乳歯の歯並びについて

永久歯が生える時期は、乳歯の場合と同様にかなり個人差があります。

1年ぐらいはバラツキがありますが心配はありません。

乳歯に重度の虫歯や外傷などがあった場合には、

永久歯が生えてくるのがしばしば遅れます。

乳歯から永久歯に生え替わる時期(5歳6か月~11,12歳ごろまで)を

「混合歯列期」といいます。

下の前歯4本が生え変わり、続いて上の前歯が生え替わる「交換期」では、

4本の永久歯が扇状に開いて並ぶ特徴的な歯列を呈することが多く、

「みにくいアヒルの子時代」とも呼ばれています。

その後、顎の骨の成長や永久犬歯の萌出などに伴い、

徐々にそれが解消されていくため、

この時期の扇状の歯並びはそれほど心配はいりません。

また、臼歯部(奥歯)は乳歯よりも永久歯の方が小さく、

交換に伴い余剰なスペースが生じるため、

このころにはかなり歯列が整ってきます。

しかし、将来問題となる歯並びや噛み合せの異常の前兆であることもあります。


永久歯に交換してからの矯正治療は、

多くは前から4番目の歯を抜歯して歯並びを改善していきますが、

前歯4本のみの時期から治療を開始すると、

取り外せる矯正装置(床矯正装置)で非抜歯で治療を行うこともできます。

すべての歯並びの異常に対応できるわけではありませんので、

歯科医と相談して治療の適応かどうかを判断してもらう必要があります。

Miho歯科医院では、同じビルの4階の「もちだ矯正歯科クリニック」と連携して矯正治療をお願いするようなシステムになっています。

ご興味のある方はお気軽にお尋ねください。

個人個人に合った虫歯予防をしよう!

前回に引き続き虫歯予防についてのお話をします。

兄妹でも虫歯の沢山できる子供とあまりできない子供がいます。

その違いは一体何なんでしょうか?

兄の方は歯磨きと甘いおやつの量に注意をしただけで虫歯はありません。

しかし、妹の方は虫歯の大きな穴があちこちに出来ています。

同じように歯磨きをさせ、

甘いおやつにも注意を払って育ててきたのに、

どうして虫歯の出来方に差があるのか疑問を感じると思います。

こういった場合は、唾液中の虫歯菌を調べたり、唾液の性状・量を検査したり、食生活を調べることで原因が明らかになります。

たとえばこのケースでは、

兄と妹ではミュータンス菌や乳酸桿菌などの虫歯の原因菌の感染量にかなりの差がありました。

また、虫歯菌がつくり出す「酸」を中和する唾液の力(緩衝能)も、妹の方がかなり劣っています。

妹はよく咬めないので唾液の分泌量もかなり不足しています。

ほとんど同じと考えられていた食生活も、

小さい頃から三食をしっかり食べる兄と比べると、

妹は食が細く、その分食事の回数も多くなりがちでした。

また、熱を出したときに小児科の先生に勧められて飲み始めたイオン飲料を、身体によいと考え日に何度も飲んでいることがわかりました。

虫歯の原因菌が多く、それらの菌が作る酸に対する抵抗力が十分に備わっていない上に、口の中が乾燥気味で食事の回数も多い妹の口の中は、歯を溶かす力(脱灰)が強く働いており、虫歯が出来るのは当然のなりゆきでした。

このように、虫歯ができる理由は歯磨きや砂糖だけが問題なのではなく、

一人ひとりが抱えている条件によって違っているのです。

コラム:妊娠中の歯科治療

今日は妊娠中の歯科治療についてのお話です。

Miho歯科医院にも妊婦の方がよくいらっしゃいます。

マタニティー歯科の観点から、よくある質問をまとめてみました!

 

Q1,妊娠中は歯科治療をうけてもいいでしょうか?

A1,安定期に行えば、通常の麻酔やレントゲンやお薬も問題ありません。
安定期以外でしたら応急処置のみにとどめておきます。

安定期に入れば、治療の際の麻酔も少量ですので問題ないです。

レントゲン撮影も防護服を着用することでほとんど被爆はありません。

また、お薬は安全性の高い種類のものを考慮して使用します。

どうしても心配な場合は、産婦人科の医師に相談して薬をだしてもらうようにします。

 

Q2,つわりがひどくて歯ブラシができません・・・

A2,小さめの歯ブラシに替える、
歯磨き粉を刺激の少ないものに替える、
どうしてもだめならせめてうがいをこまめにする


など工夫をしてみてください。

無理せずできることだけを調子がよい時に行うようにします。

殺菌作用がしっかり期待できる「クロルヘキシジン」という成分が入ったうがい薬の「コンクール F」がオススメです。 

Q3,妊娠してから歯ぐきが弱くなったような気がします・・・。

A3,妊娠中は、女性ホルモンの影響で歯ぐきの炎症が起こりやすくなります。

また、つわりでブラッシングが十分できないと、

不潔になって歯ぐきの炎症が起こります。

歯科医院で歯石を除去してもらうことで改善されますので、

歯科検診を一度は受けるようにしましょう。

 

妊娠中の女性のうち歯周病(いわゆる、しそうのうろう)の人は低体重児を早産する確立が高くなるという報告があります。

そして、お母さんのお口の虫歯菌は子供に感染するので、虫歯も安定期に入ったら治療しておいたほうが良いと思います。

この他にも疑問がありましたらどうぞお気軽にお尋ねくださいね(^^)

 

キシリトールの効果

今回の豆知識は、♪キシリトール100%ガムについて♪

:+*゜ みんなでガムを噛んで虫歯予防しよう! ゜:+*
○●キシリトールとは?●○
多くの野菜や果実に含まれている天然の甘味料で、砂糖と同じくらいの甘さがあります。
カロリーは砂糖の4分の3なので、血糖値に影響を与えません!
キシリトールは世界中の国々で虫歯予防効果と安全性が認められていて、
日本でもキシリトールガムやタブレットが普及しています。

では、キシリトール100%のガムとはどんなものでしょうか?

キシリトール100%ガムは一般のキシリトールガムとは違い、
100%キシリトールを使用した虫歯の予防に良いと言われているガムです。
キシリトールはう蝕の原因となる酸を作りません!
さらに、キシリトールは虫歯菌の発育を抑えたり、エナメル質の再石灰化にも効果があるといわれています!
矯正装置や義歯につきにくいガムベースを使っているので現在矯正中の方や義歯をお使いの方でも安心です!

●食べる回数●
毎食後と間食後、おやすみ前に1粒を摂ることをおすすめします。
1度にたくさん摂るより、1日に何度かに分けて摂るほうが効果的です。 
●食べるタイミング●
歯垢を落としやすくするには歯磨き前が、歯質を強化するなら歯磨き後が効果的。
歯磨きの後に甘いものを摂ることに抵抗がある場合は、歯磨き前に摂っても大丈夫です。
また、唾液の分泌が減るおやすみ前に噛むことも、むし歯予防には効果的です。
●噛む時間●
キシリトールの成分はおよそ数分で流出しますが、よく噛んで、唾液をたくさん出すことも、むし歯予防に大切なこと。
ですから、ガムを噛む場合は、味がなくなってもそのまま5分~10分噛むことをおすすめします。 
●摂る時間●
キシリトールを食べると、2週間で歯垢が減りはじめ、3ヶ月ほど経つとむし歯になりにくくなるといわれています。
むし歯予防のためには、まずは毎日、続けて摂ることが大切です。
 

:+*゜ キシリトールガムを噛んで虫歯のない健康なお口を保ちましょう゜:+*

歯がなくなるのは老化のせい?

歯がなくなるのは老化のせいと考えていませんか?
お年寄りの歯がぐらつき始める、抜け落ちることを病気と考えない人もいます。
しかしこれはれっきとした歯周病(昔は歯槽のうろうと呼ばれていました)という病気です。

虫歯と比べると歯周病への対策はかなり遅れて始まりました。
歯に穴があき、痛みの伴う虫歯と比べると、
一般的な歯周病の進行はかなりゆっくりしています。
歯がぐらつきだしたり膿が出るなどの症状を自覚するのは、
歯周病が末期になってからなのです。
このため、長い間歯周病の治療は悪くなった歯を抜歯するしかありませんでした。

現在では、歯周病の発症や進行のメカニズムもある程度解明され、
初期から中等度までの進行は、患者さんの協力さえあれば、
十分にコントロールできるようになりました。
最新の研究では、血液を調べることによって患者自身の歯周病に対する感受性(歯周病にどのくらいなりやすいか)を歯周病の発症前から知ることができます。
つまり、歯周病は予防可能な病気なのです。

歯周病治療の基本はプラークコントロールです。
歯磨きもひとつの方法ですが、それだけでは十分ではありません。
歯と歯茎の隙間の溝(歯周ポケット)などのブラシでコントロールできないところは、歯科衛生士による専門的な処置が必要です。
場合によっては薬剤の使用が必要となることもあります。
さまざまな手段のプラークコントロールによって、
歯周病を進行させる有害な細菌の増殖を身体が許容できる程度にコントロールすることがこの病気の予防であり治療なのです。

歯周病も虫歯と同様に、そのかかりやすさは人によって違います。
遺伝的素因や喫煙などの環境因子も深く影響しています。
歯周病の予防のためには、「早期発見・早期コントロール」をこころがけましょう!!