏の虫歯予防!

こんにちは。

Miho歯科医院 院長の前原です。

暑くなると冷たいジュースが飲みたくなりますね。
でも、ジュースを飲むその前に…
そのジュースに砂糖は入っていませんか?

ペットボトル飲料でしたら裏側に

「果糖ブドウ糖液糖」と書いてあるものはとても危険です!!!

砂糖や炭水化物を摂取すると、
プラーク(歯垢)中の虫歯菌(ミュータンス菌)によって代謝されて有機酸が作られ、
その酸で歯の表面のミネラルが溶け出していきます。
これを脱灰(だっかい)と言います。
一定時間が経つと、唾液の浄化作用・緩衝作用により、
唾液中のカルシウムイオンやリン酸イオンが再び歯に沈着し、
溶け出した部分が修復されます。
これを再石灰化といいます。

お口の中では常に「脱灰」と「再石灰化」が繰り返されており、
このバランスが「脱灰」に傾いてしまうと虫歯ができるのです。

砂糖が頻繁にお口に入る食生活をしていると虫歯ができてしまうのはそのためです。

たとえば、1日に同じ量のジュースを飲んでいる場合でも、
おやつと食事の間に飲んでいる習慣を、
ジュースはおやつと一緒に飲み、
それ以外の水分摂取を麦茶に変えるだけで、
虫歯ができる危険性は大きく改善されます!!!

お茶、お水などお砂糖を含まない飲み物は虫歯になりません。

紅茶でも「ストレートティー」はお砂糖が入っていて甘いですよね?!

「無糖」の紅茶でしたら虫歯を作る原因となりませんので安心です。

冷えているときは甘みがわかりにくいですが、ぬるくなったときに甘い飲み物は虫歯リスクがあって要注意!!なのです。

暑い夏の飲み物は工夫をして、
虫歯ができにくい食生活を送ってくださいね!

歯ブラシの選び方

今回のコラムは、★歯ブラシの選び方★についてです。
毎日使う歯ブラシ、ぜひ今お使いのものを確認してみてください。
【歯ブラシの大きさ】
歯ブラシの毛の部分の横幅は、毛束が横3~4列で、縦幅は親指幅ぐらいの大きさのものを選びましょう。
歯ブラシが大きすぎると、細かな部分や奥歯などに、歯ブラシの毛先を当てることが難しいため、磨き残しができやすくなります。
【毛の硬さ】
毛の硬さは、「ふつう」をオススメします。
歯茎に痛みや炎症がある場合は、「やわらかめ」を選びましょう。
【毛の種類】
主流であるナイロン製のものをお勧めします。
動物の毛を使ったものは、ナイロンに比べて乾きが悪く衛生管理が難しいです。
【交換の頻度】
1ヶ月に一度を目安に交換してください。
歯ブラシに雑菌が繁殖してしまい、衛生上よくありません。
また、毛先が開き始めた歯ブラシは、汚れを取り除きにくいので交換してください。
毛先が開いた歯ブラシで磨くのはおすすめできません。
ご質問などございましたら、お気軽にスタッフまでお尋ねください。
当院では複数の歯科衛生士が在籍し、患者様のお口の状態、歯並び、磨き方、お好みみ合った歯ブラシをお選びしています。
自分に合った歯ブラシで楽しみながらお口のケアを★

シーラントをしよう!

お子様の虫歯予防として有効な「シーラント」について

虫歯のできやすい部位として、
1、歯と歯の間
2、歯の溝
3、歯と歯茎の境目
があります。

シーラントが有効なのは上記2に対してで、
歯の溝をあらかじめプラスチックで埋めてしまい、
虫歯菌の酸で溶かされないように予防します。

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   ↓↓↓ 溝をふさいでおきます

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生えたての歯は表面が未成熟で特に虫歯になりやすいので、
生えてすぐの頃からやっておくといいと思います。
ただ、まだ生える途中で一部に歯肉が被さっている場合など、
十分に歯を乾燥させられない状態ですとプラスチックが歯につかないため適応ではありません。
時期を見てきちんと生えてから行います。

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シーラントを行った歯

p002断面はこのようになります。

歯の溝はとても細く深いので、歯ブラシでは絶対に磨けません。
このように塞いでおくことで歯を守ります。

シーラントは歯を削らずに行えます。
1回の処置時間は10~15分程度で、処置後も普通にお食事をしていただけます。
シーラントをすると絶対に虫歯にならないというわけではないので、
その上から通常通りのブラッシングを行ってください。
また、部分的に欠けたりすることがあり、
その場合はかえって欠けた部分が虫歯になりやすいですから、
定期的な歯科検診は継続しましょう。
検診の目安は3カ月に1回です。

歯周病ってなあに?

待合室に「歯周病」のパンフレットを置いています。
歯周病は痛みもなくゆっくり進行するので、
ほとんどの人は歯周病に気が付きません。
症状が出た時にはすでに手遅れ、
歯を抜かないとだめですね、と言われたりします。
そもそも歯周病ってどんな病気なのでしょう。
治るのでしょうか。
今日はそのような疑問についてお答えします!

歯周病の自覚症状としては、
・歯を磨くと歯茎から出血する
・歯茎が赤い、腫れている
・歯茎が痩せてきた
・歯茎から膿がでる
・口臭がする
・歯がぐらつく、咬むと動いて痛い
・歯と歯の隙間が広がってきた
などが挙げられます。
歯を支える歯茎・歯根膜・骨にかけての細菌感染症です。

歯周病の診断には、「歯周ポケット」という部分の深さを測ることと、
レントゲン写真によって骨の状態を確認することが必要です。
「歯周ポケット」とは、歯と歯茎の境目の溝のこと。
健康な場合でも1-3ミリの深さがあります。
深さが4ミリを超えてくると歯周病菌が増え、
治療の対象となってきます。
歯周ポケットを測定した時に出血があるのかないのかも重要です。
出血する歯周ポケットの場合は炎症が進行しており、
これからも悪化していく可能性があります。
また、レントゲン検査で骨が破壊されていないかを確認する必要があります。
慢性の炎症が持続すると、
歯を支えている「歯槽骨」という顎の骨が溶けてしまいます
骨が溶けてしまうので歯がぐらついてきたり、
ひどいときは抜け落ちてしまうのです!
恐ろしいですねー><

歯周病を治すには、まずは「プラークコントロール」が大切!
ご自身によって歯の表面を丁寧にブラッシングしなければいけません。
(歯の表面の歯垢を「プラーク」と呼びます)
どのように磨いてプラークを除去すればいいのか、
個人個人で歯並びや磨き癖などもありますので、
歯科医師や歯科衛生士の指導を受けてブラッシングの改善をすることが大事です。
やみくもに磨いてしまうと、歯茎を傷つけたり歯が削れたりします。
歯を磨かないと歯周病になりますが、
磨きすぎも逆に歯にダメージを与えてしまうのです。
「タバコのヤニ、茶渋の着色が気になるから」と
「ホワイトニング効果」を強調した歯磨き粉でゴシゴシ磨くのは禁物です。
研磨剤が多く入っている歯磨き粉は歯を削ってしまうことがあります。
また、歯石になった汚れは歯科医院で専用の器具を使って取らないと、
ご自身で無理をしても絶対に取れません。

プラークコントロールがまずは第一、そして歯石除去も重要な治療です。
「歯石を取るのに何回も歯医者に通わないといけないのはいや」
などとおっしゃる意見を聞きますが、
病状が進行している場合は歯石除去には回数がかかります。
程度が軽い場合を除いては1回ですべての歯のすべての面の歯石を取り除くことは困難です。
さらに重症の場合は、「歯肉切除」「歯肉剥離掻把術(しにくはくりそうはじゅつ)」などの
歯周外科処置を行う患者さんもいます。
進行している場合は歯の噛み合せの治療が必要になる場合もあります。

症状が出にくいのでなかなか気づきにくい歯周病ですが、
定期的なクリーニング(PMTC)により健康な歯を歯茎を維持していくことが可能なのです。